笑顔のバトン

「なんだか最近、色んなことが 思うように進んでいない気がするなぁ。
そういえば、人からちょっとした攻撃めいたことを ちらほら感じたりもするし。
なんだかなぁ~・・・。」
なんて気持ちで 近所の公園の近くを歩いていた 先週の日曜日。
優しそうなパパと小学校4~5年生くらいのお兄ちゃんに、
両方から手をつないでもらって 楽しそうに歩いている男の子がふと目に入りました。
たぶん、3~4歳くらいかな。
男3人で公園に遊びに行くのか、もしかしたらスーパーに買い物に向かっているのか、
なんて感じの休日の風景。
私は、足りなくなった日用品をドラッグストアに買いに行った帰りで、
なぜママは一緒じゃないのかな~?なんてことを ぼーっと考えながら、
嬉しそうなその親子の様子を、「景色」 を見るような感じで眺めていました。
すると突然、その景色が突然動き出したというか、
まるで 動かない絵から 手が伸びてきたかのように
男の子がすれ違いざまに そのキラキラした笑顔を、こっそりと私に投げかけてきたんです。
挨拶するでもなく、会釈をするでもなく、ぼーっと見ていた私に
彼が笑いかけてくれたのは、なんだかとても不思議な感じ。
パパとお兄ちゃんは、通りすがりの私のことなんて 全然気に留めていない様子なのに。
目が合って 少し驚いた私も、その子に思わず笑顔を返していました。
今まで、「笑顔って大切」 とか、もちろんよく知っていることだし、
人にも幾度となく言ってきたように思う。
でもこんなにも 心にストンと入ってくる笑顔には、
そうそう出会った事がなかったかもしれない。
どうしたら あんな笑顔が出来るの? って思った。
彼は、大好きなパパとお兄ちゃんに手をつないでもらって、
そのとき 「世界」 を完全に信頼しきっていたのかな。
だからこそ、見知らぬ私にも あんな笑顔が出来たんじゃないだろうか。
世界を「愛」という視点で見るということは、まさに これなのかもしれない。
私は、あまりの無防備な笑顔に なんだかちょっとドキッとして、
彼らとすれ違ったあと、思わず立ち止まって振り向いてた。
その男の子もまた、手をつながれたまま振り向いていて、もう一度 笑ってくれた。
なんだか 一瞬、音が消えたような、そんな感覚。
パパが、「どうしたの?」 って感じで その子の様子に気づいたとき、
彼はくるっと前を向き直し、何事もなかったように そのまま行っちゃった。
別に私、そのとき すごく落ち込んでいたわけでも 悩んでいたわけでもないのに、
その笑顔に、固まっていた心が溶かされたのか、何故だか涙がじわっと出てきてしまったんです。
え?何? この、じーーんとした気持ち?
私に、何の助言も 手助けも 援助も出来ない、幼いその男の子に、
私なんだか 救われてるって感じ???
そして、
彼のその一瞬の笑顔が、私の見ている世界の色を変えてくれたというか、
くもりを拭いてくれたというか、陽射しさえ強くなったような気がして、
なんだか急に ウキウキした気持ちになって、私もまた 歩きだしたのでした。
あの笑顔。
今でも はっきりと思い出せるし、たぶん これからも ずっと忘れないだろうなぁと思う。
というか、忘れられなくて、ここにも書いてしまっています。
どんな形になるかは分からないけど、いつかこれが私の大切な何かに変わる気がして。
「世界を信頼する強さ」、それはきっと、周りの人に光を与える ということになるんじゃないかなと思う。
そして私は、もしかしたら その信頼を失いそうになっていたのかもしれない。
もしも これが必然の出来事だったとするならば、きっとあの子は、
それを 「思い出して!」 と 無言で伝えていたに違いない、と、思いたい私です。
いろんな経験をしたり、たくさん傷つけばつくほど、信頼するためには 
どんどん大きな勇気や決心が必要になってくると思います。
それでも その怖さを超えて 信頼してみよう と思えたとき、
わたし達は またもう一度 あんな笑顔が出来るようになるのかもしれませんね。
ほんの数分間に起こった小さな出来事ですが、
なんだか、とても大切にしたいと思う出来事でもありました。
最後に、こんな詩があったのを思い出したので、リンクをつけておきますね。
この詩は、Barbara Hauckという13歳の女の子が書いた「SMILE」という詩で、
一つの笑顔が 誰かを幸せな気分にして、そしてその人の笑顔がまた次の人を笑顔にしてい
くという、とても心が温かくなる内容です。
そして私も、この詩のように、彼にもらった笑顔を何かの形にして つないで
ゆきたいと思います。
あなたは、どんな笑顔をもらったことがありますか?
そして、その笑顔のバトンを どんなふうに 次の人に手渡すのでしょうか?
Barbara Hauck 「A SMILE」
from Chicken Soup for the Teenage Soul
by Jack Canfield, Mark Victor Hansen and Kimberly Kirgerger
http://www.scribd.com/doc/13012142/A-SMILE
(このページから ダウンロードできます。
よかったら 訳してみてくださいね
。)
ありがとう。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

