ポイ捨てのできる場所には理由がある

ポイ捨て禁止!
と書いてあるところに、わんさかゴミが捨てられていることってありますよね。
自転車置き場のある1台のカゴの中だけに、ゴミがいっぱい入っていることも。
先日、近所をぶらぶらお散歩していた時、ショッピングセンターの周りを囲っているフェンスの内側が植え込みになっていて、そこに、ペットボトルが捨ててあるのが見えました。
そうそう、ゴミって、舗装していない場所や、植え込みに、よく捨ててあるんだよねー、などと思っていたら、あることに気がつきました。
どうして、植え込みなんでしょう。
どうして、土なんでしょう。
車で大きな国道を走っている時も、信号待ちで止まりやすい場所には、ゴミがよく捨てられています。
中央分離帯が、土や植え込みだとたくさんあって、しっかりと舗装されているところには、あまりありません。
どうしてなんでしょう。
どうやら、これは、
「ゴミを捨てるべきじゃないところに、ゴミを捨てる」
ということに対して持つ、「罪悪感」が影響しているようなのです。
ゴミを捨てちゃいけないところに捨てる時、それは、よくないことっていうのは、私たちは知っています。
ですから、誰かにみつかったらマズイと思いますよね。咎められるからです。
誰かにみつからないように、こっそりと、迅速に捨てたい、などと考えるわけです。
もし空き缶を車から捨てようと思ったら、どんな場所を選ぶでしょう。
空き缶は、硬いですから、硬いところに落ちたら、音がしますよね。車から投げ捨てたりしたら、きっと、カンカラカンカラカーンッ!!と、とてつもない音がするでしょう。
そうしたら、アスファルトではなく、舗装していない土のスペースを選びますよね。土なら音はしませんし、そんなに転がっていくようなこともないでしょう。ましてや、植え込みになっていて、木や草が茂っていたら、空き缶自体も隠されて、私のやり遂げた「いけないこと」もうまく隠されますね。
ということは、私たちは、そんなふうに、何かいけない(と思っている)ことをする時「罪悪感」を感じるので、それをなるべく感じないようにできる場所を、無意識に探すんですね。すると、カンカラカーンッ!!と音がするような場所じゃなく、誰にでも見られるような場所でもないところを選ぶのです。
こんな場合もあります。
他の「罪悪感」に紛れ込むやり方。
さきほどもお話しした自転車のカゴ。誰かの自転車のカゴに、ゴミを捨てようとはあまり思わないはずです。
ところが、そこに何かのチラシとかが入れられていたらどうでしょう。しかも、何日も雨風にさらされて、くしゃくしゃになったチラシだったら。そこに、もうひとつ似たような「ゴミ」を入れるのは、空のカゴに入れることを思えば、ずいぶんと抵抗感が低くなっているかもしれません。すると、どんどんそのカゴに「ゴミ」が集まるというしくみですね。そのカゴは、「罪悪感」を感じにくい場所になっているからです。
「ゴミ」のお話ばかりですみません。
でも、これ「罪悪感」のお話なんです。
さらに言うと、「みんないい人」というお話です。
いけない(と思っている)ことをする時、私たちは、もれなく「罪悪感」というものを感じていて、でも、それを感じると苦しいので、なるべく感じないようにする、ということをしているんですね。
でなければ、「ゴミ」が同じところに捨てられるということはないのです。
「いい人」なのに、「ゴミ」を捨てるのかというツッコミがあるかもしれませんが・・
「罪悪感」は、自覚できている場合と、自覚できない場合があります。
でも、「罪悪感」があるなら、同じことなのです。
同じように、苦しいものなのです。
だから、「罪悪感」を感じる場所からは、離れたくなります。
もし、誰か大切な人が、あなたから離れようとしている時、それは、あなたのことを嫌いだからという理由ではなく、あなたを見るたび感じる、その人の「罪悪感」のせいかもしれません。
そんなふうに考えた時、あなたは、無駄に傷つかなくてもよく、そのことで、
その人の、あなたへ向けた優しさや、思慮深さを知るきっかけになるかもしれません。
おつきあいいただき、ありがとうございました。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

「自分らしく自分の人生を生きることに、もっとこだわってもいい。好きなことをもっとたくさんして、もっと幸せになっていい。」 そんな想いから恋愛・夫婦関係などのパートナーシッップを始め、職場、ママ友などの人間関係、子育てに関する問題など、経験に基づいたカウンセリングを提供している。