●19歳だった

今日、この原稿の締切日(1/17)は、阪神淡路大震災から10年
締め切りに原稿をセコセコ書く私は、なんとも計画性が無いなぁぁ。。。と思いながら、あれからもう10年。まだ10年。
家の近所の商店街にはテレビカメラがいっぱい来てました。
去年の1年を表す漢字は「災」
日本だけでなく世界各地、天災に見舞われ、多くの犠牲が伴いましたね。
災害だけでなく、どんな出来事でも、その渦中にいる時、自分の感情に向き合うのは、そんなに簡単な事ではないと思います。
どれだけ頑張っても、どれだけ我慢しても、どれだけ悲しんでも、どれだけ怒っても、どれだけ嘆いても、本当の自分の感情は隠れてしまうことがあると思います。
しかも、隠れている感情があるということは、自分でも気づかない。
以下の文は、3年前の1/17に私の身におきた感覚を、友人にメールしたものです。
Date: 2002年1月17日(木) 午後10時20分
Subject: 無価値感のわけ。ちょっと分かった。
今朝6時30分頃、自転車でバイト先に向かう途中で、急に涙があふれてきた。
「また私ったら、誰かの感情を拾ったのかしら・・・」
なんてアホなこと考えていると、先の方から、何か神妙な音楽が聞こえてきた。
とたん、自分が情けなり、そして、計り知れない恐怖に襲われた。
住職の行列にも出くわした。
涙の原因は、他人のものではなかった。
7年前の自分の感覚。
7年間ずっと私のどこかに隠れてた隠してた恐怖と感情が、
今日になってひょこっと顔を出したのだ。
はっきり言って驚いた。自分がそんな事を感じていたとは。
「あ、気を抜いてしまった。」
そう感じても後の祭りだった。
その涙と恐怖感は、バイト先について笑おうとしても止まらなかった。
「きのさ〜ん、またフラレたんすか?」
くそムカツク、バイト仲間は笑いながら声をかけてくる。
「そうじゃ、慰めろ。」
という言葉とは裏腹に、声には力が入らない。
仕事までには、何とか涙は止まったが、これを書いている今も力は入らない。
気を抜くと、また涙が出そうだ。
そう、7年前の今日、私は、あの阪神大震災を体験した。
今日の今日まで、私は、幸せ者だ。とだけ考えてきた。
他の地域の人から震災の話を求められても、
「私なんて、まだ全然マシやし。。。」
これは本当の事。
そして、自分の体験を話したところで、下手に同情されるのも共感されるのも、
もっともっと悲惨な人達を、目の当たりにした私には、許されなかった。
私は本当にラッキーだった。
自分も家族も友人も命があったのだから。
さらに家の被害も大した事無かったのだから。
友人の中には、家族を亡くした人も家が燃え尽きた人もいる。
すぐそばでは、倒壊した瓦礫の中、勢い増す炎の中、
苦しみ命を落としていった人がいる。
そんな中で、どう見てもメチャメチャ幸せな私が、
恐怖と悲しみを感じなくてはいけないのか。。。
当時の記憶はまだ、所々抜け落ちている。
空が真っ黒な灰に覆われ、昼か夜か分からない時間が続き、
避難場所の小学校を、ここも燃えるかもしれないからと、
隣の小学校へと移動しながら、予備校生の私は、
「学校燃えたら、家も燃えるな。あ、入試どおなるんやろう?
いや、その前に願書は、どうやって出すの。一年、無駄になるかぁ。。。」
と、全く自分の事しか考えていない。
思い出すほど、なんて鬼畜生の私なんだ。
そんな私が、今日、恐がってる自分に出会い、そのあまりの恐怖に泣いた。
7年前の自分が、周りの人を見ずに、鬼畜生の自分の感情だけ見て泣いた。
今日、7年かかって初めて、「あー、私も恐かったんやぁ」って、気が付いた。
そして、気付くと同時に、自分の無力感、罪悪感、無価値感に襲われ、
恐怖と共に、私を押し潰そうとする。。。
昨日、ある人が
「きのちゃんは、いてくれるだけ、いいねんで。
きのちゃんの存在で、癒される人がいるんやで」
と言ってくれた。
嬉しかったが、素直に喜ぶ事は、出来なかった。
私は、何もしていないし、何も出来ない。
当時の私は、人の事なんて、さらさら考えようともしなかった。
ボランティアのボの字も頭に無かった。
今の私もそう。
そんな私が、いてくれるだけでいいとは、どういうことか?
私は何に対して怒っているのか?
答えは、自分で見つけるしかない。
・・・・・このことに気付いた今からなんだと。
☆  ★  ☆  ★
どうしてか、いま、自分の体験を語ろうと思いました。
本当に、まさか自分にこんな感情が眠っていたとは思いもしなかったです。
どうして、7年もかかったのでしょう?
しかもセラピーに関わり出してから、3年という結構な時間がかかって(^^;
多分、私は7年かかってやっと周りを信頼したんでしょうね。
そして、7年かかって自分を許してやりたいと思ったのでしょう。
自分の感情を開放できて、肩の力が抜けました。
皆さんにお願いしたいです。
どうか、自分を許してあげてください。
それを出きる時がすぐそこまで来ていますから。
災も幸になる力を持っています(^-^)
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