電話カウンセリングの時には、私はよく”宿題”のような形で日常的なエクサ
サイズを提案します。
私のカウンセリングスタイルとして、電話の短い時間の中ではまず問題を整理
して、「今自分に何が起こっているのか?」という状況把握に重点を置いてい
るからです。
今日、提案するエクササイズは、”成井のお気に入りベスト5”に入るかもし
れません(笑)
カウンセリングの中でよくこんな場面に遭遇します。
とても頑張屋さんの人が「周りの人はよく私に頑張ってるね!って言ってくれ
るんですけど、でも私自身はまだまだ足りないと思うんです・・・」とか、
ずっと罪悪感に苛まれ自分を責めているような人が「自分を責めなくてもいい
よ。って言われるんですけど、でも本当に私のせいなんです!」とか。
そして人から注意されたのならまだしも、逆に人から褒められたとしても、も
っと頑張らないと!もっとしっかりしないと!と自分自身に知らず知らずのう
ちにプレッシャーをかけてしまいます。
この時には私達は「自分を責めてる」というような自覚症状はありません。
その代わりにどういう事が起きるのか?というと、1日終わったときに何があ
ったでもないのにすごく疲れている。とか、はぁ〜・・・とため息ばかり出る
ような絶望感や、脱力感が募っていきます。
そしてそんな無気力な自分に、また自分自身でピシピシッ!っと「喝!」を入
れるのです。
・・・とってもしんどい悪循環です。
この状態は「負の連鎖」とも言われます。
この悪循環の連鎖の鎖を断ち切る為には、禅問答のように聞こえるかもしれま
せんが
「無意識的にやっていることに気づく」
必要があります。
(「そんなに簡単に気づいてたらやらないし、気づかないから知らない間にや
ってしまんだろ!?」
という声が聞こえてきそうですね(笑))
今日は、その為のエクササイズです。
これは真剣にとりくむ!というよりは、ゲーム感覚でお試し頂いた方がいいで
すね。
そうでないと、数日間連続で行うエクササイズなので、切羽詰った感じで行う
と1回1回の結果に一喜一憂して、それだけで疲れてしまうからです。
1)どんなプレッシャーをかけているのか?
まず、ゆっくり深呼吸して自分自身にこう問いかけてみてください。
●「もっとこうしなきゃ!」「もっとこうできないと!」と思っている事があ
ったとしたら、それはなんだろう?
「もっとしっかりしなきゃ!」とか、
「もっと強くならなきゃ!」とか、
「もっと仕事が出来なきゃ!」「もっと人と上手に接しなきゃ!」などなど。
人によって自分自身にかけているプレッシャーの内容は異なります。
なのであなたにとっての「もっとこうしなきゃ!」の”こう”にはいる部分を
見つけましょう。
そしてその見つけたものが、あなたのテーマになります。
2)カウントしよう!
あなたのもっとこうしなきゃ!」テーマが見つかったら、「もっと○○(あな
たのテーマが入ります)しなきゃ!」と感じた時に、ただそれを数えます。
とってもシンプルでしょ?(笑)
普段手帳を持ち歩いている人は、「正」という字でカウントしてみてください
。
常にメモをとることが出来ない状態の人は、1日の終わりに10分程度でOKです
ので時間をとって、
「今日はどんな時に、もっと○○しなきゃ!って感じたかな?」
と1日を振り返ってみて、その中で「あの時と・・・この時と・・・」とその
思い出された数をカウントしてみてください。
そして1日の集計を出します。
そしてその数をメモして記録して置いてください。
3)2週間ただただ繰り返しましょう。
翌日になったら、また1からカウントします。
そして1日終わったら、また本日分を集計して「○個」と記録します。
この繰り返しです。
・・・とってもシンプルでしょ?(笑)
私が初めてこのエクササイズの原型のようなことを行ったのはもう7年くらい
前の話になります。
その時はその場の思いつきと言うか、1日やってみて、何だか次の日も気にな
ったのでそれから1ヶ月くらい続けていたのですが、その中で色んな心境の変
化がありました。
その時の私は、その時たまたまパチンコ店でアルバイトをしていた関係から、
スロットのコインを使っていたのですが、自分を責めていると感じた時に、ガ
ラスのコップにコインを1枚ずつ入れていったんです。
しばらくして、せっかく(?)なのでコインを小銭に替えて、自分の貯金箱に
ためる形にしました。
最初は財布にある小銭を、あるまま100円、10円。などと毎回入れて取り組ん
でいたのですが、間に合わなくなったんですね。
そして100円玉を数枚握り締め金融機関で1円玉に変えてもらったことがありま
す(笑)
その時の私の最高記録は、128枚でした。
でね、その時に「そら、私知らない間にしんどくもなるわ〜!!!」と、ただ
ただ実感して、そしてそんな自分の状況が面白くなったんです。
2週間の間に、カウントした数は変動することがあると思います。
急に増えたり、逆に減ったりなど・・・。
その変動にももちろん意味はあります。
しかし、いっぱい見つかったからOKとか、逆に少ないと自分を責めていないと
いうことだからOKという訳ではありませんので、「今日は何個かな?」とゲー
ム感覚で取り組んで見てください。
悪循環の連鎖の鎖がはずれて、問題が1つ1つのシンプルな状態になればなるほ
ど、難解な問題の難易度が下がりますから、扱いやすい、解決しやすい問題に
変わります。
私はこれを勝手に「問題の因数分解」と名づけています(笑)
自分を受け入れてより良くなるために、まず「今自分に何が起きているのか?
」を知るという、最初の1歩からはじめて見ましょう。
from 成井 裕美