2008年を迎えましたね。
皆様にとって、ますます意味のある幸せな年になりますよう、心からお祈りしています。
また、皆様の益々のお幸せへの変化を、必要なときには私達にもお手伝いさせていただけましたら嬉しいです。
年明け、皆様はどんなふうに過ごされましたでしょうか?
私にも色々な年明けがありましたが、今回は最も静かに過ごした年のことをお話しますね。
ある年、お正月の3日間、心を落ち着けて、自分は何者で、何をしたいのか、何になりたいのか、探ってみようと思いました。
そのために、できるだけ外とのつながりを絶って、何もしないようにすることにしました。
幸い、年末年始は仕事を休めて、家族の世話をする必要もなかったので、年末のうちに部屋の片付けをし、食べ物を用意して、お正月は気楽に過ごせるようにしておきました。
そのころ私は、「現状維持でも生きては行けるけれど、なんだか本当にやりたいことをやっていないのではないか」と感じていました。
「このままで人生の後半を過ごすのはどうなのだろう」と、成長のプロセスにある、一つの壁にぶつかっていたようです。
中でも大きな壁だったのかもしれません。
少し前から学んでいた心理学は私にとって素晴らしいもので、人生が変わるほどと感じていましたが、さらに学んでカウンセリング&セラピーをやっていくことについては、まだ決心ができませんでした。
また、人から言われることが、とても気になっていました。
自分自身が、自分の色々な面を受け入れ認めていたら、人から「あなたはこんな人」と言われても、戸惑うことはあまりないと思うのですが、その時は戸惑いました。
例えば、占いができるという人に、あなたは何年も落ち込んでいるはず、と言われて、そのまま落ち込んでしまいました。
それまでの数年間、新しい人や物との出会いがたくさんあって、かつてない経験をしていましたから、充実していたと思えればよかったのですが、戸惑ってしまったのです。
そんな訳で、お正月の3日間、何もしない時間を持ち、成長の壁を越えて行けるよう、気付きを得ようとしたのでした。
静かに過ごし始めてしばらくは、悶々としたまま、ゴロゴロしていました。
何かしなければいけないという思いは、この3日間だけ、湧いてきても放っておきました。
迷いやネガティブな自己イメージを感じた時にはつらかったような気もしますが、もしかしたらすごく穏やかな時間だったのかもしれません。やがて、誰にも、何にも邪魔されず、し〜んと静まり返った湖の底に、そっと沈んでいるような感覚になっていきました。
そして、最も深く沈んだかのように感じた時、ふと、こんな考えが浮かんできたのです。
「私は、何かになるために生まれてきたのではないし、何かを成し遂げるために生まれてきたのでもないのではないだろうか。
では、何のために生まれてきたのだろう。もしかしたら心を成長させるため? あるいは心を豊かにするため? だとしたら、生まれてきて、少しだけ心が成長すれば、あるいは、ほんの少しだけ心が豊かになったなら、それだけでもう、生まれてきた意味があるのではないだろうか。
もしかしたら、本当に小さな小さなことだけれど、花を一つ見てきれいだなあと感じたら、私は生まれてきてよかったと言えるのかもしれない。」
そう感じた途端、あらゆる力がすうっと抜けていきました。
ふと周りを見回すと、あらゆるものに輝きがあるように感じられました。
葉っぱ一枚でさえ、そして身の回りに起きるあらゆる現象が、心を豊かにしてくれそうに思えたのです。
仕事についても、重圧や矛盾を感じるようなことはありました。
でもこの気付きに基づいて感じ直してみると、ほんの小さなことをするだけでも十分なのではないかと感じられてきました。
例えば、職場の床の小さなゴミを一つ拾えば、その場所が今までよりほんのわずかきれいになります。
誰も見ていなくても、全く気付かれなかったとしても、私が行動してその場所がきれいになるのなら、私が生きている価値はあると思えたのです。
その後、実際に、年明け最初の仕事の一つとして、誰にも知られず、職場の床を磨いたりしました。
一つシミが消えるだけでもいいと感じながら。すると不思議なほど、気持ちが落ち着いてきたのでした。
もちろん、社会的に認められるような立場になったり、人々が大きいと認める物事を成し遂げて賞賛されたりするのは、すごく嬉しいことだと思います。
でも、原点はもっと小さな小さなことでいいのだろうと、この時、私には感じられたのです。
この気付きは、その後、自分の気持ちの礎となりました。
「ほんの少し心が豊かになればいい」と感じていると、してもらったことや、手に入ってきたものや、自分のしたことが、ほんの小さなことであっても心から十分だと思えました。
有り難さやできる喜びも生まれてきました。
どんな小さなことにも、感謝や喜びを感じられる元を手に入れたようなものですね。
そうは言っても、何かと怒りや悲しみなどのネガティブな感情が湧いてくることはありますが、この気付きに立ち返ると気持ちを早く切り替えられるように思います。
そんな訳で、その後の毎日は次第に楽になっていきました。
「やってみようかな」と迷っていたことや、「やらされている」と感じていたことを、「これをやりたい。これをやっていく。」と自ら選択して積極的にするようにもなりました。
結果や評価をあまり怖れなくもなりました。
変化は加速して、やがて、体が着いて行かないほど意欲的に物事をこなすようにもなっていきました。
さて、今回は、とても消極的な過ごし方をしたかもしれないお正月のお話をさせていただきましたが、思いのほかアクティブな未来につながったのではないかと思っています。
何がどう展開していくか、分からないものですね。今年の年明けは、このコラムを書くことから始まりましたが、どんな展開になるのでしょうか。予測を超えたおもしろさを味わえたらいいなあと思っています。
よろしかったら、皆様もご一緒にカウンセリングサービスでお楽しみくださいませ。
2008年もどうぞよろしくお願い申し上げます。