先日、後輩からある相談を受けました。
それは恋愛に関する相談だったのですが、そのなかで、彼女が私にこういった
んです。
「私、相談できるひと誰もいなくて。」
私が意外に感じました。
彼女は人付き合いもよく、誰とでも仲良くなれるような、すごく社交的な面を
持っています。
多少好き嫌いはありますけどね。
そんな彼女だったら、いくらでも周りに相談できるだろうと思ってたんです
よ。
しかし、本人は誰にも相談できず、やっとの思いで私のところにかけてきてた
んです。
その中で、私は彼女に話しました。
「どんなことでも安心して話せる、愚痴が言い合える友人を持つことって、大
切だよ。
例え自分がその人を友人だというのがおこがましいと思っていても、相手は君
のことを友人として付き合いたいと思っているひともたくさんいると私は思う
よ。」
彼女はそのことについて、その時は詳しくは語りませんでしたが、後日直接
あった時に、彼女が私にこういいました。
「あれから、何人かのひとに話してみたんだよね。
そしたら、カウンセリングみたいに応えを出してくれるわけじゃないんだけ
ど、みんな優しいんだよね。
ずっと言わないで抱え込んできたけど、本当にみんなから想われているんだ
なぁって、思った。」
そうなんですよね。
自分がつらくなった時、寂しくなった時、どうしても愚痴を言いたい時、黙っ
て聞いてくれる友人がいるって、すごく大切なことなんですよね。
そんな人がいるのといないのとでは、本当に人生が違いますからね。
また、あるクライアントさんも
「私には友達が少なくて、例えどんな友達であっても、失うのが怖いんですよ
ね。
そんな私が、たくさんの友人なんて作れるかどうか、正直言ってわかりませ
ん。」
と私に言っていました。
確かに、友達を作るというのは、人によっては意外と簡単かもしれませんが、
人によってはすごく難しく感じる部分なのかもしれません。
今はこのようなことをしている私ですが、私自身も昔は人見知りが激しく、友
人関係がそれほど豊かだったわけではありませんでした。
小学四年の時の写真に、遠足で独りで弁当を食べている写真が家にあったんで
す。
小学四年のクラスは、全体がとても仲の良いクラスで、いつも和気あいあいと
した楽しいクラスでもありました。
でも、私はその中で、一緒に楽しみながらも、クラスに溶け込みきれていない
自分を感じていたのかもしれません。
そのことが原因かどうかはわかりませんが、高校時代などは、自分から写真係
をかってでて、みんなを写真に収めることで、独りでいることを正当化しよう
とする時もありましたね。
私自身、友人関係で苦労をした分だけ、今友人関係で苦労をしている人の気持
ちがわかるのかもしれませんね。
これはあるスクールカウンセラーさんがいっていたことです。
「非行に走った少年を更生させても、また非行に走ってしまうことがあるのよ
ね。
それはその少年を取り巻く環境に問題があって、たとえ少年が更生しても、そ
の少年を相手にするのが、更生前の仲間ばかりだから、また非行の道に走って
しまうの。
よい友人関係を築くことって、たいせつよ。」
また、テレビで島田紳助がこんなことをいっていました。
「大切なのは、どこの学校に行くかやなくて、誰とその学校に行くかやねん
な。
そして、どこに行くかではなくて、誰と行くかが大事やねん。
ええ友達に恵まれることは、人生の中ですごく大切なことやで。」
この二人の言葉は、まさにその通りだと感じますね。
例え夫婦関係や親子関係が悪い家庭で育ったとしても、友人関係がいい子供
は、ちゃんと成長してくれます。
親と向き合えなかった分の全てではないでしょうが、そのほとんどを友人関係
で埋め合わせることが可能だからなのでしょうね。
そうすると、親が子にしてあげられることは、よい友人関係を築くことができ
るような環境を与えてあげることになるのではないかと感じます。
よい学校を出れば幸せになれるとか、親の言いつけを守ればいいとか、親が考
える幸せを子供にさせようとしてしまいますが、それが必ずしも子供にとって
の幸せになるわけではないでしょう。
それも大切なことではあるのでしょうが、それ以上に、友人との人間関係は、
社会の一員として生活していく上で、重要な位置づけになっていくのでしょう
ね。
ただ、そこには恐れもありますよね。
だまされたらどうしよう。
見捨てられたらどうしよう。
裏切られたらどうしよう。
恋人同士でも同じようなことを感じたりもしますが、友人関係でも、親しい友
人であればあるほど、全く同じことがおきたりするんですよね。
そして、傷つくことが怖い分だけ、友人関係を上手に築くことができなくなっ
てしまったりするんでしょうね。
私はいつも、カウンセリングでこのような話をしています。
普通の友人は「友達」
親しい友達は「親友」
かけがえのない友達は「真友」
この「真友」を作っていきましょうね、と。
私には運がいいことに、この「真友」がたくさんいます。
そして、私に何かがあった時にはこの「真友」達が私を助けてくれます。
もちろん、彼らも私に毎晩のように相談の電話をかけてくれます。
それは朝まで電話していたとしても全く苦にならない、どんな内容でも話して
いるだけで楽しい、私にとって大切な人達なんですよね。
それこそ、家族と同じくらい大切な存在でもあります。
そして、私にとっての最高の宝物でもあります。
最近では、私のクライアントさん達がそれぞれメール交換を初めて、すごく仲
のいい友人関係を築こうとしています。
私はそれを見て、すごく嬉しかったりもしますね。
そしてこのクライアントさん達も、今ではクライアントではなく「私の真友」
になっています。
そんな「真友」を、皆さんも持ってみませんか?