みなさんは子どもの頃、このように言われたことはないでしょうか?「電車の中なんだから、静かにしなさい」
「男の子なんだから、泣いてはいけません」
「女の子なんだから、おとなしくしていなさい」
「もう小学生なんだから、お片付けしなさい」
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから、弟にはやさしくしなさい」
他にも色々とあるでしょうが、「~なんだから」「~なのだから」と親から言われるわけです。
親が言っていたことは、間違いではないのかもしれません。
電車の中で騒いでいると、他の人に迷惑が掛かりますし、社会の常識を教えるうえでは、とても大切なことです。
でも、人間心理からすると「~なんだから」と言われると、ごもっともとは思うのですが、なんだか強制されているような気持ちになりますし、言われた側は、自分の利益になることが一見なさそうに思うので、反発したくなるのです。
親が子どもに言うのと同じようなことを、私たちは社会でも言われたり、言ったりするものです。
「納期が迫っているのだらから、早く仕上げてほしい」
「もう入社5年目なのだから、もっと仕事の幅を広げるように」
「社長直々の依頼なんだから、迅速に対応するように」
「我が社の未来がかかっているんだから、良いものを開発するように」
確かに、納期が迫っているのならば、早く仕事は仕上げるのがよいでしょう。
でも、それは誰もがわかっていることであり、言われた側は、「わかっているよ!」という気分になってしまいます。
こういった場合、「~なんだから」と言う側は、言われる側が少しでも、嬉しくなる言葉を使う必要があります。
わかっちゃいるけれど、そして精一杯やっているけれど、もっと頑張らなくてはいけない状況なわけです。
そんな時は、自分のことも責めていますし、焦ってもいます。
そこに、「納期が迫っているんだから」と言われると、反発したい気持ちが出てきます。
ちっとも嬉しくはないわけです。
やらされる仕事と、やる気になる仕事は違います。
「頑張ってくれていることは、わかっているよ。納期までに完成できるかは君にかかっているので、よろしく頼むよ」
こう言われると、「期待してくれているのだな」「私の頑張りを認めてくれているのだな」と嬉しくなります。
嬉しい気持ちが出てくると、人はやる気になるのです。
「~なんだから」と言われれば言われるほど、強制されている感じが出て反発したくなりますし、「わかってもらえていない」と不満や怒りが出てきてしまいます。
そうすると、仕事の速度や質にも悪影響を及ぼしてしまいます。
ですから、相手が少しでも嬉しくなる言葉を使い、「~なんだから」という言葉を使わないようにしましょう。
「入社5年目なんだから」
「もう中堅なんだから」
「君にも部下ができたんだから」
そんなことを言われても、嫌な気持ちになってしまうだけですから、モチベーションを下げてしまうだけです。
それよりも、「いつも頑張ってくれてありがとう」そんな相手を認める言葉を伝えてから、「信頼しているよ」「よろしく頼む」のように相手が嬉しくなる言葉を伝えるようにしてみましょう。
そうすることで、やってもらいたいことを、気持ちよくやってもらえる確率が上がってきます。
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