何が不足していると感じて浮気をしたか。
前回は、浮気の「不足原則」が異性としての魅力が不足していると自分を責めてしまいやすいこと、しかし、実際の浮気のご相談の中では、それ以外のことが浮気の理由になっていることが多いということについて書かせていただきました。
それ以外のこととは、二人の関係性において不足していることがある、ということ。
一言で説明するとしたら、それは「つながり」です。
浮気のカウンセリングでは、その解決方法として「お互いが向き合うこと」と言われます。
しかし、それが簡単にできるようなら浮気のような問題は起こっていません。
そもそも「向き合う」って何?とよく質問されます。
その答えが、二人の関係性を整理していくこと、なのですが、まずは、目の前にあるわかりやすい浮気に関する不足原則について見ていくところから始めてみましょう。
◎浮気の不足原則の具体例
何が不足していると感じて浮気をしたか。
浮気をされた・浮気をした、その両方が感じている理由として、代表的な4つをお伝えしていきます。
<浮気の不足原則の具体例>
浮気の原因:何が不足していると相手は感じたのか。
(1)魅力
性格や外見のタイプの違い、年齢など。
・天真爛漫さ?きちんとしている
・美人・カッコいい?可愛い・愛嬌
・力強い?優しい
・年齢:「若い女性(男性)の方が魅力的」など
(2)新鮮さ
パートナーとの付き合いが長くなると、新鮮さが感じられなくなる。
倦怠期もそのひとつ。
(3)恋愛対象からの変化
子どもができて母(父)になる等、恋愛対象よりも家族や母(父)になってしまう と、恋愛対象とは思いにくくなったり、魅力を感じなくなってしまう。
(4)状況
セックスレス、ケンカが絶えない、コミュニケーションがうまくいかない、仕事が忙しく接点が持てない、子育て・趣味等に没頭している、余裕がなく会話がない等。
こうした目に見える、あるいは過去を振り返ることででてくる、魅力・態度・状況等の不足しているところを整理すると、具体的にそれを変えるための行動に移せます。
これらの代表的な4つが欠けているのなら、それを身につける、取り戻す、などの行動に移していくことで、パートナーが不満に思っていることを満たしてあげることができます。
しかし、大切なのは魅力・態度・状況等が変わったこと、ではないのです。
・美人できちんとしたタイプ妻が夫に「可愛げがない」ことを理由に浮気をされたが、可愛らしさを身につける努力をした。
・子育てに奮闘していて服装を気にする余裕がなかったが、いつも服にも化粧にも気を使うようにした。
・仕事にかかりっきりだった夫が、妻との時間を作るようにした。
こうした努力で相手の気持ちが少しずつ戻ってきた、あるいは、二人の関係性がよくなり始めたとしたら。
それは、浮気をしてしまった、つまり不足を感じていた夫(妻)が、不足を補おうと努力する妻(夫)の姿勢や気持ちに反応しているのです。
別の言い方をすれば「自分のことをこんなにも思って、見てくれているようになった」
という気持ちが、心を開き、戻ってこようとする力になるのですね。
いくら綺麗になったとしても、気持ちが感じられなければ、意味がないのです。
こうした努力について、カウンセリングでは最初のステップとしてご提案することも多いのですが、いつもいつも、努力される様子の健気さに胸を打たれます。
浮気をされてショックで傷ついている時に、自ら努力をする、というのは大変なこと。しかし、それをやっていけるのは、やはりパートナーへの愛情の大きさと私はいつも思います。
◎不足を満たすための努力には準備がいる
しかしながら、こうした努力をするためには準備が必要です。
この方法は、心に余裕ができた時に使うことなのですね。
浮気というのはとてもショックなことで、心に余裕がなくなり、心身ともに負担が大きくなります。
心に余裕がない時には、休む、気分転換する、誰かに話を聴いてもらうなど、心にスペースを作る必要があります。
こうした時にも大切なのは「自分を責めていることに気がつく」こと。
詳しくは過去の記事をご覧になってください。
>>>Lecture.777-1「夫婦における怒りの心理学(1)~怒りは相手ではなく自分への攻撃であることを知る~」
次回は、不足原則を越えて、二人の関係性(つながり)を取り戻していくためのステップについてお伝えしていきます。
>>>『魅力がないから浮気されたの?ー不足原則を越えて二人の「つながり」を取り戻す(3)~不足原則を越えていく方法~』へ続く