「どんな苦労をしてでも、新商品を開発するぞ!」これは、企画の成功や、新商品の開発に対して、強いこだわりを持って挑んでいるということですよね。
その強いこだわりのことを、仕事への情熱と言ったりするかもしれません。
情熱をもって仕事に取り組むのは、決して悪いことではないですし、むしろ素晴らしいことです。
ですので、企画の成功や、新商品の開発、ビジネス現場では、おおいにこだわりましょう。
ですが、こだわり方を間違えると、頑固者、融通がきかない人として、周りの人達との関係性が悪くなることがあります。
また、こだわるポイントを間違えると、行き詰り、力尽きることもあります。
何かにこだわるときは、こだわりを持った動機に注目する必要があります。
「なぜ、企画の成功にこだわったのか?」
例えば、「企画に参加した人達が喜んでくれるから」という動機なのであれば、その熱い情熱は、一緒に仕事をする人達をも動かせる原動力になりますし、企画が成功したのだとしたら、「喜び」を感じることができます。
また、もしもその企画が失敗したとしても、「では、どうすれば企画に参加した人達を喜ばせることができるだろうか?」という次への原動力ともなります。
ですが、「企画に成功しないと、自分への評価が下がるから」というのが動機なのであれば、一緒に仕事をする人達に協力してもらう力にはなり得ませんし、企画が成功したとしても、「よかった~評価が下がらなかった」と、ホッと一息はつけるかもしれませんが、「喜び」を感じることはできません。
また、もしもその企画が失敗したとしたら、「評価が下がってしまった・・・」となり、次の仕事では、「更に評価が下がらないようにしなければ」と、評価が下がることへの怖れが行動動機になってしまい疲れ果ててしまいます。
そのこだわりの先に、誰かや自分の喜びがあるのか?誰かや自分の幸せがあるのか?それがこだわるときの大切なポイントです。
成功しないと、開発しないと、「評価が落ちるから」「負けてしまうから」こだわるのだとしたら、それは、こだわりの先に喜びや幸せがあるのではなく、評価が下がる怖れや、負けることによって感じるみじめさへの怖れから逃げることで、こだわるということになります。
こだわりの先に、誰かや自分の喜びや幸せがあるのであれば、こだわっていることが行き詰ってしまった場合、誰かや自分のために、やり方を変更することができます。
ですが、怖れから逃げるためにこだわっているのだとしたら、行き詰ったとしても、やり方を変更することができなくなるのです。
変更するということは、一旦立ち止まり、やり方や考え方を見直す必要があります。
怖れが行動の動機になっていると、一旦立ち止まると、怖れに追いつかれてしまい、逃げたかった怖れを感じることになるので、立ち止まれないのです。
誰かが、「そのやり方では、成功できないよ」と忠告してくれたり、「もっと別のやり方があるよ」と教えてくれたりしても、立ち止まって一呼吸おくと、「評価が落ちる怖れ」「負けてしまう怖れ」を感じるので、聞く耳を持てなくなってしまいます。
そうすると、ただの頑固者、融通がきかない人、自分勝手な人という評価しか得られなくなってしまいます。
こだわりは、動機を間違わなければ、素晴らしいものです。
みなさんがこだわっていることの先には、誰かや自分の喜びや幸せがありますか?
もし、誰かや自分の喜びや幸せがあるのなら、おおいにこだわりましょう。
喜びや幸せが行動の動機なら、疲れて燃え尽きてしまうということもありませんし、周りの人達へも良い影響を与えることができます。
みなさんのこだわりの先には、誰の笑顔があるでしょうか?
家族でしょうか?仲間でしょうか?自分自身でしょうか?
ちょっと立ち止まって考えてみると、単なる頑固者、融通が効かない人となり、孤立して燃え尽きてしまうことを防ぐことができます。
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