ある人との間に、抑えきれないような感情や感覚が湧き上がる瞬間ってありませんか?だとしたら、それは「転移」が起きている証拠です。
過去の誰かとの関係性を、現在の関係性にまで持ち込んでいるのです。
たいていの場合は、親や兄弟姉妹を、現在のパートナーや会社の上司など・・の顔に貼り付けているのですが、
これは、まだ癒えていない古傷が浮上してくる心の自然な働きであり、癒しと成長の絶好の機会なのです。
今回は「転移」をブレイク・スルーするためのエクササイズをご紹介しています。
対人関係で嫌なことがあったら是非使ってみて下さいね。対象にこちらから与えてゆくことによって、自分自身の知覚が自然に変わっていくのをゲーム感覚で体験していただければと思います。
「転移」を取り戻すことは、あなたの失ったパワーを取り戻すということ!
リレーションシップ(関係性)の世界に踏み込んで、世界の見え方を大きく変えていきませんか?
◎リクエストを頂きました◎
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何が言いたいのかわからない人にめちゃめちゃイライラします。質問しても回答のピントがズレていて、
話がどんどん違う方へ脱線していってしまう。他人にわかるように話せ!
と思わずぶっ叩きたいほどの怒りにとらわれます。
こういう相手と心穏やかに接するヒントを教えていただければ幸いです。
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リクエストをありがとうございます。
もしご依頼者の方が、本当に相手を断ち切りたいだけであれば、当社にリクエストをくださることはなかったと思います。
イライラさせられたときに、単に相手の至らなさのせいにするのではなくて、心理学を使って何とかご自身の感じ方を変えたいというお気持ちを感じました。
きっと、優しく受容的な方なのでしょう。
では、まず「イライラ」の原因について見ていきましょう。
「イライラ」の感覚は、「出しちゃいけない」と思っている何らかの感情を、ぎゅっと押し込めているときに出てくる感覚です。
ですから「イライラ」を感じやすい人は、理性的・男性的なパーソナリティを持つ方に多いのです。
習慣的に「~するべき」とか「~せねばならない」など、ご自身を厳しく律していらっしゃるのかもしれません。
ダイエット中に目の前で親しい人がケーキや美味しい焼肉なんかを食べていると、不快な気持ちになりますよね。やめて!と言えない場合、イライラしますね。
自分が我慢していることを相手がやっていると、切り離して無視を貫くか、葛藤してイライラするか、いっそ怒りを爆発させるかですね。
我慢というのは、社会的にはよきことであっても、人間本来の姿を虐めている不自然な行為に違いありませんから、精神的にとても負担になるのですよね。
我慢は私たちもおすすめしていません。
安全な場で感情を思いっきり解放してあげることによって、自由な感覚や創造性を取り戻して、たくさん許し、つながり、楽に受け入れられるような生き方を提案させていただいています。
次に、もっと深い層を見ていきましょう。
家族や、以前親しかった誰かを思い出してみてください。
その中に、あなたを「イライラ」させるようなしぐさや癖を持っていた人はいませんか?
親や兄弟姉妹であることが多いです。また、幼いころの自分自身がそうであった場合もあります。
忘れていたとしても、過去に私たちを悩ませた誰かは、いまだに観念体系の中で「磔(はりつけ)の刑」のようになっているものです。
自分もその人も未だに一緒に刑罰を受けていて、実生活において他の人の姿を借りて登場してくるのです。これを「転移」といいます。
「転移」とは過去の誰かを現在の関係性の上に貼り付けて見ているということです。
エクササイズをご紹介させてくださいね。
イライラさせる人をAさんとします。Aさんがあなたに向き合って立っているとイメージしてみてください。
あなたとAさんとの距離は、今何歩くらい離れているでしょうか?数字を直感で答えて下さい。
Aさんはあなたからその歩数だけ離れて、あなたのほうに向いて立ち、こちらを見ています。
あなたはその場からAさんに言います。
「あなたが私から必要なもので、私があなたに十分に与えてこなかったものは、何ですか?」
それを言いながら、思いついた要素(例えば愛とか理解とか受容など)を与えるイメージができたら、Aさんの方から数歩だけ、あなたの方に向かってきます。
少しだけ近くなった位置からAさんを見ます。そしてAさんの顔の仮面を引きはがします・・。Aさんの仮面の下には、誰が出てきましたか?
例えばそれが「お父さん」だったら、次にこう言います。「お父さん、あなたが私から欲しかったもので、私が十分に与えてこなかったものは何ですか?」
それを与えるイメージをして、また相手に近づきます・・。
そしてまた父親の仮面をはがして・・その下には誰がいましたか?
例えば「お母さん」だったら、また同じようにやっていきます。
繰り返して、距離がなくなったら、最後は統合するイメージ(ハグするとか握手するなど)をして、終了です。
人間関係において「転移」を起こしている場合、相手の行動次第でこちらの感情があふれ出てしまうことがあります。
それは、そこにまだ癒していない傷があるというサインです。
相手に与えながら近づいていくイメージをすることによって、自分の観念体系を変えることができます。
与えているのに受け取ることができるのは、実は私たちの知覚と言うのはすべて投影であり、見えている登場人物はすべて自分の分身のようなものだからです。
イライラする相手もあなたの影の部分を示していると考えてみると、あなたからあなたへと何か贈り物を与えることによって、知覚が変わるのです。
何を与えていいのかわからないときには、とにかくエネルギーの矢のようなものを相手に向けて放つだけでもいいでしょう。
ただし、分離するための攻撃の矢は向けてはなりません。それはやがてご自身に返ってきてしまうからです。
最後に、私はご依頼者の方に、「助けを求める声に反応する」というリーダーシップの才能を感じました。
敏感に反応できる感受性とハート、パッションの使い方によって、創造的に周りを変えてゆく才能です。
統合によって、ご自身のさらなる価値に触れることが出来ますように。
ありがとうございました。
(完)