昔、こんな話を聞いたことがあります。
「人間はね、動物と人の”間”にいるから、人間、っていうんだよ」
屁理屈じみたこの話に、妙に納得してしまった私でしたが、
心を扱うことをしていると、ひしひしと痛感する今日この頃です。
私たちは動物でもあるので、「本能」もまた、あります。
基本的には「睡眠欲」・「性欲」・「食欲」がそうですが、
このうちのどれかふたつが満たされていれば、
なんとか人間らしくはいられるのだそうです。
貧しい国では、「食欲」を満たす事ができなくて、
その分「性欲」でバランスをとり、
ハードワーカーの人は、「睡眠欲」を抑えて頑張り続けます。
では、この三つともが満たされたら、私たちはどうなるんでしょう?
先ほどの考え方をもとに単純に考えれば、
”最も人間らしい人間になる”んでしょうね。
でも、私はどう考えても”動物らしくなる”ように思えて仕方がないんです。
こんなことを思い巡らせていて、真っ先に浮かんだのが、
”ナマケモノ”の生態でした。
彼らは、消費するエネルギーを最低限に抑える事で、
(ゆっくり移動したり、動かなかったり、低体温で保ったり・・・)
最も、省資源でエコロジーな生き物なんです。
初めて、ナマケモノの生態を知ったとき、とてつもなく親近感を覚えた(笑)
私でしたが、
「ちょっと待て」
と、何かが囁いたは、どう転んでも人間だからなのでしょう。
心は、私たちの欲求をエネルギーに変換して、
より良い未来を創る、いわば”マイナスイオン機能付きエアコン”
みたいなものなのかもしれません。
もしも、欲求が満たされて行く先が、ナマケモノではなく”人”なのだとしたら、
フィルターのメンテナンスは、心がけたいものですね。
だって、心の中で起こる様々な問題はすべて、
欲求を変換して未来を創るときの「目詰まり」だからです。
by 源河はるみ