私達が日本語をどうやって覚えたのでしょうか?
日本語学校に通って覚えたわけではありませんよね。
親や、周りにいる大人達が話している言葉を聞いて、日本語を覚えました。
つまり、親の影響を受けたわけですね。Vシネマなどヤクザ映画を見たあとの人、わかりますか?
何故か大股で、胸を張って、ちょっと偉そうに歩くのです。
明らかに影響を受けているわけですね。
また、影響を受けたのと同じように、誰かに影響を与えてもいるわけです。
歳を重ね、家庭を持ち、社会でもある程度の立場になると、その影響力はどんどん大きくなります。
昔は子供の立場で、親の影響を受けていたのが、自分が親になり、子供に影響を与える立場になります。
会社でも、新人として誰かの影響を受けていた時代から、仕事を覚えて一人前になってくると、誰かに影響を与える立場になっていきます。
例えば、部下と接するとき、どんなふうに接しているでしょうか?
部下にどんな影響を与えているでしょうか?
春になると、新入社員が入社してきます。
初めは、緊張していた新入社員も、少し日がたってくると緊張が緩んできます。
そんな時、一人の新入社員が、遅刻をしてきました。
「なってない!」と怒鳴りたくもなりますね。
「そんな事では、社会人として失格だ!」と、言いたくなるかもしれません。
でも、この時に自分の影響力を思いだして下さい。
怒り方一つで、新入社員をやる気にさせることもできれば、つぶしてしまうことだってできるのです。
「人は認められた通りに成長する」ものです。
ですから、「遅刻してくるなんて、社会人として失格だ!」
こう叱ってしまうと、それはその人を「社会人として失格者」と、認めたことになります。
そうすると、その人はそれ以後も、社会人としての失格者にふさわしい態度をとるようになってしまいます。
それでも、注意する必要はあるでしょう。
叱る必要があるときは、「君は研修期間中、とても熱心に勉強してくれていた。仕事に興味を持ってくれていることが伝わってきていたよ。でも、今日の遅刻については、反省してほしい」と言うのです。
そうすると、「熱心に勉強している人」「仕事に興味を持っている人」と認めたことになりますから、その人はそのように成長していきます。
人は認められた通りに成長する。
人は、そう扱われたように変化するのです。
これを知ったら、みなさんは、周りの人にどんな影響を与えたいと思いますか?
欠点を指摘して、その人の、欠点を強化したいでしょうか?
それとも、その人の良い部分を伸ばして、才能を開花させて欲しいでしょうか?
自分の影響力というものに、興味を持っていただければなと思います。
そうすることで、今までギクシャクしていた社内の雰囲気を、変えていくことだってできます。
部下に信頼される、そんな上司になることだってできます。
また、「人は認められた通りに成長する」「人は、そう扱われたように変化する」というのは、自分にも当てはまります。
自分の言葉は、自分が一番よく聞いています。
つまり、不安ばかり口にしているとしたら、その言葉を一番よく聞いているのは自分自身です。
ですから、自分を「不安がいっぱいの人」と認めていることになるのです。
自分に魅力を与え、自信をみなぎらせるとしたら、まずはそんなふりからでかまわないのです。
自分を魅力的で、自信に満ちた人として、扱い続けて下さい。
自分が持つ影響力に、少しでも興味を持ってみて下さい。
そして、どうせあるのなら、影響力を存分に発揮して、ご活躍いただければと思います。
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