例えば、「出世してもどうせ社長になれない」「会社にいても毎年給料はこれぐらいしか上がらないから生涯収入はこれぐらいだ」などと考えたことはないでしょうか?
この心のリミッターは、あたかも何らかの計算に基づき、妥当性があるように感じているのですが、心理学的に考えるとそれらは全て、何らかの怖れから出てきている事になります。
例えば、前出の「出世してもどうせ社長にはなれない」という考えは、自分は社長になるような器ではないと自分自身のことを考えており、社長になったら色々やらなければならないことがあり、それがうまくできないのではないかという怖れがあるのかもしれません。
もちろん、これはほんの一例で同じリミッタ-に関しても人それぞれの怖れがベースになっているのですね。
自分が何か心で制限をかけているものはないか、そしてそれが仮に何かを怖れているとしたらそれは何だろう?と考えてみられると、自分が今この立場や年収や携わっている仕事に関する意味や理由が見えてくるかもしれません。さて、では心のリミッターはどんな悪影響を私たちに及ぼすのでしょうか?
心のリミッターがあると、自分自身で自分の人生を選択しない、すなわち自由を奪われ、誰かが定める運命に左右されるような人生を送ることになります。
そしてリミッターが働いている部分の人生が無味乾燥な、無意味なものに思えてきて、モチベーションを低下させてしまうのです。
その結果、今手にしているもの、あるいはこれぐらいと今予測しているものが実際の限界として働き、その枠内に納まってしまう事になるのです。
私たち人間は、誰しも自由が大好きです。
自由に振る舞えるからこそ、いきいきと生きていけるのです。
そして自由のもっとも基本的な要件は、自分で選択できることです。
例えば、「30年間今いる会社に勤めなければならない」という法律が制定されたとします。そうすると、今はどんな楽しい職場であっても、何となく憂鬱な気分になってしまうのではないでしょうか?
選択が自由にできなくなると、私たちのモチベーションは下がってしまうのです。
心のリミッターを外すには、先ず、自分で決めている限界を思い切り引き上げることです。無茶だと思えるぐらいの引き上げをした方がより効果的です。
年収を例に取ってみると、このままだと2年後にはこの程度という思いがあったとします。少なくともその4倍ぐらいには本気で引き上げることです。
そうすると、今のままの状態でそれを達成するのは難しいですね。そうなる為にはどうすればいいか、どんな選択をしていけばいいかという事に思いが巡るでしょう。
この思いを巡らせること、そしてその思いに従って試行錯誤していくことこそが、現実世界の限界を壊していくのです。
そしてさらに、実はあなたが壊そうと思っている現実世界の壁は、不思議なことに何かが、誰かが勝手に壊してくれるのです。
その不思議な現象を起こしてくれるのは、今いる誰かかも知れませんし、新たに現れる援助者かも知れません。あるいはパートナーや見ず知らずの人かも知れません。また、あるいは、社会情勢や社会システムの変化かもしれません。
なぜそのように人や状況などが勝手に現実世界の壁を壊してくれるのか?という疑問を抱かれるかも知れませんね。
それは、あなたが「チャンスを見る目」を持てるようになるからに他なりません。
人間関係はや世の中は常にダイナミックに動いているものです。それをうまく捉え、敏感に反応しさえすれば、奇跡と感じられるような事が起こりえるのです。
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