ちょっとイヤだなぁと感じる体験を、別にどうってことないな、という感覚
に変えていくエクササイズです。
まず1つ目に、ちょっとイヤだなぁと感じている体験を選んで下さい。
ものすごくいやだ!!と感じるような、大きすぎる問題は避けて下さい。
例として「教習所で運転に失敗してしまった」という体験を選んだとします。
これを体験Aとしましょう。
そうしたら、2つ目に、1つ目に選んだ体験が、これぐらいたいしたことの
ない感覚に感じられればいいな、と思えるような体験を選んで下さい。
問題なく運転していた日の体験でもいいですし、まったく違った場面で、
普通に仕事をこなしている時の体験でも構いません。これを体験Bとします。
それではまず、体験Aについてイメージしてみて下さい。
・その場面は、映画のように動いていますか?
それとも、写真のように止まって見えますか? → 動いている
・その場面は、白黒ですか?それともカラー? → カラー
・その場面は、自分から見てどのくらいの距離の → 目の前50cmくらい
ところに見えていますか?方向は? のところに見える
・そのイメージはぼやけていますか?それとも、 → ハッキリ見えている
ハッキリと見えていますか?
・周りの音や声は聞こえていますか? → 聞こえている
上記の質問に対する答えをメモして下さい。→の右側にある答えは、
例えです。このようにイメージされているとします。
次に、体験Bをイメージしてみて下さい。
そして、体験Aとまったく同じ質問をします。
・その場面は、映画のように動いていますか?
それとも、写真のように止まって見えますか? → 止まっている
・その場面は、白黒ですか?それともカラー? → 白黒
・その場面は、自分から見てどのくらいの距離の → ななめ左上、1mほど
ところに見えていますか?方向は? 先のところに見える
・そのイメージはぼやけていますか?それとも、 → ハッキリ見えている
ハッキリと見えていますか?
・周りの音や声は聞こえていますか? → 聞こえない
そして、この体験Bのイメージの見え方も、メモしておきます。
そうしたら、今度はまた、体験Aのイメージを見ていきます。
この時に、体験Bの見え方をメモしておいたと思いますが(上記の例えで
右側に書いてある答えです)、その体験Bの見え方に沿って、
体験Aのイメージを変えていきます。
例えば、一つめの質問で、体験Aでは「動いている」で、体験Bでは、
「止まっている」となっていますから、体験Aの、「教習所で運転に
失敗してしまった」、という、動いて見えているイメージを止めます。
静止画像として、その失敗した体験を見て下さい。
二つ目の質問で、体験Aは「カラー」、体験Bは「白黒」となっています
から、カラーで見えている、一つ目の質問で静止画像に変えた体験Aを、
さらに白黒のイメージに変えます。
三つ目の質問では、目の前50cmくらいのところに見えている、白黒で、
止まって見えている体験Aを、体験Bの見え方と同じように、ななめ左上、
1mくらい先の方へ、イメージを動かします。
四つ目の質問は、両方とも「ハッキリ見えている」と同じなので、
そのままで大丈夫です。
(もしも体験Aと体験Bの見え方が違う場合は、体験Bと同じように、
体験Aの見え方を変えます)
五つ目の質問で、体験Aは音や声が「聞こえている」で、体験Bは、
「聞こえない」ですから、最後に体験Aのイメージから音を消します。
体験Aのイメージの見え方を、体験Bの見え方と同じように変えたら、
そこで終了です。
メモをいちいち見ながらイメージを変えていくのは大変かもしれません。
できれば誰かに協力してもらって、体験Aのイメージを変えていくときに、
体験Bの見え方のメモを、読んでもらうと、やりやすいと思います。
このように自分の中にあるイヤな体験のイメージを変えていくと、
その体験に対する感覚も変わってきます。
このエクササイズは、いろんな体験に応用できます。
例えば、毎日チョコレートを食べすぎていて、週に1回ぐらいに減らそう!
と思ったとしたら、自分が週に1回ほど食べている食べ物でやってみます。
これをお豆腐だとしますね。
体験Aはチョコレート、体験Bはお豆腐をイメージしてみて、同じように
その食べ物(チョコレート)が見えているイメージを動かしてみて下さい。
食べ物でこのエクササイズをやる場合は、質問事項に、「匂い」や「味」の
項目も付け加えると、さらに効果的です。ハッキリ匂いや味も感じられるか、
それともまったく感じられないか、イメージしてみて下さい。
ものすごくつらい体験や、長期間繰り返してしまっている行動やクセなどは、
このエクササイズだけで変えていくのは難しいこともあると思いますので、
そういう場合は、カウンセリングなどが必要になってくるかもしれません。
今回のエクササイズは、ちょっぴりイヤな体験や、
なんとなく気になっていて、改善したいクセやものの捉え方など、
日常の、大きすぎないテーマのものを変えていくのには、効果的です。
ゲーム感覚で楽しみながら、試してみて下さいね。
たいしたことはないと思っている、小さな問題が解決するだけでも、
案外ほっとできたりするかもしれませんよ。
from 北上 秘都美