補償行為とは何かを隠そうとする行為、何かを補おうとする行為です。
この何かを隠そうとする行為、何かを補おうとする行為に問題があるとしたら、それにエネルギーを費やした割に得られるメリットが少ないということです。
違う言い方をするとコストパフォーマンスが悪いという言い方もできます。
今回はVシネマでよくあるシーンを例えば話にしながら補償行為とはどういうものかを説明していきたいと思います。自信のなさから自分を大きく見せる振る舞いをしてしまうことがあります。これは実は補償行為なのです。
先日私はテレビでミナミの帝王というVシネマが放映されていたのを見ました。
皆さん、ミナミの帝王はご存じですか?
知らない方の為におおざっぱな説明しますね。
かなりおおざっぱに言うと主役の竹内力さんと舎弟役の人が(話によって柳沢慎吾さんだったり桐谷健太さんだったり)関西のミナミという地域で闇金業をしていて、貸したお金を取り返すという物語です。
かなりおおざっぱです。すみません。(汗)
Vシネマなんかではこのような親分役さんと舎弟役さんがいてという構図のドラマは多々ありますね。このようなドラマの構図をイメージしながら読んでみてください。
たいていの場合は対峙している相手に真っ先に「おうおう、なめとったらいてまうぞ」と威嚇するようなセリフを言うのは舎弟役のほうです。
親分役のほうはドーンと構えていて肝心なシーンのみドスが効いた声で決め台詞で相手を落とします。
ビデオのタイトルや内容が変われどだいたいこの構成です。
なんとなくこのような構成を思い浮かびますでしょうか?
これを使って補償行為というのはどういうものかを説明していきたいと思います。
舎弟役のほうが親分役のほうよりも威勢がいいのはなぜなのか?
これを補償行為という視点で見てみましょう。
補償行為は何かを隠す行為、何かを補おうとする行為と書きました。
舎弟役さんは何を隠す為に威勢の良いセリフを言っているかというと自信のなさを隠し、それを補おう為に威勢の良いことを言っていると言う見方ができます。
舎弟さんの立場としては、親分さんよりも名前が売れていない、顔が売れていない、貫禄がない、実力が無い、実績もない故に相手になめられてしまうのではないか?という自信のなさがあるわけです。
するとこの親分よりも名前が売れていない、顔が売れていない、貫禄がない、実力が無い、実績も無いという自信のなさを隠すのに「おうおう、なめとったらいてまうぞ」と威嚇をして自分を大きく見せることがいるわけです。
言わば、自分の小ささを隠し補う為に(補償する為に)自分を大きく見せる行為をしているわけですね。
一報親分のほうはなぜ威勢の良いことを言わないのでしょう?
親分はそんなことをしなくても名前も売れている、顔も売れている、貫禄もある、実力もある、実績もあるのでわざわざ自分を大きく見せなくてもいいわけです。
自信があるわけですね。
本当に自信がある人は自分を大きく見せたりしない人が多いようです。
誰かに「すごいですね」「すばらしいですね」と承認してもらわなくとも、自分はすごい、自分はすばらしいというのを知っているからです。
ドラマの親分役、舎弟役を例のように、このようなことをする人はあなたの周りにはいませんか?
親分、舎弟の間柄の関係を持っている人があなたの周りにもいませんか?と言っているわけではありませんよ(笑)
自信の無さを隠すために自分を大きく見せる人という意味ですね。
「俺って偉いだろ」「私ってすごいでしょう」と、やたら自慢話をしたり、やたら過去の武勇伝を語ったりする人や、「すごいねー」というあなたの承認の声を暗に求めるような話をやたらとする人です。
もしかしたらその人達も自信がないのかもしれません。
そういう見方をしてみると『えらそうに・・・』とか『この人自慢話ばかりでめんどくさいなぁ』と思っていたのが『自信が無さを隠す為にやってるのかもしれないなぁ。しかたがないなぁ、もうちょっとその話に付き合ってやるかぁ』というような大目に見る視点に切り替えるきっかけになるかもしれませんね。