今では…今も…

駅に着くと、溶けた雪がシャリシャリと歩く度に音が鳴る。
扉を開けると「おかえり」と妹が出迎えた。
「やっぱりこっち寒いね~」と言うと、「ネェ(姉)は寒がりやからね」と妹。
「これ着ぃ~」とスキーウェアの様な分厚い部屋着を用意してくれた。
久しぶりの実家で、ふと、妹の小さい頃を思い出した。
私が高校生の頃、歳の離れた妹を保育所まで迎えに行く。
妹を迎えに行くと、まだお迎えの済んでいない1,2人のお友達と遊んでいる。
私の顔を見つけると、チラッと見てやってくる。
妹と手をつなぎ、家まで帰ると遊びタイムの始まりだった。
ビー玉遊び、あやとり、ぬいぐるみ遊び 二人で遊んだ。
今では申し訳なさでいっぱいだけど、買い物が面倒で小さい妹をパシリに出したり、
遊んでいて理由は覚えてないが、妹が突然「ギャンギャン」泣き出したり、
塩と砂糖を間違えていた私の特製フレンチトースト張り切って妹に食べさせると、
一品を食べ吐き出したり…と。
そんな懐かしい思い出を経て、今では妹が私にアドバイスをしてくる。
面倒くさがりの私に妹が言う、
「これをやったら、これができるって思いながら先をやらなあかんことやるんよ」と。
どうやら、妹なりの「自分へのご褒美のしかた」の様。
妹の運動会で妹の友達から「お母さん若いな!」と言われていた私は思った…。
いつも手をひいて歩いていた妹も成長したな…!
当たり前な事だけど、どうやら月日は流れている様だ。
カウンセリングを通じても私は想う…
「成長していない、、」と嘆くあなたがいても、
必ず「陽が昇る」月日は流れている。
歳をとっただけ?そんな事はない。あなたが動き、経験した分だけ、あなたの感情は動く。
そして、見えてくるものも多い…。
傷つくのが怖い?
もう傷つきたくない?
人はどうしても怖くなると心の扉に鍵をかけてしまう… 守りに入る。
守りに入ってしまうと、何か変えようとしても難しい。
自分のフィールドを飛び越えて初めて何かが見える筈。
傷ついてでも大切にしたい何かを感じる、という気持ちは勲章ものだと思う。
プロセスを経て、あなたは必ず磨かれていく。
そして、大切なものが見えてくる。大切なものってなんだろう?
何を通しても守りたいものは何?
普遍的なあなたの信念は何?
全部を削ぎ落して、最後に残った大切な想いは何?
人の一生は限りがあるもの。
どう生きていきたいか。
つくるのは、オーダーメイド。あなた自身。
もし、あなたがタイムスリップしたら過去に戻りたい?未来?
もし私がタイムスリップしても変わる事のない、普遍的なものはある。
物や事、状況が飽和状態の現代でも…
必ず、あなたにも出来る事がある筈。
および腰でも、怖くても進む気持ち…
心を開いて進んで行けば、
それが「必ず、あなたが変わるきっかけ」を作ると私は信じている。
駅までのシャリシャリ鳴る雪道を下り、妹との思い出を振り返りながら…
新年、「今では…今も…」変わらずに想った。

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1件のコメント

  1. 初めまして、上さん。
    私は、いつもは原さんにお世話になっているものです。
    ですが、コラムや文章類は色んな方のを読ませてもらっていました。
    コメントを書くのは苦手ですが、強い言葉に、心が動きました。
    新しいスケジュール帳にメモしました。
    自分の殻から抜け出すことが出来ました。
    とてもあったかい文章をありがとうございます。