ただ、前向きな転職を除けばどんな理由はあっても、会社を辞めるという選択に対してポジティブな感覚を持つ人は少ないのではないでしょうか。
私も以前、勤めていた会社を退職することを決めるまでの期間には様々な葛藤を経験しました。
『会社を辞める』ということは、私たちにとって、ただ”仕事を変える”ということ以上に大きな意味を持ってるようです。
そんな人生の大事件のひとつである、転職。
今回は、そんな転職を前に知っていおきたいことについて考えてみたいと思います。
◎職場を変えて対人関係位は変わるか?
転職を考えるきっかけとなる要因はいくつもありますが、その中でも大きな理由になりうるものが「職場の対人関係」です。
上司と合わない、取引先の担当者が苦手。私たちは常に独りで仕事をしているわけではありませんから、どんなに職場を変えても対人関係の問題というのは起こりうるもの。
もし今あなたが対人関係において、度々ぶつかる壁があるとしたら、そこには何か特定のクセがあるのかもしれません。
そこで、会社を変える前にはまず、あなたの持っているリレーションシップのパターンやクセを見なおしてみることをお勧めします。
◎独りで抱えていないか?
また、仕事の悩みでも深刻なケースが ”悩んでいる”ことを誰にも相談できない、逃げ場がないというケース。
終身雇用性が崩壊をして随分と年月が経った現在でも、まだまだ会社を辞めるということにネガティブな感情をいだくという人は少なくありません。
できることでならば辞めないほうがいい。それは価値観次第なのですが、仮にパートナーや親しい友人が転職に否定的な立場を取っているとしたら、悩みを打ち明けることは簡単ではありません。
けれど独りで悩まず、まずはもっとも信頼できる相手に心の中にある本音を聞いてもらうことが大切。
話すことで客観的に自分を見つめなおすことができるので、一時期の情動で大切な問題を決定づけるリスクが少なくなります。
◎職場の問題を職場だけで解決しようとしていないか?
私たちは、職場の悩みは職場で解決しなければ、と考えてしまう傾向にあります。それは、『仕事を家庭に持ち込まない』『仕事とプライベートを分ける』という気持ちからくるのかもしれませんが、実際はどうでしょう、悩みというのはそう簡単に心から切り離せるものではありません。
会社を出たら『はい、終わり!』と仕事スイッチをOFFにして気持ちを切り替えられるものではありませんから、消えない職場の悩みをモヤモヤと抱えた状態で日常を過ごして
いると、心のなかに溜め込んだモヤモヤは、イライラや不機嫌など、別の形に変わって表面化することもあります。方向性を持たない私たちの感情はあらぬ方向に飛び出して私たちの大切な人を傷つけてしまうことも。
また、私たち人間には”以心伝心”言葉ではなく心で通じ合う、という側面もあって、心にある感情は言葉にしなくても自然と相手に伝わるもの。
私たちが独りで問題を解決しようと思い悩み、心の中に感情を押し込めば押し込むほど、それは周りの人たちにも伝わってしまうこともあります。
『独りで抱えずに相談して』と、言われることが増えたらそれは、あなたの内側からSOS信号が漏れ出しているのかもしれません。
そんな時、少しづつでも心の内を話してみるのもいいかもしれません。
たとえ、それがあなたのパートナーや友人で、あなたの悩みが、話したところで解決するとは思えないような専門的な知識を必要とするものであったとしても。
私たちにとって辛いのは、今ある辛さや苦しさが誰にも理解されないことそしてこれがこの先ずっと続くのでは?と感じることかもしれません。
仕事の問題は仕事でしか解決できない。
それは真実かもしれません。けれど、職場で生まれた悩みや苦しみは、それを分かち合い、理解されることで楽になっていく。
職場の悩み=ONの悩みは、パートナーや友人との関係=OFFの対人関係で解消することもできるのかもしれません。
そうして少し軽くなった心で仕事に向き合えば、それまでとはまた違った見方で仕事に取り組むこともできるようになるのではないでしょうか。
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