女性にとっての肉体的問題 〜出産という側面的問題〜

今回は、非常に繊細でナイーブなテーマを扱います。
女性にとって、誰に相談したら良いのかわからず、心の中に抱えたまま、
人生の未来について、漠然とした不安という大きな問題についてです。
このため、今回は、分析や心理学的な解決のお話はしないようにしたいと
思います。


でも、どうしてこのテーマを選んだかというと、お伝えしたいメッセージ
があったからです。
それは、こんな悩みが40代を超え始めるとリアルな問題として出てくる
という事を、多くの方に、知って頂きたいという事が狙いです。
40代を越えると、自分自身もこの問題に直接触れる事に恐れが出てくるし、
恥ずかしさも伴います。このため、隠し事のようになってしまいがちです。
さらに、性という領域について、タブーという観念も強くあるようです。
でも、ぜひ知ってもらいたいのは、この想いを抱えている人は自分だけ
ではないという事。
また、この悩みを持っている方に、そのまま人生をやり過ごさず、
できるだけ専門化に相談し、
自分の本当の気持ちを救ってあげる道に進んで頂きたいと心から願います。
先日、不妊治療を続けている女性から相談を受けました。
不妊治療の目的は、もちろん、こどもを授かる事です。
でも、この治療は、知っておられる方も多いかと思いますが、
肉体的・精神的疲労を大変伴うものです。
そして、お互いの関係や生殖器が、こどもを持つためだけの道具のように感じ
てしまったり、医学的機能診断から、自分やパートナーの欠陥的要素が見つか
り、それを気にしながらの生活になったりとリスクも大きいようです。
この要素が、自分を卑下するという罠にもなりかねません。
中には、ラッキーにも、一度で成功する方もいれば、何度も何度も繰り返し、
やっと受精したとしても、なかなか育たないという辛い経験を繰り返す方もい
ます。
私は、看護師でしたが、産婦人科の経験はなかったため、自分自身が出産の経
験をする事で、流産や死産が自分で思っていた以上の頻度であるという現実を
知る事になりました。
また、この流産や死産の経験がさらに、不妊や再度流産しやすい肉体を作って
しまいやすいという西洋医学的な統計上の問題もあるようです。
では、何歳まで、女性は出産可能なのでしょうか?
そう、これは、月経がある限り可能性はあり得るというのが、
西洋医学的な答えでしょう。
でも、30代半ばを超え始めると、女性は、「出産と子育ての年齢は違うから」
という言葉を口に出し始めます。
また、40代に入ると、「タイムリミットだから」という言葉も、よく耳にします。
これは、女性としての生理機能的には可能であっても、各々の個人的理由による
問題がありますという表現のようです。
この話題は、かなりリスクも高く、心理的負担の大きい問題だと思います。
ですが、最近では、結婚年齢が高くなり、さらに、共稼ぎ社会が当たり前のよ
うになってきた中で、女性もキャリアを積みたいという想いを達成しながら、
子育てをしていくには、まだまだ難しく困難な問題が多い現状があります。
また、昨今の経済的事情もあります。
その中で、40代を過ぎても初産や第2子を望む方は少なくありません。
本当に勇気ある女性が増えていると思います。
また、そんな女性を支え、ともにチャレンジする男性も増えていると思います。
素晴らしい事ですね。
ただ、出産は出来ても、子育てする体力や忍耐力があるだろうか?
こどもが成人し、結婚・子育てをする頃、自分は生きているだろうか?
それまでの経済的問題はクリアー出来るだろうか?
もしかすると、自分の介護だって必要になっているかもしれない?!
なんて考え、心配の方が大きくなっている方も少なくないようです。
でも、内情は、出来るなら、こどもが欲しい。
もう一人・あと二人ぐらいは欲しいな…なんて、ひそかに思っている方も
少なくないのではないでしょうか?
もちろん、結婚はどちらでもいいけど、こどもだけは欲しいという方もいます。
あるいは、婦人科系疾患やこどもを持てないご病気をお持ちの方もいるでしょ
う。
みなさん、それぞれの想いだと思います。
でも、女性である限り、どうやら、この出産という出来事が、
人生の一つの大きなラインであるという見方の側面もあるような気がします。
そして、このラインをどんなふうに自分自身の中に受けとめ、決断し、次の
ステップの生活を歩んで行くのか、ちょっと自分の心に触れて頂ければ幸い
です。
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