手放しについてのお話は、これまでも何度か書いてきました。
何故なら、この分野は、私が最も苦手としていたので、
今では最も得意とする分野に変わってしまったからです。
過去のモノを手放すことができれば、どんなに人生が変わるだろう?
もし、過去を変えることができれば。
もう一度、人生を生きなおせることができれば。
そうすれば、まるで新しく始めるような気がするのに。
そうすれば、そうなれば・・・
●Mさんとのプロセス
今日は、40代半ばからカウンセリングを始めている、ある主婦M
さんにご許可を頂いて、40代過ぎてからの手放しについての
話を書いてみようと思います。
Mさんのお悩みは、未来への心配と、今の生活に対する言葉に
ならない中でのやる気のなさでした。
もちろん、Mさんは、ご家族のためなら一生懸命に与える人です。
成長盛りの子どもさんが2人いて、ご主人は仕事まっしぐら、
さらに義父との同居。
そんな生活を、Mさんは主婦として、母として、嫁として与えてます。
でも、自分の本当にしたい事はなんでしょう?
と聞くと、お答えに困るようでした。
「普通に考えると、何の悩みもないはずなのに、なんだかこのままい
くと、子どもが家を出た後、死んだ方がましなような気分になって
しまうんです。
だから、未来の事を考えると、怖くなって寝てばっかりです。」
と、最初に電話を頂いた頃、Mさんの口調は重く、話も途切れ途切れ。
私が励まそうと、ポジティブな言葉をかければかけるほど、
「まあ、そうでですね。ハー。」
と気のない返事。
45分のカウンセリングの後は、深い眠りに落ちるらしく、
いつも家族を送り出した後、朝一番の電話カウンセリングでした。
家族の迷惑にならないように、家族を想う気持ちは人一倍です。
あれから、3年。
2度ほど面談カウンセリングも受け、色んなお話をしてきました。
今では、数ヶ月に一度の電話カウンセリング。
Mさんは、特に何をしたとも感じていないようで、相変わらず
「やっぱりだめですね〜。はー。」
と十八番のフレーズを言って、私を楽しませてくれます。
でも、電話の向こうから聞こえてくる声や話口調はとても軽やかで、
話もテンポ良く進みます。
ご自身でも、「そういえば、変わってますね。私強くなりました。」
と、自信に溢れる口調で話して下さいます。
そして、先日の電話カウンセリングでの事でした。
Mさん十八番の
「あーあ、あの時、あの道を行ってれば。
そうすれば、何か変わってたかしら?やっぱりそう思います。」
私は、
「そうね。でもちょっと考えてみてください。
Mさんや私のように、心の旅が大好きなタイプの人は、
どんな道を選んでいたとして、今という心のゴールは、
やっぱりここではなかったでしょうか?
だから、あの道を選ばなかったから、こうなった。
あれを選んでたら、どうなっただろう?という想いを、
そろそろ手放しませんか?
そうすれば、過去のように後悔の中に生きて、時間を
無駄にする事も無くなるでしょう。」
「過去にやりたかった事、それは、今もやりたい事でしょうか?
もし、そうであれば、それを今から始めてもいいんじゃないで
しょうか?」
「じゃあ、あの大学、あの大学だからこそ、あの大学に本当に行きた
い。それが自分のしたい事であれば、いくつになっても達成する事
は可能じゃないでしょうか?」
Mさんの答えは、NOでした。
歳を重ねると、家族が、お金が、記憶力が、時間が、などなどいい訳
はたくさんあります。
勇気を出すのも億劫になりがちです。
私は、ただ単に、いい訳と言ってしまうのは辛いので、自分自身へお
試しだと思うようにしています。
Mさんにとって、あれは、あの時だからしたかった事だったという
気づきが起きました。
『あの時、あの大学に入っていたら道が違ったかもしれない。』
という事へのしがみつきでした。
多く私達は、昔の叶わなかった事を、今も心に秘めて生きています。
ただ、それは、昔の私がしたかった事なのに。
大切なのは、今。
今の私、歳をとった現在の私が追う夢は何でしょう?
今から、過去へのしがみつきを見つけ、それを手放して、
今の私がやる事を選択し始めると、未来は必ず違ってくるでしょう。
少なくとも、過去を悔いる人生は未来でなくなっていると
私は思います。
さあ、喜んで手放しましょう!!
そして、今度はあきらめないで!!
ねっ、Mさん&人生を大切に想うみなさま。
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