自分の子供を愛せないとおっしゃるお母さん、お父さんをカウンセリングすると、決まって尋ねることがあります。それは「自分自身」のこと。
幼い我が子に親は自分自身(それも幼少期の自分)を投影するのです。だから、自分を愛せない分だけ、子どもを愛せない現実が生まれます。
まずは自分を愛せるようになりましょう。自分自身の幼少期と向き合いましょう。
そこから癒しを始めるのです。
子どもを愛せない
子育ては“自分”を見せつけられることが多いものです。
子どもは自分のインナーチャイルドそのものです。
だから、子どもを育てるということは、自分自身を育てることと同義でもあります。
「一緒に成長する」機会なんですね。
だから、自分を愛せないと、子どものことも愛せなくなってしまうのです。
「子どもがかわいいと思えないんです」
「子どもをちゃんと愛せないんです」
そんなご相談を頂くと、私がお聞きするのは決まってご本人のこと。
「あなたは自分のこと、愛せてますか?」という趣旨のことを聞いていくんです。
大抵、その答えは「いいえ」です。
自分のことが嫌いだと、その時点でその自分の元に生まれてきた子どもを不憫に思ってしまうこともあります。
自分自身の外見にコンプレックスがある方は「どうか自分に似ませんように」と思い、少しでも似た部分があると、罪悪感を感じたり、不憫に感じたり、ネガティブに物事を捉えようとします。
同じように自分の性格に嫌悪感を持っていると、子どもにその部分を見たときに、すごく嫌な気持ちがします。
「子どもは親の嫌なところばかり似る」と言う言葉を聞いたこと、ありませんか?
これってすごく親の目線を表した言葉だと思うんですね。
きっと長所で似てるところもあるんですよ。
でも、自分が自分の嫌なところばかりを見ているから、子どものそういう部分に気付くし、見てしまうんです。
これも“投影”です。
子どもに嫌な部分が見えたら、鏡を見てることに気付いてください。
そして、自分自身の中にあるその嫌悪してる部分をどう愛そうか?に意識を変えていきましょう。
なお、パートナーの嫌なところが子どもを通じて見えることがあります。
パートナーもまた自分自身の鏡なんですね。
ここも謙虚に自分自身に意識を向けられたらベストです。
それから、幼い子どもはなかなか親の言うことを聞いてくれません。
そうするとまるで自分を否定されたように感じてしまうこともあるんじゃないでしょうか?
なかなか泣き止まない子どもを抱っこしながら、自分をダメな母親だと思った方も少なくないんじゃないでしょうか?
もし、私が親じゃなきゃ良かったのに、と思ったことのある方も多いかもしれません。
そういう思い(すなわち自己否定や罪悪感)から子どものことを嫌いになってしまう場合もあります。
でも、やっぱり子どもは鏡です。
あなたがあなたのことを愛せずに否定すればするほど、子どもの態度(反抗も含め)から自分が否定されたように感じてしまうのです。
特に同性の子、さらには長子には自分自身を映し出す傾向は強いようです。
(もちろん、2番目、3番目に自分を映し出すケースもあります)
例えば、あなたが女性で、生まれてきた子どもが娘であれば、意識せずとも、その子に自分自身を見やすくなります。
すると、自分が自分を愛せない分、自分の分身・鏡である子どもが愛せなくなるのです。
だから「子どもを愛せない」という感じたら「どう自分を愛してあげようか」という方向に目を向けてください。
“どうしたら自分を愛せますか?”という質問もたくさん頂きます。
その一番シンプルな方法の一つは、今、自分が感じている感情・気持ちをすべてそのまま受け入れてあげること。
うまくできないことも、ネガティブな感情も、嫌な性格も、全部、OK。「今はそれでいい」と言ってあげること。
でも、そういう方法論だけで解決できない場合はやはりより深い問題が隠れているのです。
「子どもを愛せない」→「自分を愛せない」というテーマから、自分自身の幼少期の問題が浮かび上がってくること、少なくないですね。
次回はそんなテーマを扱ってみたいと思います。