小さい子どもに接していると目に見えない色んなことに出会います。
心理学として知識として知っている事も、改めて目の当たりにすることが多く、
子どもの方が親に教えてくれてるって感じます。
この2年間で何度それを味わったか数知れません。
もちろん、科学ではまだ説明できないことにもたくさん遭遇します。
子どもがあらぬ方向を向いてにっこりして、まるで誰かに話しかけるかのような
仕草をしているのも普通のことですし、何かの拍子に親が怒りの感情をぐっと
抑えると、それをそのまま引き受けたように大声で泣き出すこともありました。
見えないけれど心と心は確か印繋がっている!ってしみじみ感じます。
自分が経験するまでは興味本位だったものが、現実に目の前に展開されると
始めは驚き、そして慣れ、やがてはそれが当然のように感じられていきます。
そのことの心への収まり具合を見ると、心のどこかで、そのことを知っていた
ということなんでしょう。
そして、子どもは感情の塊ですから、自分がが子どもをどう扱っているか?は
そのまま、自分が自分の心をどう扱っているか?を表しています。
実は僕は自分の子どもが生まれるまで、子どもが苦手でどちらかというと怖い
存在でした。
心の内を見透かされるような怖さを感じていましたし、どう扱っていいのか
分からなくて不安で、泣かれたら困るから遠巻きに見てるような感じでした。
それに変に汚してしまうように感じていて、そんな自分に嫌悪感を持ちつつも、
作り笑いをして誤魔化したり、なるべく関わらないようにしてたんです。
かわいいなあ、と思っても、なかなか近づけず、遠くから眺めているだけで十分で、
かっこつけて分かっているような振りをしてたんです。
そんな存在が「子ども」でした。
はい。これがそのまま僕の「心(感情)」との付き合い方だったわけです。
自分で書きながら冷や汗が出てきますけどね。
カウンセリングをしていると色んな職業の方にお会いしますが、感情の扱い方に
長けた方は保母さんとか、看護師さんなど子どもに接する仕事の方が多いように
感じます。
(もちろん「お母さん」という職業の方は感情の扱いもとても上手!)
一方、僕の出身である理系でコンピュータ関連の方は子どもも苦手だし、感情も
苦手という方が多いような・・・それで色んな問題を抱え込んでいるような・・・
そんな感じがするわけです。
(こういうのは個人差があって、もちろん子どもが
苦手な看護師さんや、感情と上手に向き合えるSEさんがいることも事実ですよ)
で、うちの奥さんと「ドッグセラピーとかドルフィンセラピーとかあるじゃん?
キッズ・セラピーって名前で、感情が苦手な人に子どもの面倒見てもらったら
ものすごく癒されるんじゃない?」なんて話を冗談半分、でも、けっこう効果
あるかも、と思いながら話したりしました。
そして、子どもには目に見えないものでも、きちんと通じるものは通じています。
例えば、子どもを夜寝かし付けるとき、「寝かそう、寝かそう」とコントロール
しようと頑張っても無理なんですよね。
僕も時々奥さんに代わって子どもと一緒に寝たりするのですが、「仕事があるから
早く寝てくれー」なんて思いながら背中をトントンしてると、途端にぎゃー
ぎゃー泣かれたり、「パパがいる!」ってにこにこ遊び始めたりして逆効果。
僕の方が寝にてしまうくらい心を静かに、安らかにしてないといけません。
それはまるで子どもが隣にいることを忘れるくらいの要領で。
(子どもを寝付かせていたら、自分の方が先に寝てしまった経験のある親御さんも
少なくないのでは?それくらい心の“緩み”がないと寝てくれないんですよね)
うちの子は元気が良すぎてなかなか寝付いてくれず、また寝入った後も不安定で
すぐに起きたりします。
もちろん、ママやパパ(特に眠る時はママが重要みたいですね)が傍にいないと
不安で、一人になると不思議と気付いて泣きながら起き出したりします。
先日、ぐずりながらも渋々寝入った娘に「パパやママがすぐ傍にいなくても、
きみが一人になることはないからね。すぐに飛んでくるところにいるからね」
などと心の中で話しかけたら、その瞬間にスーッと寝息が深く、安らかに。
「ちゃんと通じてるんだ!ちゃんと分かってるんだ!」と嬉しくなりました。
でも、これは子どもだから顕著に分かるだけで大人だって同じ事かもしれません。
イメージを使ったセラピー(瞑想のようなもの)をするとき、こっちが緊張して
いたり、集中できずに他のことを考えていたりしたら、そのセッションはうまく
行きません。
特にリラクゼーションや感情の解放など、心を緩めるセッションの時には
お客さん以上にこちら側の心がゆるゆるになってないと全然効果が出ないん
ですよね。
だから、セラピーをするときには、僕の方も一緒に、いや、むしろ先行して
感情に入っていくことも多いんです。
時々鋭いお客さんから「根本さん、何か顔がふわっとしてますねー。前の方に
そんなカウンセリングされたんですか?」などと言われたりします。
「そう、その通り。ああ、バレてるんだなあ」と感じます。
確かにカウンセリングを終えた後に
「すごく疲れが取れたような気が・・・。もうこのまま眠ってしまいたいくらい」
とおっしゃって下さるとき、間違いなく僕もその気分を味わってますもの。
見えないところで人と人の心は繋がっているし、繋げられる。
そういう目で今近くにいる人を見てください。
どんな気持ちがするでしょうか?
それはあなたが思いを伝えたい人に対しても有効なはず。
あなたが疲れて癒されたいとき、静かに安らかなエネルギーを持った人に近付く
だけでいいかもしれません。自然にその人の心の状態があなたを和らげてくれる
はずだから。
繋がっている、そういう目で人に接すると、もっと楽に力を抜いて生きられるかも。
あるいは、そうせずにはいられなくなるかもしれませんね。