初めて「リーダー」になったとき

初めて「部下」を持つ。「リーダー」の肩書きを持つ。今までとは違う立場に立った時には、それまでの自分の業績や人柄が認められたと思う反面、「リーダー」になることに、プレッシャーを感じたり、ポジションの変化に戸惑ってしまったりすることがあります。なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?<かつての上司との競争>
チームの一員だったとき、リーダーに対して「リーダーなのに、ちゃんとできていない」「もっと、自分たちのことを理解して欲しい」「リーダーのくせに・・」等の不平不満を抱いていると、リーダーという立場に立った時に、部下から責められるのではないか?という不安を感じやすくなります。「あのリーダーみたいにはならない」と思うほど、「もっとしっかりしないと・・」というプレッシャーを自分にかけてしまうので、「上司」や「リーダー」として、どう振る舞えばいいか、わからなくなってしまうのです。

<部下との競争>
また、自分がリーダーという立場に立ったために、今まで自分がやっていた仕事をするようになった部下を見て、「自分だったら、○○するのに、なぜ、そのやり方をするのか?」「もっと効率的にできないのか?」というような苛立ちを感じたり、反対に「自分がやっていたときより、うまくやっている」と敗北感を感じ、自分がリーダーであってもいいのか?と自信をなくしたりすることもあると思います。

<競争を手放す>
かつてのリーダーや、現在の部下との間で感じている感情は、両方とも「競争」です。
「競争」すると「勝者」と「敗者」ができます。そして、「敗者」になることを怖れます。ここで、ポイントとなるのが「競争を手放す」という考え方です。かつての上司への不平不満から、あんな上司にはなるまいとするのではなく、かつての上司が「できなかった」理由を理解した上で、自分のやり方を見つけていく。自分と部下を比較するのではなく、部下のやり方に理解を示したり、部下の仕事なのだと割り切って「任せ」、自分は上司として成すべきことに集中する。
つまり、過去の自分の視点を手放し、今の自分だからできることに視点を移していくことが大切なのです。

<リーダーの仕事>
リーダーは、言うまでもなくチームのとりまとめ役であり、責任者でもあります。個人の仕事量とチーム全体の仕事量を比べると、チーム全体の方が多くなりますし、個人で全てを行うのは難しいと言えるでしょう。個人レベルでは「自分がやった方が早い」と思う事案であっても、大局的な視点から見たときには、「任せた」方が数段効率的な事案も多くあります。チーム全体の方向性や利益を見定めた上で、任せるべき仕事は任せ、自分がやるべきことは引き受ける、というのが「リーダー」の仕事といえるかもしれません。

<リーダーとしての影響力を知る>
リーダーという肩書きを持つと、自分がどう思っていようと、周囲からは「リーダー」という「権威」として見られます。「権威」を持つということは、よくも悪くも、今まで以上の「影響力」を持つ、ということです。自分では、ちょっと注意したつもりでも「叱責された」と受け取られてしまう、というのも、注意された側からみると、「リーダー」という「力のある人」からの指摘なので、重く受け取られるからなのです。逆にいうと、「リーダー」からの承認やほめ言葉は、「権威」からの承認なので、今まで以上に「効果的」だとも言えるのです。自分の言葉や態度が「影響力」を持っていると自覚することは、リーダーにとって、とても大切なことなのです。

<最後に>
自分なんかがリーダーなんて・・。自分がリーダーでいいのだろうか?そんな気持ちを感じていると、周囲の目が気になって「自分らしさ」が失われていきます。そんな時には、自分に「リーダー」を任せようとしてくれた人の存在に意識を向けてみませんか?その人からみると、「リーダー」にふさわしい人材なのです。その事実を信頼してくださいね。

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