●愛する者同士の本音

ドラマ「婚外恋愛」見ましたか?
私にとって、久しぶりにはまったドラマでした。
見ていなかったみなさんに、簡単に要点だけストーリーを説明しますね。
主人公のみつるは仕事をバリバリこなすキャリアウーマン。性格も男っぽく、あっさりとしています。
弱音は一切吐かず、胸のうちにしまっていて旦那さんにさえ頼らない、一見とても強い女性です。
一方、その夫のタクはやさしくて、繊細で、仕事もしていますがどちらかといえば、主夫向きの男性です。
そんな夫に対してみつるは少し物足りなさを感じていて、本当は頼りたいのですが、気持ちを言えないでいました。
逆に夫のタクは、もっと自分を頼りにして欲しいし、弱音を吐いて欲しいと思っていました。
お互いとても大事に思っているのですが、相手を尊重するあまり遠慮があって、いつしかそれがすれ違いへと発展していきます。
素直になれないまま、向き合う機会も作らず、互いの中に不満がどんどん積もっていきます。
そんな時、タクのことを昔から想っていた女性、静と出会います。
静はとても弱い女性で、誰かに頼らずには生きていけないタイプ。みつるとは正反対です。
不満の積もっていたタクは、自分を頼りにしてくれる静と恋に落ちてしまいます。
。。
私がこのドラマを見ていて一番ジレンマを感じていたことは、主人公のみつるが強がって一切自分の本音を 、タクにさらけ出さない事でした。
どうしても自分を崩せないんですね。全部自分の胸のうちにしまっていて、ある意味グチや弱音を吐かないことは、 かっこいいし、美しいのですが、でもそれによって大切な人を失ってしまうような立場に追い込まれても なお、本音を言わないというのは。。。
思わず画面に向かって何度も叫んでしまいそうでした。
「今だ!今、全部言うのよ〜!! タクに甘えるのよ〜!」 って。
客観的に見ていると、夫のタクが求めていることは明白でした。
「強がらないで、僕を頼ってほしい」「弱いところも何もかも、僕に見せて欲しい」
だからと言って不倫をするのは問題を複雑にするのですが、心理学的にみれば不倫のメカニズムはまさに、こうなんですね。
パートナーから欲しいものをもらえない!!と諦めてしまった時、よそに求めてしまうのです。
ドラマではこの三人の登場人物以外にも色んなキャラクターが出てくるのですが、このドラマのみんなに共通していることは、「本音が言えない」ということで、問題を起こして苦しんでいる事でした。
このドラマが見せてくれるように、大人になると私たちはなかなか本音が言えませんよね。色んな感情が邪魔をしてしまいます。
どんな感情が邪魔するのでしょう?
プライド?本音を言ったら嫌われてしまう恐れ?ケンカをしたくないから?相手を傷つけたくないから?
理由は色々あると思います。
たぶん、今挙げた全部が当てはまるのでしょう。
本音を言った時、情けない自分が出てくるかもしれません。確かにケンカは起こるかもしれません。相手を傷つけてしまう場合もあるでしょう。
でも、本音を言わないままでいても、遅かれ早かれ今言ったことは起こってきます。
しかもその時には大抵、もっとしんどい形で、もっとお互い傷つく形で起こってしまうのです。
本音を言えない時、私たちは本当にたくさん無駄な時間と労力を費やしてしまうのです。
このドラマの場合は、不倫という形で問題が起こりました。
もし、不満をずーっと溜めないで、事前にコミュニケーションができていれば、不倫は起こらなかったのではないかと私は思うのです。
ドラマの最後の方では、やっとみつるとタクが本音で向き合います。
みつるはやっと自分の弱味を見せることができました。
                                             
お互い言いたかったことを言えた時、二人の仲は修復されたのでした。
実は「本音」をいう時にはちょっとしたコツがいります。
私たちは「本音を言う」と聞くと、まるで怒りをぶつけ合う事のように聞こえますが、そうではないんですね。
確かに言い始めにはまず、怒りや不満がでてきます。
でも、こればっかりを相手にぶつけてしまうと、相手は嫌なのでうまくコミュニケーションが進みません。
注目して欲しいのは、その次に出てくる感情なんです。
不満や怒りの下には必ず何かしらの感情が隠れているので、それに注目して欲しいのです。
大抵の場合は、寂しさや悲しみが潜んでいます。
例えば、このドラマを例にとると、タクがみつるにあった不満→「強がり過ぎ、本音を言わない」を怒りのままぶつけたとしたら
「強がりすぎなんだよ!カッコつけんなよ!本当は弱いところあるくせに、もっと弱音を吐けよ!!」
と言ったところで、みつるは「そんなことないわよ!!」というような反発を返してしまいますよね?
では、不満や怒りの下の感情に注目して伝えると。。。
「どうしてそんなに強がるの?もっと本音を見せてくれよ。じゃないと僕は君の役に全然立っていないようで、すごく寂しいんだ。一人で頑張らないで、もっと頼ってよ。力になりたいんだよ。」
どうでしょう?こう言われたとしたら、頼ってみたくなりませんか?
ドラマはハッピーエンドで終わって胸を撫で下ろしたのですが、 改めてこのドラマに私たちが本音をコミュニケーションしない時、どれ程周り道をしてしまうか教えられました。
みさなんも、ちょっと勇気が要りますが、本音でコミュニケーションしてみませんか?
根本 理加

この記事を書いたカウンセラー

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