上手に後輩のやる気を引き出し、また後輩が自分自身で考え自発的に動けるように意欲を持たせたり、自信をつけたりするサポートは得意でしょうか?『よりよいリーダーとなるために必要なこと』と題してお届けしている本シリーズは、「経営学の父」と呼ばれ、著書『マネジメント』で有名なドラッカーの教えから、”リーダーシップ”について考察しています。
本日はその第3弾です。*
前回の第2弾では、「適材適所のためにもメンバー個々の強みを知る」というのがお話の核でした。
もしあなたがチームを束ね、チームメイトを動かす必要がある場合、それぞれが自分の強みを理解し、仕事に取り組めているか?
充実感ややりがい、また自信や誇り、喜びは彼らがそうして自身の強みを発揮し、業務やチームに対して「貢献できている」と感じれる時にやってくるもの、というお話でした。
今回はその続き、「リーダーの強みがチームを導く」ということについて考えたいと思います。
●リーダーこそ、自身の強み(得意分野)を自覚しよう
どんな集団であれ、リーダーや指揮官というものがいます。
そしてそのリーダーの人柄や、仕事への関わり方や進め方に、多かれ少なかれチームは影響を受けます。
例えば、リーダーが人と人との繋がりを大切にする人であれば、そのチームでは業務以外でも食事や飲み会など交流の機会が多くあったり、お互いに声をかけあうなど、「繋がり」が多いチームになりますし、チーム内だだけでなく、その基本姿勢がお客様に向くときには、お客様の気持ちを重視した方針を打ち出すことが多くなるでしょう。
また、例えばリーダーが効率的に仕事を進めていく人であれば、チーム内もおのずと「効率化」が重視され、無駄が省かれたり、業務フローがシンプルになったり、明確化されて行くかもしれません。
何が正解というわけではありません。
そして、もちろんリーダーも人間ですから他のチームメイトと同じように「強み」と「弱み」があります。
「強み」は人よりも秀でているところ、優れているところなので、時間や人、お金などエネルギーを集中的に注ぐことで効果が得やすい部分。
そして「弱味」は自身ではあまり生産性を上げることができなかったり、効率が良くないところですから、それが致命的なものではない限り、優先順位をさげてもよいところ、と言えます。
リーダーが自分の強みをしらないと、指揮官が不在な状態になってしまうので、チームが同じ方向性を向いて進めなくなってしまったり、それぞれの思いの矛先が異なることで、チームとしての志や目標、ビジョンがどれだけ素晴らしくても、空中分解してしまいやすくなります。
また逆にリーダーが自分の弱みを知らないと、どんな仕事も「リーダーの自分がまとめないと!」「率先してやらないと!」とどんどん1人で抱え込んでしまい、効率が悪くなったり、お互いがサポートしあう余裕がなくなってしまうため、結果としてチームが傾いてしまいやすくなります。
*
ドラッカーは著書の中でこのように語っています。
◇P.F.ドラッカー「経営者の条件」
P134より
人間集団の基準(standard)というものはリーダーの仕事ぶり(parfomance)によって決定される。
したがってリーダーこそ強みに基づいて仕事をしなければならない
リーダーは人の強みを見いだし、それを発揮できる業務やポジションを与えることで、チームとしての効率や生産性をあげていくことが求められますが、それはリーダー自身にも同じことが言えます。
あなたの弱味が、誰かの強みであるならば、ポジションに関わらず、得意な人に託す、ゆだねる、という決断が必要となることでしょう。
そうして各自の強みでカバーしあうことで、それぞれが最大限、「強み」を発揮できるようになりますし、各自が「強みに集中すること」で全体の成果も上がりやすくなります。
【リーダーこそ、自身の強み(得意分野)を自覚する】
とても基本的なことですが、リーダーシップの中ではとても重要な部分です。
あなたの強みは、何でしょうか?
—–