ですが、私達も仕事を離れれば、一消費者です。
ですから、消費者心理というのも、実はよくわかっているものなのです。あなたが、家電店にデジタルカメラを買いに出かけたと思って下さい。
カメラに詳しいかたなら、購入したいカメラはすでに決まっているかもしれませんが、私のような女性の多くは、こういったデジタル物に対して、苦手意識を持っていることが多く、どれを買えばいいのか、悩んでしまうことも多々あります。
悩んだ結果、「今回は、購入しないでおこう」ということになってしまうこともあります。
購入したい物が、ハッキリと決まっている人意外、そして、その物に対しての知識が少ない場合は、購入するのに「不安」が付きまといます。
不安があると、消費者はその不安を解消したいと思います。
不安を解消したいという心理は、商品やサービスを購入するときだけに働くわけではありません。
例えば、親しい友人と急に連絡が取れなくなったときなど、「何かあったのではないか」と不安を感じます。
その不安を解消しようと、知っている限りの知人に連絡したり、実際に友人の家まで足を運んだりして、不安を解消しようとするのです。
商品やサービスを購入する場合も同じです。
デジタルカメラの購入たいして不安を感じる場合、その解消方法の一つとして、デジタルカメラの性能や機能の説明を、店員さんに求めることもあるでしょう。
ところが、説明してくれる言葉の中に含まれる単語自体が、意味不明であったりすると、余計に不安になります。
諦めて、自力でデジタルカメラを選ぼうとすると、誰もが知っている会社A社の製品、そして初めて目にする社名B社の製品を見つけます。
価格を見比べてみると、B社の製品は、A社の物よりも3割も安くなっています。
「デジタルカメラのことは、よくわからないし、値段の安いB社にしよう!」とは、なかなかなりません。
なぜか?
初めて聞く社名に不安を感じるからです。
「この会社大丈夫なのかな・・・」と不安を感じるのです。
では、値段は高くとも「A社の製品にしよう!」となるかというと、そうでもありません。
今度は、その値段に値するものなのかどうかが、わからなくて不安になるのです。
「この製品を買って、損はしないだろうか・・・」または、「使いこなせるのだろうか・・・」
ですから、お客様に商品やサービスを買っていただこうとするならば、いかにお客様の不安を取り除くかが、大切になります。
もしも、展示しているデジタルカメラの横に、不安を取り除いてくれる内容が記載されていたら、より不安を取り除いてくれる方を選択するものです。
また、商品説明をするならば、お客様目線で、専門用語をできるだけ使わないで説明し、お客様の不安を取り除くことが大切です。
商品について、とても豊富な知識を持っているお客様の場合は、専門用語なしで、説明すると、かえって「この店員さん大丈夫?」と不安を感じることもあるので、あくまでも、お客様に合わせた対応が大切ですね。
商品に対してだけでなく、対応してくれた店員さんに対して、不安を感じる場合も、購入意欲は下がります。
無愛想な店員さんや、商品知識の乏しい店員さんには、不安を感じます。
好印象、好対応の店員さんであれば、その人自身に対して安心感をもつので、購入意欲は上がります。
不安を取り除く方法としては、実際に操作可能な展示方法にする等、他にも色々あるでしょう。
「消費者は不安である」ということを、念頭においておく必要があります。
いかに、消費者の不安を取り除けるかが、売上アップに大きく影響してくるのです。
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