カウンセリングでお父さんの愛を受け取ることをテーマに話をしていくことがあります。お父さんの愛を受け取ることでお父さんとの間のわだかまりを溶かしていったり、心の距離を縮めていくことでお父さんを投影する人間関係の問題を改善していく為です。
子供の頃は上手く受け取れなかった愛情を大人になって成長したあなただからこそ理解し、受け取ることができるということがあります。それはあなたが成長した証なのです。
父親なりの愛し方は?
カウンセリングで職場の上司との関係が上手くいかないこと(権威との葛藤)や、リーダーシップを取ることへの恐れ(これも権威との葛藤)を乗り越えたいなどのご相談がある時にお父さんとの関係を見つめ直していくことをしていくことがあります。
女性の場合だとパートナーシップのご相談をいただく時にお父さんとの関係を見つめ直していくことがあります。
お父さんとの関係に怒り、わだかまり、心理的な距離などがあると、それを投影する関係が上手くいかなくなるからです。
お父さんとの関係の怒り、わだかまり、心理的な距離を緩和していくべく、お父さんなりの愛情を受け取っていこうを話題にカウンセリングが進んでいくことがあります。
愛情を受け取り直していくことで怒り、わだかまりを溶かしていこう、心理的距離を近くに感じられるようになろうとしていくことを目的にします。
お父さんが愛してくれたことはなんでしょう?とインタビューをすると、仕事、お金、学校に行かせてくれた(資金面の援助)などの話をしてくれる人が多いように思います。
学校への送り迎えをしてくれたなんかのエピソードを話してくれる人もちらほらありますね。
男性は愛情を責任で感じることが多いです。
その為、愛情を表現することを責任で示そうとします。
例えば家族を持つと自分が死んでも家族が困らないように保険にはいる人がいますが、これも家族への責任という形で愛情を与えようとしていると言えるでしょう。
このように家族への責任という形で愛情を与えようとすることが多いです。
(それが妻、子供にとって良かったか、良くなかったかは別として・・・)
その為、お父さんの愛情表現も家族への責任として現れる為、仕事、お金、子供を学校に行かせるなどの形であらわれることが多いのですね。
お母さんが愛してくれたことはなんでしょう?とインタビューしてみると、自分が好きな料理を作ってくれようとしていた、洗濯をしてくれたという毎日の生活のエピソードを語ってくれる人は多いように思います。
また話を聞いてくれた、共感してくれた、寄り添ってくれた、○○と言ってくれたことが嬉しかったなどのお母さんとのコミュニケーションからのエピソードを話してくれる人も多いように思います。
お母さんがご飯を作ってくれたこと、洗濯をしてくれていたことなど目の前で行われていたことであったり、作ってくれたものを口に入れた体験などの実体験を通しているので体験的なエピソードとして思い出せたりします。
またお母さんとのコミュニケーションからのエピソードなんかも実体験なのでその時のシーンを浮かべやすいようなことだったりします。
一方、お父さんが愛してくれたことの仕事、お金、学校に行かせてくれたことなどは頭で理解をしているものの、自分の目の前で行われていたわけではないので体験的なエピソードではなかったりします。
そして子どもの頃は自分が働いていないので(体験していないので)働くということがどういうことなのか、どんな大変な思いがあるのかなどがリアルではありません。
目の前でその姿を見られるわけでもないので目で見てなにかを感じ取れているものでもありません。
その為、仕事、お金、学校に行かせてくれた(資金面の援助)などの愛情表現は子供にとって頭でわかるものの、リアルに感じにくいものであったりします。実体験のエピソードのように肌で感じたリアルなものでないわけです。
しかし大人になり自分が働くというのを体験することにより、働くというのはどういうことなのか、どんな大変な思いがあるのが実体験としてわかってきます。
その為大人になってお父さんが愛してくれたことを振りかえる時間をとった時にどれだけ大変な思いがあったか、どれだけエネルギーを注いでくれたかを自分の働いた体験と照らし合わせて想像することができ、子供のころより深く愛を感じられたりします。
大人になったからこそより父親の愛をより深く理解し、より深く受け取ることができることがあるわけですね。
しかし、人によっては子供の頃欲しかった父親の責任という形ではなく愛情表現がコミュニケーションを多く取って欲しかったり、スキンシップを取って欲しかったり、しかしそれが満たされなくて寂しい思いを感じたことがある方がいます。辛かったことと思うのです。
それが心のしこりとなって怒り、わだかまり、心理的な距離になってしまったお話も多々聞きます。
子供の頃作った心のしこりですが、大人になって色んな経験をして成長をしたあなただからこそ、お父さんなりの愛情をより深く理解したり、どんな思いがあったか思いをめぐらせ感じてみたり、より深く受け取り直すことでそのしこりを溶かしていけるかもしれないのです。
もし仮にそのしこりを溶かすことができればあなたが楽になりますよね?
あなたがあったかな気持ちになりますよね?
父親の愛情を受け取り直していくということはあなた自身の為にすることなのであります。
もし心のしこりがあったり、お父さんを投影する関係が上手くいかないという方は、あなた自身の為にお父さんの愛情を受け取っていこうということをチャレンジされてみるといいかもしれません。
大人になって色んな経験をして成長をしたあなたならそれができるかもしれませんから。
そして、もし愛情を受け取れたとしたらそれはあなたが成長した証です。
成長した自分を誇ってくださいね。
心のしこりがない方も、お父さんの愛情を受け取ってみること改めてしてみると、大人になったあなたはより深く理解し、より受け取れ、心が愛に包まれるかもしれませんよ。
(完)