心理学の専門書やホームページを見て頻出する用語の一つに「インナーチャイ
ルド」があります。「あなたの中のインナーチャイルドをいやしましょう。」
って風に。今日は「インナーチャイルドはあらゆるご相談で、抱えた感情を開
放したり、痛みをいやすのを目的としたケースに使える。」って御紹介をいた
します。
インナーチャイルドとは、過去の子供時代に傷ついた心のことです。小さい・
幼い子供さん時代は、どなたにもあると思います。子供の時に「もしかすると
こういう風にしてほしいと感じていたことは何かな?」なんて、想像してみて
くださいね。
「依存」と「自立」の関係もよくお伝えします。「依存」は誰かに頼り、頼っ
た人から満たしてほしいニーズを満たしてもらうことです。「愛してるよ」「
僕は(私は)君のことが大好きだよ」「ああ、大事にされてるんだね。嬉しい
な嬉しいな。」なんて感覚が満たされてる感じです。ところがこの「満たして
ほしい」ニーズが満たされないと、ガマンしながら大きくなります。
「もう満たされないんだ・・・」と感じた瞬間、その子供は「依存したい」人
に依存するのをやめて、大きくなります。大人になっていきます。これを「自
立」しながら成長すると言います。いかに傷つかないかを工夫することを、心
理学用語では「自立」と呼びます。
自分の内側にある「満たしてほしい」欲求が満たされないまま大きくなったと
したら、どんな感じがしますか?この満たされなかったものを満たそうと、い
ろんな手だてをとるかもしれません。「欠落感による欲求」と言います。自立
して、いかに傷つかないかを工夫しながら「欠落感による欲求」を満たすため
に行動した結果が、ある時、いろんな対人関係やお仕事など、その他あらゆる
問題として表面化し、ストレスのもととなります。
一般的には、ストレスへの適応は自然になされる一時的な状態で、決して慢性
的なものではありません。しかし、長期にわたってストレス下でくらしている
人にとっては、自分の内側から来る刺激、感情とか欲望とか欲求に気付きにく
くなります。この内側から来るものを自然に受けとめて、イキイキとした毎日
を送るためのサポートとして、インナーチャイルドは有効かと思います。
インナーチャイルドをいやすことが有効な症例は、主に次の通りです。
・両親との関係に問題あり
・小さい頃から我慢して辛抱することが多かった
・良い子をずっとしてきた、自分のいいたいことが言えてない
・小さい頃(あるいは思春期)傷ついた
・両親に充分愛してもらっているけど、本当はもっとこうして欲しかったとい
う思いがある(自分の望む愛し方をしてほしかった)
・ご両親の仲が悪くそれをみているのがつらかった
・親に求めるニーズを他の誰か(パートナー等)に求めている
・自立が強くなりすぎて対人関係が上手くいかない(子供時代に傷ついてる分
だけ自立が強くなってる)
・上司と上手く行かない、仕事に関しての問題がある(お父様との葛藤を持つ
『もっとこんなお父さんでいてほしかった』って思い等)
・過食症、拒食症(親御さんから愛されることに関しての空虚感がある場合)
・アルコール中毒、ニコチン中毒、ワーカホリック等の各依存症(満たされて
ないニーズがある、ニーズを抑圧して自立している)
・アダルトチルドレン
などなど、この他にもいろいろあります。このようにインナーチャイルドはあ
らゆるケースの御相談に応じられる、心理療法の基本として認知されてます。
メルマガをお読みの皆様の、問題解決の参考になれば幸いかと存じます。
向井康浩のプロフィールへ>>>