最近、コーヒーの生豆をその場で焙煎してくれるお店からコーヒー豆を買って、ドリップで入れると言う飲み方を覚えました。
今までコーヒーと言えば、缶コーヒーか、インスタントばかりだった私にとって、その場で焙煎した豆の香りというのは、本当に衝撃的でした。
元々コーヒーを飲み始めたのは、禁煙を始めた時に、何かタバコに変わるものをと探した時に、飴、酢昆布、お茶、紅茶、コーヒーなど、あれこれと手を付けていたのですが、その後、糖分があるものは太るからと思ってやめたり、お茶、紅茶は、やや刺激にかけると思ってやめたりしているうちに、コーヒーを飲む習慣だけが残ったと言う感じです。
コーヒーだけは本当によく飲むので、コーヒーメーカーでも買おうかと思っていたのですが、最近引越しをして、家の近所にとてもお洒落なコーヒー豆のお店を見つけたので、私はそこに行ってみました。
店の中は、樽のような入れ物に、いろんな種類のコーヒーの豆がたくさん入っていて、カウンターの裏に、コーヒーの焙煎機が並んでいました。
お店の人に、「何にしましょうか?」と言われたのですが、缶コーヒーかインスタントしか飲んでいない私にとって、一体何をどう注文したらいいのかもわからない状態でした。
私は、「今までインスタントばかりで、こういうお店で豆を買った事が無いんですよ。なので、何をどう注文したらいいのかもわからないんですよ。」と言いました。
さらに、自分がコーヒーメーカーを探していることを告げると、「コーヒーメーカーでもいいけど、ドリップで入れたほうが美味しいと思うよ。」と言われ、そのドリップで入れる方法を実演してくれるとの事でした。
「まず、コーヒー豆は、100cc入れるのに100g。お湯は90℃。最初はお湯を少し入れて、20~30秒蒸らすこと。この時ペーパーは濡らさない。」
こんな風に入れ方について話をしながら、コーヒーケトルの細長い注ぎ口からドリッパーにお湯が少し入れられると、コーヒー豆から湯気がもわっと沸き立ちました。
私は、コーヒーのCMにでも使えそうな湯気に見とれました。
それから、円を描くような動作で、お湯が注がれると、ドリッパーがコーヒー豆のドームのようになり、サーバーにコーヒーが溜まっていきました。
「ドリッパーの盛り上がったドームに灰汁(あく)が、溜まっているからね。規定量までサーバーに落ちたら、すぐにドリッパーを外すこと。最後まで落ちちゃうと、灰汁も入ってコーヒーが苦くなるからね。」
そういって、ドリッパーの盛り上がったドームの上のほうを指差しました。
そして、サーバーに200cc落ちた時点で、まだサーバーにコーヒーが落ちている途中のドリッパーを外しました。
私は、コーヒー豆も想像よりたくさん使うし、美味しい入れ方は、本当に贅沢だなと思いました。
結局私は、この初めての光景にいたく感動して、コーヒー豆だけでなく、ドリッパー、コーヒーサーバー、コーヒーケトルも買いました。
焙煎したコーヒー豆からコーヒーを入れると、240gで1,000円前後~2,000円程度するのですが、それで入れられるのは、1杯200ccとして、わずか10杯程度です。
そうすると、1杯あたり80~200円ぐらいかかる計算です。
少しいい豆を買うと、缶コーヒー以上の値段がかかるのですが、この香りの高さを考えると、全く高くないお値段だなと思いました。
ちょっとした手間で、そうそう味わえないコーヒーを楽しめる、その場で焙煎した豆からコーヒーを飲むという飲み方、私はとても気に入っています。
そんな私ですが、今、飲んでみたいコーヒーが2つあります。
1つは、コピ・ルアクと言われる、ジャコウネコの糞に未消化のまま出されたコーヒー豆を洗浄したもので、聞けばものすごく汚いイメージもしますが、このコーヒーが、最高に薫り高いのだそうです。
私が豆を買ったお店でも入荷する事があるらしく、その時は是非購入したいと思っています。
もう1つは、山の湧き水で入れたコーヒーを飲むことです。
私は今年の4月に屋久島に行ったのですが、その時ヤクスギランドの湧き水を飲んだときに、「この景色の中で、この湧き水で入れたコーヒーを飲んだら、どんなに美味しいだろうか!」と思いました。
ドリップ方式でのコーヒーの飲み方を知って、楽しみが少し増えました。
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