主語の威力は結構すごい

普段何気なくつかっている言葉は、私たちの心の大きく影響しています。
例えば職場の上司が、大嫌いなタイプで、今日も職場で嫌な気分になったとしましょう。
そんな状態を、友達や家族に話すとき、皆さんはどんなふうに話していますか?「あの部長てば、今日も当たり散らすんだよね。おかげで気分がまた悪くなったよ」

「私の気分は今日も悪くなったんだよね。部長がまたいつものように当たり散らしてさ」

どちらが正解かというのはないのですが、心に悪い影響を及ぼすのは、最初の話し方です。

大嫌いな部長が、主語として登場するからなのです。
主語といえば、誰が何をしたか、何がどうなのかの、誰がや何がの部分です。
その分の主なのです。

誰かがみなさんに嫌な気分を味あわせたとしても、主語は自分で話すのが良いのです。
そうでなければ、人生の主役を、嫌な気分を味あわせた人に与えてしまうことになります。
無意識にですが、自分の人生を誰かに明け渡してしまうことになるのです。

気分が悪くなるようなことがあったのだとしても、その気分を味わっているのは自分です。
ですから主語は自分にするのです。

「あの部長てば・・・」で言葉を初めてしまうと、主役を部長にもっていかれてしまうのです。
嫌ですよね。

被害者になってしまいます。
被害者というのは、とても弱い立場です。
加害者が心を入れ替えて対応を変えるとか、心の底から謝ってくれるとか、何かがなければ救われません。
ですが、主語を自分にするだけで、被害者でなくなることができるのです。

例え嫌な感情であっても、感じているのは主役である自分です。
ですから、その嫌な感情を変えるのもまた自分でできるということになります。

例えば、「あの部長てば、今日も当たり散らすんだよね」だと、部長が当たり散らすことをやめなければ、皆さんの気分をよくすることができないのですが、「私の気分は今日も悪くなったんだよね」だと、今日悪くなった気分を、良くすることは自分にできるようになります。

言葉だけのことではないのです。
言葉に心もついてきます。

自分が発する言葉を一番よく聞いているのは、他でもない自分です。
ですから、主語を自分以外の誰かにしていることが多いと、人生の主役は自分以外の人というふうに心は理解します。
でも、自分が発する言葉の主語を、いつも自分にしていると、自分の人生の主役は自分というふうに心は理解するのです。

ですから、普段は意識して主語を自分にするように心がけることで、自分の人生に責任を持てるようになってきます。

ですが、何かを販売する場合など、お客様に商品をおすすめるとき、相手のタイプによって主語をお客様か自分かに使い分けてみるといいかもしれません。

「私はこの商品が○○様には、おすすめだと思います」

「○○様は、この商品がお似合いですよね」

主語が私なのか、○○様なのかで、後に続く言葉が微妙に違ってきます。

決断するのが苦手なタイプのお客様の場合、「私はこの商品が○○様にお勧めです」と、主語を私にすることで、お客様が決断しやすくなります。

また、主導権は自分が持っていたいタイプのお客様の場合ですと、「○○様はこの商品が・・・」の方が、気分が良いかもしれません。
主語によって、相手の気分を変えることができるのです。

先にも書きましたが、これは自分にも当てはまります。
職場であれ、プライベートであれ、人生の主役は自分以外にはありえません。
ですから、可能な限り主語は自分にしてみてください。

それだけで、私たちの心は「主役は自分だ」と理解しますから、自分の気分を変える力も、自分の力を発揮するのも自分次第だと動き出してくれるようになります。

ぜひお試しくださいね。

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この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。