「育児休暇明け」は「働き方」を変えるとき

働く女性にとって、「結婚」以上に働き方が「変わる」のは、「育児休暇あけ」ではないでしょうか?
育児休暇に入るまでと「同じ感覚」で「同じように」働こうとすればするほど、子どもの急な病気や保育園からの呼び出しで、段取りが狂うことが重なると、働く人間としてのルールと母親としての思いの板挟みになることも多いと思います。育児休暇明けで働く女性の多い職場であれば、先輩や同じ状況の同僚からのアドバイスやサポートがあるかもしれませんが、そうでない場合には、働く本人だけでなく、受け入れる周囲の方も、どう対応したらいいのか?という不安を抱えている場合もあるでしょう。
今日は、そんな「育休あけ」に感じやすい「職業人として不十分だ」と感じる心理について、書かせていただきますね。・「職業人として不十分な自分」を感じてしまう理由と「してしまいがちな行動」。
制度として「時短」があり、会社も認めてくれている。といっても、他の人が働いているのに、遅れて出社したり、早く退社するのは、気持ちのいいものではありません。また、子どもの急な体調の変化のために、朝になって、急に欠勤しなければならない・・というのも、「職業人」としての責任感が強ければ強いほど、職場に迷惑をかけているというプレッシャーになるものです。職場に迷惑をかけたり、以前のような成果を出せなかったりすると、焦りや「十分に働くことができていない自分」を強く感じ、自分はダメだという感覚を感じやすくなります。
人は「自分はダメだ、できていない」と感じているとき、周囲の人間も、自分と同じように「あなたはダメだ、できていない」と思っているのではないか?と疑心暗鬼にとらわれます。(こういう心理を「投影」と言います。)
そして、周囲に責められていると感じているので、以下のような考えや行動をしやすくなるのです。
①不必要に「言い訳」や「言い逃れ」をしてしまう。
(会社のシステムを批判したり、子育ての大変さを長々と大げさに伝えたりする、など。)
②周囲の人の「思いやり」を素直に受け取れない。
(自分の仕事を替わってもらった時に、「私には任せられないって思われているんだ」と感じるなど。)
③成果を出そうと焦って、仕事を引き受けすぎてしまう。
(自分の担当以外の仕事であっても、「私がやります!」と引き受けた結果、オーバーワークになってしまう、など)

・育児と仕事を両立していくために大切なこと
①「働き方」を変える時、という意識を持つ
以前と同じ働き方をしなければ!子どもがいることを言い訳にしてはいけない!という思いが大きすぎると、うまくいかないことに対する焦りやイライラも大きくなります。
「子育てしながら働く」ことの大変さを受け入れて、今の自分にふさわしい働き方を探していきましょう。
②子育て中は、周囲に迷惑をかけるもの、という前提で段取りを組む
好きで、周囲に迷惑をかける訳ではありません。できるだけ「迷惑をかけないように」と思っていても、思い通りにいかないのが「子育て」というものです。急に早退するかもしれない、休むかもしれないということを前提にした、仕事の段取りを組んでいきましょう。
常に、情報を共有しておく、前倒しで仕事を進める。他の人に任せられること、できないことを明確にしておく。など、「自分がいないときにどうするか?」をイメージして、仕事を進めることが大切です。
③あいさつや感謝を表現する。
周囲の理解と協力があってこその「両立」。人間関係を良好に保つためにも、日頃の「あいさつ」や「感謝」を表現することは大切です。「おはようございます」「お先に失礼します」「お世話になりました」「ありがとうございます」「おかげさまで・・」と表現されると、受け入れている側も、心地よいもの。人間関係の「潤滑油」を上手に使いましょう。

最後に
子育てと仕事の両立は大変ですが、両立させるために工夫を重ねことで、仕事の段取り力が格段に上がったり、周囲の人への心配りが細やかになったりと、長い目で見ると、仕事のスキルだけでなく、人間的にも成長できるチャンスでもあります。そして、それは、育児中の人を受け入れる側の人間にとっても同様に、成長するチャンスと言えます。「育児中」の仲間と働くことが、立場や状況の違いを理解し、必要ならサポートしあえるチームを作るヒントを与えてくれるかもしれませんね。

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