人と人との関係がこじれるとき、多くは
「理解してくれない。」
という想いがとても強いようですね。
ここでこころのコミュニケーションというものがとても大事になって来る
と私は思います。
カウンセラーとして皆さんのお話を伺わせていただく中で、多くの方が
自分を責めてしまうことがあるようです。
「自分のここが嫌。」
「自分の性格に問題がある。」
「私は自分の性格を直さなきゃいけないと思って・・・。」
と考えているようで、どれだけ自分が最低かをたくさん話してくださいます。
私はいつも伝えます。
「今のあなたに何も問題はない。」と。
どんな人にも私はその人本人に問題はないと考えています。
「じゃあ誰が悪いの?」
「じゃあどうしてこうなるの?」
確かに本人にとっては分からないですし、どうしたらいいのか困ってしまいま
すよね。
問題というのは多くの場合、ほとんどが人対人です。
相手あってこそ問題
は生じます。
そんなときにどちらが悪いか・・・という話になってしまうと、
永久に終わらないんです。
だってどちらも自分のせいだと考えたくありません
からね。それにどちらも悪くはありません。犯人探しは関係ないんです。
じゃあどうしてこうなるの?
それはひとことで片付けてしまうと、
「誤解」という部分だと私は思っています。
例えば男女間の喧嘩です。
「あなたが電話をくれないから不安になるんでしょう!」
「だって忙しいんだよ!」
「忙しいって言ったって、電話の一本くらいくれたらいいじゃない!」
「出来るならとっくにやってるよ! でも出来る状態じゃなかったんだから!」
「あなたは私の気持ちをぜんぜんわかってない!」
「君だって僕の気持ちをぜんぜんわかってないじゃないか!」
・・・・終わりませんよね。
女性は電話をくれるくれないも大事ですが、ただ不安だったその気持ちを理解し
て欲しいという思いの方が強かったりするんですよね。
男性は、電話が出来ないほど仕事が忙しくてしんどくて、だから彼女に電話をす
ると、そのいらいらをぶつけることになるから、なかなか出来なかったり、ばた
ばたしててしなかったり。先に仕事を終わらせてその後ゆっくりと、彼女に連絡
をすることを考えていたかもしれません。
そう考えるとどっちも悪くないと思いませんか?
だけどお互いが思っちゃったんです。
「理解してくれない」と。
ではどうしたら理解し合えるのでしょうね。
それはこころの中の思いをきちんと表現すること・・・だと私は考えています。
よくあるのが、
「だってあなたが、・・・だと思ってたから。」
「僕だって君が、・・・・だと考えてると思ってたから。」
おっと、我が家の話が入ってしまいました f(^^;)。
私はカウンセラーをしているので、喧嘩をすると彼がこの切り札を使うんです。
「だって、のりちゃんカウンセラーやろ? だから分かってくれると思ってたか
ら・・・。」
カウンセラーは、超能力者ではありませんと私は答えてやります。
でも、私もきちんと自分の思いを伝えずに、
「彼なら・・・こうだろう。」と考えて、自分の中で決定してしまってるんです
よね。だけどこの考えは、「彼なら・・・」と考えているにもかかわらず、そこ
にある考えは、「私なら・・」なんです。
だって実際に私の頭で、「彼なら・・・こうだろう・・・」と、
「推測」しているに過ぎないのですから。なのに勝手に「こうだろう」と決め付
けてしまっているんですよね。
こうして誤解は生まれてしまいます。
「こう思ってた・・・」
「こう考えているんじゃないか・・・」
と考えるのは、あくまで自分の脳で考えることなんです。
本当の彼の思いはそうでないことが多い(自分の考えですから)ので、ここで
「ありとあらゆる誤解」が生じてしまうんです。
自分が相手のことを勝手に考えて決定付けて、違うことを相手が考えていると、
私たちは「こんなはずじゃなかった。」となります。
そしてすれ違いが生じ、
「彼は私の気持ちを理解してくれない。」になってしまうんですよね。
これは、お互いにコミュニケーションが浅いということなんです。
だけどこのこころのコミュニケーションは、私たちにはなかなか至難の業でもあ
りますよね。
「言って嫌われたらどうしよう。。。」
「話して馬鹿にされたらどうしよう。。。」
これらの怖さがありますから。
だけど「誤解」は「誤解」をうみます。
悪循環ですよね。
皆さんにお願いしたいのは、自分のこころの中の本当の気持ちを出すとき、
「怖さ」や「痛み」にばかり目を向けないで欲しいのです。
そこに目を向けている限り、きちんとしたコミュニケーションは出来なくなります。
「まあいいや。」
「面倒くさいし、ごたごたも嫌だし、黙っていよう。」
「そのうちきっと分かってくれるよ。」
怖さや痛みに集中するあまり、相手がこちらをきちんと見ようとしてくれているこ
とに目を向けられなくなったり、大きな壁をつくったり、気持ちを伝えることに、
抵抗してそこから逃げようとしてしまうからです。
あなたの大事な人にこそ、怖さや痛みを越えて、本当の気持ちを伝えて欲しいと思
います。
そうするとあなたの大事な人は、あなたのその勇気にきちんと応えてくれ
るものですよ。
コミュニケーション。
簡単で難しく、難しいようで簡単なものですが、人は経験上、それを怖く感じるこ
とも多く、なかなか躊躇してしまいます。
だけど怖さや痛みを越えて伝えて下さい
ませんか? あなたの本当の思い。その怖さ。その痛みを抱えることなく伝えて下
さいませんか? それが出来たとき、とても深いつながりを感じることが出来ると
私は考えています。
小川のりこ