前回の記事はこちら
・トップセールスマンに学ぶ、人を動かす『好意の原理』
http://ameblo.jp/tukaelbusiness/entry-10730182553.html
今回はその続きとも言える、相手に更に好意を持って貰う為の秘訣とされている”聞き上手”についてです。。
●トップセールスマンほど自分からは話さない
”セールストーク”と聞くと、多くの人が「いかに自分から発信するか?」ということを意識されることと思います。
いかに相手に分かりやすく話すか?
いかに相手をその気にさせるか?
いかに自分のフィールドに相手を引き込むか?
言葉は少し悪いですが、何かそんな風に言葉たくみに相手の購買意欲を刺激したり、説得したり、誘導したり。
そうしてこちらのペースでセールストークを進めていく、といったもの。
アポインターや飛び込み営業など、限られた時間の中で相手の即決を導く為にはそうしたテクニックやマニュアルがある場合も多いですよね。
しかし、かつて日本経済新聞で「売れるセールスパーソンのセールストーク」というアンケートをとった所、堂々の第1位は”相手の話をよく聞く”でした。
不動産、自動車、保険など、各業界のトップセールスマンの成功の秘訣が「よく聞く」だったのです。
アメリカのウェズレイ大学での実験によると、人は男女問わず、
『相手に多く話させる時間がながければ長いほど(こちらが聞き役に徹するほど)、相手はあなたを好きになる』
という傾向がある事がわかっています。
相手の話を「よく聞く」事で、相手に好意を持ってもらい、そしてセールスなどの交渉がスムーズに行くということなのです。
●聞き上手だと好感度が上がる訳
では、どうして「よく聞く」人は好意を持ってもらえるのか?
心理学者のマズローは人間が持つ基本的な欲求を5段階に分けた”欲求階層説”というものを唱えています。
ピラミッド型に5段階に分けられた欲求は底辺の「生理的欲求」から始まり、「安全の欲求」「社会的欲求」「尊敬の欲求」「自己実現の欲求」と、1つの欲求が満たされると1つ上の階層に進んでいくというもの。
1つ1つの欲求についての説明は省きますが、5段階の層の上位に「尊敬の欲求」「自己実現の欲求」というものがある事から何が示されているかというと、
『私達人間は人から尊敬されたいと思っていますし、自分自身を理解してもらいたい』
と思っている生き物だということです。
近年はコミュニケーションツールとしてTwitterやFacebook、ブログなどが発達してきていますが、ビジネスのみならず、人は誰しも「自分の話を聞いて欲しい」という欲求があるのです。
人は自分自身のことを話したいのです。
そしてそれを受け入れてもらいたいと思っています。
・自分に興味を持ってくれる人
・自分を受け入れてくれる人
・自分の存在を認めてくれる人
そうした人に私達は”好意”を感じるのです。
自分が何かを主張する時、自分が意見をいう時に、その自分の話を誰も聞いていなければいくら論理的に話す努力をしても無駄になりますよね?
しかし相手が積極的に聞いてくれれば、自分も話に熱がこもるし、その場が盛り上がります。
それはセールスの場面ではお客様も同じ。
一生懸命に話を聞いてくれるセールスマンがいれば、お客様もより一層自身のことを話してくれます。
そして聞き上手になるほど、お客様はあなたに好意を抱きますし、お客様からから語られる情報(お客様のニーズや疑問や問題点など)を多く集める事でお客様に最適な提案をすることが出来、そしてまたお客様からの信頼を得れるという、相乗効果が生まれます。
セールスも「お客様とあなたとの対人関係」ですから、その対人関係を良くする為にも「よい聞き手」を目指してみませんか?
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