仕事をしていると、「仕事内容」「人間関係」「仕事と家庭」など様々な場面でストレスを感じることがあると思います。今日は、こういった「ストレス」との上手なつきあい方がテーマです。◆「嫌だけど我慢するとき」は二重のストレスを感じている
本当は嫌だけど、仕事だからと我慢して、上司の愚痴を聞き続けている時、わたしたちは、その「嫌だ」という気持ちを心の奥底にぎゅっと閉じ込めます。このように「心の奥底にぎゅっと閉じ込める」ことを「抑圧」と呼びます。
「抑圧」された感情は、消えてなくなる訳ではなく、心の奥に溜まっていきます。それが繰り返されると、細かいチリが積もるように、どんどん「嫌だ」という感情が積み重なっていき、やがて、閉じこめられなくなり、心の表面に上がってきます。ここで初めて「最近、仕事がストレスで・・」と実感します。
この状態は、「聞きたくない上司の愚痴を聞かねば」というストレスと、感じた「ストレス」を心の底に隠しておく「ストレス」が2重にかかっています。
つまり「ストレス」を抑圧するということは、必要以上の「ストレス」を抱えるということなのです。
◆「ストレス」を放っておくとどうなる?
①感情のセンサーの鈍化
「ストレス」を感じるのは不愉快だし、悔しかったり、腹が立ったりします。そんな嫌な気分を感じ続けるのは苦しいので、心は、心を守るために、「感じる」というセンサーを鈍くさせ、嫌な感情を感じないようにします。ところが、「感じる」というセンサーが鈍ると、うれしい、楽しい、おもしろい、美しいというような「いい気分」を感じるセンサーも鈍るので、何をしていてもつまらない、したいこと、欲しいものがよくわからない状態になります。
②不安や怖れを感じやすくなる
わたしたちの心は、不快な出来事で心が傷つくのを防ごうとする仕組みを持っています。
この仕組みが働くと、ストレスのかかりそうな状況を早くキャッチして、避けようとするため、不安や怖れを感じやすくなります。
③体への異変が現れる
限界を超えると、体調を崩したり、イライラ感が増えたり、怒りや悲しみのコントロールができなくなったり、無気力になって動けなくなったりすることもあります。
◆ストレスの原因とストレスを軽減するためのキーワード
①不安や怖れ (焦り・緊張)
見知らぬ環境や不慣れなこと、先の見通しがつかない時、逆に過去に失敗したを再度やらなくてはならない時には、「不安」や「怖れ」を感じやすくなります。「不安」や「怖れ」は、「うまくやらないといけない」という緊張や焦りを生み出します。
<キーワード>
失敗してもよい 焦らなくてもよい
結果だけでなく、過程(プロセス)にも価値がある
②観念やガマン (義務・役割・犠牲)
「○○しなければいけない、するべきだ」という思いが強すぎたり、仕事だから、母だから、と役割を重視しすぎたりして、自分の気持ちを後回しにすること(ガマン)が続くと、「やらされている」と感じたり、束縛感や不自由さを感じるようになります。
<キーワード>
「○○してもいいし、○○しなくてもいい」というように、選択肢を持つ
自分を優先してもよい
③承認への欲求 (自己愛・自己価値の欠如・嫌われる怖れ)
人から認められたい(愛されたい、好かれたい、褒められたい)という思いが強くなりすぎると、相手に合わせすぎたり、他人の目ばかりが気になって自分がわからなくなったり、他人が不機嫌なのは自分のせいだと、自分を責めてしまったりします。
<キーワード>
自分を大切な存在であると思ってもいい
全ての人から愛されなくてもよい
自分と他者の気持ちを分けて考える
④ 自分への過度の期待 (完璧主義)
こうありたいという理想の自分とそうではない現実の自分とのギャップを感じすぎると、自分を責めすぎたり、なぜうまくいかないのかと焦り、自分を責めて苦しくなってしまいます。
<キーワード>
今の自分を受け入れる(今日の限界は明日の限界ではない)
小さな成長もしっかり受け止め、達成感や成功感を感じる機会を増やす
◆自分にとってのストレスケアをリストアップしてみる
ストレスに耐えるより、ストレスと上手に付き合うには「ストレス」は溜まっていくものという自覚を持ち、日常的に「ストレス」を軽減できるよう疲れた時の自分にあったリセット方法を知っておくことが大切です。
例えば
・深呼吸をする
・体を動かす(散歩・スポーツ)
・声をだす、歌う
・旅行にいく
・音楽を聞く
・労ってもらう(マッサージ・カウンセリング)
・おいしいものを食べる
・おしゃべりをする
・映画やDVDを観たり、ゲームをする
・自分のがんばりを認める
など
日ごろから、自分にとって心地良いことや安心して自分を出せる環境、心がウキウキするようなことなどをリストアップしておき「セルフストレスケア」を習慣化できるといいですね。
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