40代になると、職場や家庭など、今の状況になってから長い時間が経った
なあと思われること多くなってくるのではないでしょうか。
職場にせよ、家庭にせよ、つきあいが長くなってくると、この状況が当たり
前になってしまい、何か大きなきっかけでもないと、あらためて自分に与え
ている影響や関係を見直すことはないものです。
特に家庭については、普段の暮らしの積み重ねが当たり前のようになってき
ます。
お子さんがおられる家庭では、子どもの成長に合わせて、様々なイベントが
節目となってあらわれてきますが、こと夫婦という、家庭の原点である関係
については、以外と後回しになっていることが多いようです。
例えば、結婚記念日。
結婚したばかりの時には、毎年やってくる結婚記念日は一大イベントだった
のに、今は全くやらないなあとか、昔は様々な記念日などをきちんと覚えて
いて、相手が忘れると激怒していたのに、子どもが生まれてからは、子ども
中心に回ってしまい、段々と小さな扱いになってしまうとか。
毎年やっていても、昔のような感動的なセレモニーのまま、ということは少
ないでしょう。
そんな風に、最初は大きな意味を持っていたものが、時とともに小さくなっ
ていくことがあります。
家庭によって様々だと思いますが、それは時間とともに関係が成熟していく
中では、ある意味当たり前のことであるともいえます。
仕事や家事、子どもの教育等が忙しく、また会社や地域の中での社会的地位
が上がっていく中で、その場その時の状況は、どんどん変化していきます。
しかしながら、変化だけでなく、慣れ親しんできたゆえの、よく言えば安定
感、悪く言えば新鮮さのなくなった状況が起こりやすくなるのも事実です。
最近、夫婦でドキドキしたのはいつだったでしょう。
いつの間にか当たり前になってしまった二人の関係に、ここはひとつ、新し
いきっかけを吹き込んでみましょう!
そんな時にお薦めしたいのが「なれそめ」を思い出すことです。
お二人の「なれそめ」はなんでしたか?
いつ、どんな風に始まり、どんな風に展開して結婚に至ったのでしょう。
順を追って思い出してみましょう。
ここでのポイントは、楽しかったこと、ドキドキしたことを思い出すように
心がける、ということです。
思い出していくうちに、そういえば、もっと昔にあんなことがあったぞ、
なんてさらに思い出を追加していく、なんてこともおこります。
一通り思い出したら、楽しかったこと、ドキドキしたことをまとめてみまし
ょう。
お二人のスタートは一言で表したらどんな言葉になるんでしょうか。
人は忘却の生き物と言われるように、過去の記憶を忘れていきます。
けれど、それはなくなってしまった記憶ではありません。
心の中の引き出しのようなところに仕舞われていて、きっかけひとつで戻っ
てくることもあるのです。
忘れていることもあるでしょう。
けれど、思い出したこともたくさんあるはずです。
出会った時のことだけでなく、今までの歴史を振り返ることになるかもしれ
ません。
その時、「ああ、あんなによくしてもらったなあ」という感謝の気持ちがで
てきたら、しめたもの。
その気持ちをもっと広げて感じてみましょう。
その時にはすでに、あなたの心の中には、何かが生まれているはずです。
もしできるなら、相手にその思いを伝えてみましょう。
小さなプレゼントを渡してみるのもいいかもしれません。
突然のことで相手が受け入れてくれず、「熱でもあるのか」と言われても気
にしないでくださいね。
あなたが心の中でしっかりと思い出して感じていれば、それは自然に伝わり
ます。
人は人生を歩む中で、どんどん変化していきます。
その変化の中で、存在が小さくなっていくものもあれば、逆に大きくなって
いくものもあります。
その変化を楽しむのが人生であるともいえると思うのです。
仕事、家庭、どんな時でも結構です。
停滞していると思ったら、変化のきっかけに、その「出会い」を振り返って
みてください。
初めての辞令。初めての給与。
初めてのプレゼント。初めてのキス。
あなたの中に、新しい変化が生まれるかもしれません。
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