楽しんで仕事をしていますか?

私が勤めている会社では朝礼があり、毎日交代でみんなの前で2,3分程度の話をします。
季節の話や自分が興味を持っていること、
仕事上での連絡やお願いなど、話題は人それぞれ、どんなことでもかまいません。
その日は上司が朝礼の当番で、「楽しんで仕事をしていますか?」という投げかけがありました。
私は会社へ行くのが嫌だとは思ってないけど、楽しんで仕事をしているかと言われたら、素直に「はい」とは言えないなあと
考えていると、上司は「そう思っている人は手を挙げてもらえますか?」と言葉を続けました。
手を挙げる人なんているのかしら??と思っていると、一人の方が元気よく手を挙げられました。
 
上司は、「予想はしてたけど、Aさんだけですか。他にはいませんか。」との声に、私もみんなも納得です。
Aさんは、年齢は60代で、書類を他社へ届けたり、受け取ったり、手続きをしたりする仕事をされていて、日中はずっと車で
外を回っていらっしゃいます。
毎朝、「おはようございます」と元気な声が響きます。
 ハキハキされていて、60代とは
思えないくらいフットーワークが軽く、よく動かれます。
見た目は少し強面ですが、誰にでも愛想よく気さくに声をかけ、
お互いに気持ちよく仕事を出来るよう気遣いもされる方です。
仕事に対しては真面目でプロ意識も高く、時には厳しく、新しい人が入ると細かなことでも指摘して、
仕事が円滑に進むやり方をアドバイスしてくださったりもします。
 特に相手先の仕事については、相手がやりやすいように考え、
お客様が気持ちがいいようにと配慮し対応されます。
その一方で、「○○へ行って書類をとってきてください」など急なお願いにも
快く応えて下さったり、部内のみんなへ飲み物を差し入れてくれたり、みんなが仲良く仕事をできるようにと部内のムードメーカー
でもあります。
外回りの届け先にも、同じように心遣いをされるAさんですから、どこへ行っても信頼は厚いようです。
 
プライベートではゴルフや野球が好きで楽しんでおられます。
野球は応援団もなさっているとかで、シーズン中は毎日のように
球場へ行かれます。
 私は今の部署に異動して3年ほどですが、Aさんの疲れた顔や元気がない姿を見たことがありません。
「嫌だなと思うことほど、やるんだよ」なんてこともサラリとおっしゃるので、本当に公私ともに人生を楽しんでいらっしゃる
ようです。
 
そんなAさんを見ながら、羨ましいなあという気持ちと同時に、Aさんのようにイキイキと仕事をして、楽しむということを
日々の忙しさで忘れていたことに気づかされました。
朝礼後、上司が席(私の隣です)に着いてからも仕事を楽しむという話になりました。
上司が言うには、
いつも1時間かかる仕事なら、今日はそれよりも早く済まそうとか、自分なりに目標を持って以前はしていたが、最近は
こなすだけで仕事をしていて、そんな気持ちをつい忘れているということで自戒をこめての話だったそうです。
私の仕事は事務職でルーティンワークも多いのですが、それが嫌いではありません。ただ、慣れてくるとなんとなく仕事を
こなすだけになっていたりします。
仕事が重なると、気持ちに余裕もありませんから、黙々とそれを片付けるということだけで
毎日を終えてしまいます。
以前は私も、この仕事を前回より5分でも早く終わらせると自分の中で競争してみたり、どう段取りすれば無駄なく時間を
使えるかと考えたりしていました。
いろんなことを覚えたいという気持ちもたくさんあったので、常にアンテナを張って、
人の話や電話を仕事をしながら聞いていました。
 
このお客さん(取引先)は誰の担当、とか、さっきもこのお客さんから○○さんに電話があったけどトラブルで緊急の要件らしい
とか、そんなことをわかるのがおもしろくて頑張っていたんですよね。
でも、最近は自分の仕事に関係がなければ、面倒でついスルーしようとしている自分がいました。
 自分がやっていることの枠の
中だけにいるような感じです。
 本当にこなすという状態で心も閉じてしまいます。
そうすると、仕事への興味も面白みも
なくなっていきますし、モチベーションもあがりませんよね。 
やっていることは以前と同じでも、ただなんとなくだけで、上辺だけでやってしまっていたようです。
自分では、そこまでとは感じていなかったのですが、どうやらそんな状態だったようです。
気づかされてしまいました。
(苦笑)
さて、どうしましょうか。まずはAさんのように元気な声で挨拶から始めてみようかな。(今もやってるはずだけど、あえて意識
して元気よく挨拶にトライ!)そして、今までと同じことをするにしても、流されてやっているのではなく、もっと意識して
仕事をしていこう、と改めて思っています。
 
だって、意識の持ち方で、心は変わっていくのですからね。 ^^
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。