なくならない自信の作り方(3)~自分の価値を人と比べない~

私たちが仕事のみならず、人生のいろんな場面で遭遇する「自信のなさ」
私たちは何か1つの失敗でそれまで自分が積み上げきた自分への信頼が壊れてしまって、自分が一体何者か分からなくなってしまったり、これから先の自分の可能性を見いだせなくなってしまったりすることが多いようです。自信がついたと思ったらまた失ったり、失った自信をまた新しく積み上げなおしたり。。。
そんな流動的に変化する「自信」ではなく、もっと根本的に自分を信頼できて、簡単にはなくならない自信の作り方についてシリーズでお届けしています。今までのお話はこちら
『なくならない自信の作り方(1)~自信はどこからやってくるのか?~』
https://www.counselingservice.jp/lecture/9349/
『なくならない自信の作り方(2)~あなたを縛る自己イメージとは!?~』
https://www.counselingservice.jp/lecture/9343/

●正当に自分を評価する為には?

自信を築くプロセスの中では「自分自身を認める」という事が重要です。
・・・これは多くの人が実は当たり前に知っていることですよね。

にもかかわらず自信が持てない、自信がないという人は多くいます。
なぜなら、「正当に自分を評価出来ない」という人がたくさんいるからです。

自分自身を正当に評価するための最大のポイントは【人と比べない】こと。

もちろん、向上心をかき立てたり、今の自分の現在地を確認するような健全な目的で比べるのであれば何も問題はありません。

私たちにとって人と比べる時に起こる最大の罠は
【相手の一番良いところと、自分の一番悪いところを比べる】
という事です。

例えば、自分が1番苦手とする業務をサクサクといとも簡単にこなしているような人と、なかなか成果が上がらない自分を比べて、自分の実力不足を思い知ったり、
自分よりもキャリアやスキルが上の人と自分を比較して、同じように出来ない自分自身に叱咤激励したり、
そんな風に、「自分よりも出来る人」と比較して自分を卑下してしまうことが問題なのです。

「最大の罠」という書き方をしたのは、そもそもの比較の前提が「相手の1番良いところ(得意なところ)と自分の1番悪いところ(苦手なところ)」なので、この勝負に全く勝算がないということなのです。

「今」の自分のレベルやステージに合わない目標や理想、願望を持つことは、実は自信を築くプロセスの中ではマイナスに働くことがあるのです。
理想と現実のギャップで私たちが苦しむのも、この【比較対象の1番良いところ(理想)と、今の自分の1番悪いところ(現実)を比べてしまう】というところから来ています。

同じように、【過去の自分と比べない】ことも大切です。

「学生の時にはあんなに成績がよかったのに・・・」
「昔は体力には自信があったのに・・・」
というような、過去の実績や栄光と比べて、今の自分を責めてしまったり、今の自分の価値を見出せなくなってしまう行為も、根本的には人と比べて自分を卑下するのと同じで、【比較対象の1番良いところ(過去の自分の実績)と今の自分の1番悪いところを比べている】のです。

大切な事は”今の自分”にフォーカスすること。
そして今日の自分が、確実に小さな成功体験を積み上げて行くことなのです。

●カメはなぜウサギに勝てたのか?

イソップ童話の「ウサギとカメ」というお話をご存知でしょうか?
物語のあらすじは

ある時、ウサギに歩みの鈍さをバカにされたカメは、山のふもとまでかけっこの勝負を挑んだ。
かけっこを始めると予想通りウサギはどんどん先へ行き、とうとうカメが見えなくなってしまった。
ウサギは少しカメを待とうと余裕綽々で居眠りを始めた。
その間にカメは着実に進み、ウサギが目を覚ましたとき見たものは、山のふもとのゴールで大喜びをするカメの姿であった。

というもの。

この物語は、思い上がって油断をしていると失敗してしまう。
また能力的に劣っている者でも、諦めず努力することで、最終的に大きな成果を得ることができる。
という教訓としてよく使われていますね。

ウサキはなぜ競争でカメに負けたのか?
ウサギはなぜ途中で昼寝をしたのか?

単純に考えて足の速さだけで言えばウサギが圧倒的に優位だったはず。
山のふもとまでの競争と言っても、そんなに遠い距離ではないでしょうから日をまたいで走らなくてはいけなかったけどカメだけ寝る間を惜しんで歩き続けた、という訳でもないと思います。
ウサギがカメを待つなら、ゴールした後で寝て待っていても良かった訳です。

私はウサギは自分のゴールではなく、カメに勝つことばかりを意識していたからではないかと思うのです。
そしてカメは自分のゴールだけを見据え、ウサギがどんなに自分から見えなくなるくらい先に進もうと、焦ってハイペースになったり、そこで負けを悟り諦めることなく、自身のゴールに向けて1歩ずつ足を踏み出し続けたからこそウサギに勝てたのではないかと思います。

必要なのは「勝つ」事ではないのです。
今の自分に出来ることを認め、そしてそれを続けるという、『本当の強さ』を持つことなのです。

【なくならない自信の作り方】の3つ目のステップは
『相手の一番良いところと、自分の一番悪いところを比べるのをやめる』です。

誰かや何かに勝つことは、確かにとても分かりやすい自分の価値をはかるものさしになります。
しかし自分の価値を、自分の周りの何かで推し量ろうとすればするほど、私達は「今の自分自身」を見失いがちになるのかもしれません。

よくも悪くも「今日の自分自身の実力や課題」と向き合うのには強さと覚悟がいります。
自分を責める道具にするためではなく、自分が1歩前に足を踏み出すために、その『本当の強さ』を持つ意欲を持ってみてくださいね。

—–

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。