柔軟な視点で問題を捉え「人間関係」「自己表現」「セクシャリティ」に関する悩みを多く扱う。 特に、現役で自身のビジネスも続けていることから、やりたいことを見つける、夢を叶える、など自己実現のサポートを得意としている。 「見た目の印象とは違い、声に癒される」との声が多く寄せられている。

5件のコメント

  1. きよみさん
    いつも拝見しています。
    素敵なお話、今、心が温かいです。
    僕はアフリカ・ジブチで出会った同僚の笑顔が浮かびました。
    忘れられません。遠い国でのことですが、僕の笑顔のバトンタッチで世界はひとつになれますよね!いつか、いつか、きよみさんとお話がしたい、会いたいと思っています。
    何だか波長が合う気がしているのです。
     そして僕からも ありがとう
    たけと

  2. きよみさん、こんにちは^^
    とても素敵なお話にこころが動かされました。
    何気ない氣づきのヒントって本当に小さなところにあるものなのだな~と思いました。
    そしてそれがやがて大きな変化へと繋がってゆくのだろうと思います。
    きよみさんのように小さなヒントをしっかりキャッチできるようにアンテナをしっかりと立てておきたいものです。
    >あなたは、どんな笑顔をもらったことがありますか?
    初めて逢った人からもらう笑顔はとても印象深く残っています。
    例えすれ違うだけの出逢いであっても、出逢う人すべてに笑顔のバトンを渡していけたらいいな~。まさにその幼い男の子のように^^

  3. 岳人さん
    こんにちは!お返事遅くなってしまってごめんなさい。
    アフリカにいらっしゃったんですね。きっと、その青空の下での思い出は ものすごくまぶしい笑顔だったんだろうなぁ、なんて勝手に想像しています。
    うらやましいです。
    実は、アフリカを旅することは、私の夢の一つなんですよ。
    その笑顔、ぜひ 岳人さんの周りにも広げていってくださいね。
    またお話できるのを楽しみにしています。

  4. emiko さん
    お返事遅くなってごめんなさい。
    時間を忙しく過ごす わたし達は、つい見過ごしてしまいがちなものがたくさんあるような気がしますが、見知らぬ人の笑顔に 思わず元気をもらったり 励まされることって、意外にあると思います。
    自分が意識しないところでも、人と人ってそうして影響し合っているんですね。
    最初の出会いが 「笑顔」って とても素敵です。
    私も出来るだけ多くの初対面で、笑顔の印象を、その人の記憶に残したいって思いました^^

  5. 夕べ相談させていただいたにこにこです.
    勇気を出して相談するときはいつも深刻な悩みになっていた私ですが、きのうは明るくカルク雑談みたいな感じで自分の胸のうちをお話できたこと、それ自体でなんだか自分を頼もしく思えて、勇気付けられました。
    悩みにいっぱいになって足をとられて何年も前に進めていなかった自分を振り返って、この1年落ち込んだり仕様のない後悔を憶えたり、情けなさで心もとない気持ちが多かった私ですが、今はとても気持ちがらく~で世界がとてもまぶしく明るく愛にあふれているように見えます。
    私の相談は無料相談1973とよく似ているなぁと後になって思いました。
    えへへ
    じつは自分の物を買いたくなる思春期に、両親への贈り物をするためにお小遣いを貯めてがまんしていたのは私なんです。
    なんだか両親になにかあげなくてはいけないような気がして仕方なくていつも落ち着きませんでした。
    自分の下の弟妹から気遣われたり、助けてもらうとかるく落ち込みを感じていた私も今はそんな風に思わなくなり、とても楽チンです。
    夕べ相談の後、彼に「この間会った時にしてもらったことを思い出すとこんなに嬉しい気持ち!」とphoto付きで、単純な気持ちでメールを送ることができました。
    とてもきもちよかったです。
    しあわせをいっぱい感じました。
    先生とお話するの、とてもとても楽しかったです。
    時間だけみたら短いかもしれないけど、初めてのお会いしてない先生と、深い話ができるってとても深くて長い時間ですよね。
    ありがとうございました。
    長くなりましたが、どうしてもお伝えしたかったので!
    これからも時々ブログ拝見させていただきまーす♪