大人数への苦手意識を克服するには、、、。

大人数の中に入ると、「目立つ」人に対するコンプレックスが刺激されて萎縮してしまうこともあります。これは、社会に受け容れてもらえるか自信がもてずに自己表現や自己主張を遠慮するため、大人数の中での自分の存在感を感じられないためです。

多くの場合、父親との距離感を社会との関係性に重ねているので、「お父さん」に愛され、守られているというセルフイメージを強化すると、集団の中でももっとのびのびと自己主張ができるようになります。

実践的には、大人数を一塊として見ずに、近づきやすい人との一対一のコミュニケーションをたくさんとるように意識すると、気づけばその場に話したことのある人が増えていて、安心感は高まります。笑顔で一人一人とご挨拶をする勇気をもってくださいね。

◎リクエストを頂きました◎
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(リクエスト内容:200~400文字)
私は、大人数が苦手です。人望があって、目立つ人に対してコンプレックスを感じてしまい、自分に自信がなくなります。幼稚園の頃から、目立つ子と自分の違いにいつもコンプレックスを感じてきました。

先生はいつも目立つ子ばかりを見ていて、そういう子と話すのが楽しそうだと感じていました。大人になっても、大人数の場に出ることは避けられませんが、心が痛みます。私が楽になるためのヒントをいただけると嬉しいです。
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リクエストをありがとうございます。

一対一はまだいいのだけれど、大人数の中で人と関わるのは苦手、とおっしゃる方は案外多いのではないでしょうか。よく社会の最少単位は3人だと言います。「私」と「あなた」のほかにもう一人加わると、どうしても「競争」が生じて、「勝ち」「負け」を意識することになり、辛い気持ちになることがあります。

自分を他人と比較するとき、私たちはたいがい自分が「負け」ているところを比べては、残念でみじめな気持ちになるんですね。これを、他人は他人で素晴らしいけれど、私も私でイケている、と思えると社会との関わりはグッと楽になりそうです。

社会との関係性には、父親との関係性が投影されやすいと言います。

それは、多くの場合、私たちが生まれてからの関係性の歴史の中で、「(赤ちゃんの)私」と「お母さん」という母子関係に入ってくる「3番目」の人が「お父さん」だから、その人との関係性を無自覚に「社会」というちょっと「外」のものとの距離感に映し出すからです。

「お父さん」にとって自分は一番のお気に入りだという感覚があると、「社会」からも「愛されている」という感じをもちやすいので、集団の中でも自分を表現しやすいようです。

逆に、何らかの理由で「お父さん」に近づきにくい経験をされている人は、「社会」の中でも、自分が受け容れられるという自信が持てずについ自己表現や自己主張を遠慮してしまいます。無意識的に、目立たないようにするんですね。

自分が、無意識的にではあれ、「目立たない」ように自己表現を控えていると、遠慮なく自分をのびのびと表現する「目立つ」タイプの人が余計に気になるものです。そして、自分に関心をもってほしいと思う人、例えば「先生」などが、そういう「目立つ」子を構うたびに、やきもちと自己嫌悪で辛い想いをします。

コンプレックスとは、「やりたい(なりたい)のにできない(なれない)」というジレンマですが、できない(なれない)最大の理由は、やりたくない(なりたくない)という想いがあることです。

不思議に思われますか?「目立って」多くの人に愛されたいはずなのに、どうして「目立ちたくない」と思うのでしょうね。

でも、とても多くの方が、「目立ちたい」気持ちはあっても、「目立つのが怖い」から「目立ちたくない」とも思ってしまいます。

それは、「目立つ」お母さんと競争したくない、という気持ちだったり、「目立つ」ことでお父さんの注目を浴びるとお母さんに嫌われないだろうか、あるいは自分が「目立つ」ことでお母さんを困らせてしまうのではないかという子供ゴコロの心配や罪悪感が心の深いところにあって、大人数の中で、誰か「目立つ」人がチヤホヤされているのを見ると、その気持ちが刺激されて立ち上がってくるのです。

だから、「目立ちたい」けれど、「目立ってはいけない」と自分にそれを禁止する想いもあって、人が自由にそれをやっているのを見ると苦しくなってしまいます。

もし、「大人数」に「お父さんとの関係性」を重ねているとしたら、「お父さんに愛されている私」というセルフイメージを強化すると、もっと集団の中で自己表現ができるようになります。

私がおススメするのは、3歳の自分がお父さんのあぐらをかいたお膝の上にチョコンと座り、背中にお父さんの大きな胸、頭の上におひげのジョリジョリを感じるイメージワークです。

すっぽりと抱きかかえられて安心している自分を思い浮かべてみてください。

夜寝る前に、続けてこのイメージワークをすることで「男性性に守られる私」というセルフイメージを高めることができます。

最後に、より実践的には、大人数の中に入るときに、「みんな」を一塊にせずに、その中のまず誰か一人。自分の方から近づけそうな人を選びましょう。自分が自分のつきあいたい人を選ぶ、という気持ちでまず一人、次の一人、と近づき、声をかける練習をしてみてください。

大人数とはいえ、一枚岩ではありません。最初の一人、次の一人、と一対一の関係性を積み重ねてください。エベレストの山も一歩から、と言いますから。

(完)

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