「ファザコン」が、恋愛・パートナーシップにどのように影響してゆくのかについてリクエストをいただきました。
心理学で提唱されるところの「エディプス/エレクトラ・コンプレックス」に類するものですが、浮気や離婚などの問題に強く関わってきます。
今回は、ニーズと欲求について、私たちがどのように関わり、手放してゆくことができるのかについてのお話をさせていただきました。
※「ファザコン」とはファーザー・コンプレックス(father complex)を略した和製英語。父親に対する強い愛着や依存心・執着心を持つ子供を意味し、父親に愛着を持つ娘に対して使う。父親以外でも恋人など男性に父親的なものばかりを求めることやそうした女性を「ファザコン」という場合がある。
◎リクエストを頂きました◎
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いわゆるファザコンの女性が、恋愛・結婚するときの問題点についてリクエストします。
パートナーシップに与える影響など、よろしくお願いします。
(一部リクエストを編集させていただきました。)
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リクエストをありがとうございます。
パートナーシップは競争や犠牲という勝ち負けの関係を超えて、共に勝つための新しいやり方を二人で創造していく大変クリエイティブな作業です。
対等さとバランスが必須です。
女性がパートナーに求める条件として、「尊敬できる男性がいい」「自分よりも背の高い人がいい」「収入が多い人がいい」などの声がよくあがるのは、パートナーシップにおける対等性を欠いたリクエストのように聞こえるかもしれませんが、
女性は誰しもファザコンの要素を持っています。
程度は個人差がありますが、男性もマザコンの要素がゼロの方はいないと思います。
心理学の父であるフロイトが提唱した「エディプス/エレクトラ・コンプレックス」は、誰もが引っかかる罠です。
私たちは皆、自分にないと感じているもので自分を満たしたいという欲求を持っていますね。
ただ、欲求がいつまでもパートナーのほうに向いてしまうと、さまざまな問題の原因になってしまいます。
例えば、自分の父親と夫/彼氏を比較して文句ばかり言う妻/彼女であれば、男性側は自信がなくなり、夫/彼氏としての居場所が分からなくなってしまいますね。
何とか妻/彼女のニーズに応えられるよう頑張っているうちに疲れてきて、安らぎを外に求めるようになると、誉めてくれる女性の方に魅力を感じて浮気をしたり、価値を補うために仕事中毒になったりして、問題が深刻化することがあります。
だからといって無理して誉めたり居場所を作ってあげようと頑張ってみても、「自分の本音を押し殺しての努力」となると、妻/彼女側のほうが夫/彼氏に魅力を感じられなくなってしまい、仕事に走って自分を満たそうとしたり、権威やより大きいものを感じさせてくれる男性に魅力を感じて浮気をしてしまい・・お互いの努力の末、お別れということも。
お互いの方向性が異なる場合にお別れすることは有意義な選択になりますが、まだ道の途中なのであれば、ここからチャレンジできることはあります。
まず、問題の根本は『他者への欲求を手放していない』ところにあります。
私たちはとかく自分の外側に価値を見るのですが、それではキリがないのですね。
精神世界には、「自分の内側に全てがあり、内面的なものを外側の世界に投影させて観ているだけである」との考え方があります。
例えば「ファザコン」であれば、お父さんから欲しかった要素を、夫や他の男性にではなく自分自身の中に感じられるようになったとき、誰かから求める必要はなくなるでしょう。
「尊敬できる男性がいいな」というニーズは、自分自身が尊敬されるような人間になっていくことを目指すと決めれば、外側に向いていた意識が徐々に自分に向かい始めるでしょう。それはとても充実した時間になるのではないでしょうか。
また「自分よりも背の高い人がいい」というニーズの場合は、まず背の高さに何を感じているのか見てみましょう。
例えば「大きなものに守られている安心を感じる」というものが背の高さに見えているのであれば、その安心を十分に感じることができれば、背丈は気にならなくなってくるでしょう。
「収入が多い人がいい」というところも同じことが言えます。自分のほうがお金を稼ぐことができるようになればいいのですが、それが遠い道のりのように感じているのならば、お金がたくさんもらえることによって得られる「感覚」は何なのか見てみましょう。
その「感覚」をお金以外のカタチで受け取れるようになっていくことで、この欲求も手放すことが出来ます。
セラピーやイメージで受け取るのもいいですし、パートナーや誰かに気持ちを分かち合って、成長のためのサポートをしてもらうことが大切です。
甘えや逃げの姿勢で欲求を満たすのではなく、自分自身が歩き出せるように手伝ってもらいましょう。
もし私たちが果てのない欲望の道を選べば、自分の価値を下げてしまうだけでなく、失望と虚無に直面するでしょう。
問題が生じたときに常に外側から価値を得ようとするのか?
それとも、自分の内側を磨くことを決意し、サポートを受け取りながら成長していくのか?
その選択権は、私たちにあるのです。
どうにもならない感情に苦しめられる時間はありますね。
疲れたときは、天からの援助を受け取るイメージをしてみましょう。
あなたと天との間に「聖なる関係」があり、この関係性の中にのみ真実と安らぎがあると考えてみましょう。
あの人がどう、世間や世界がどう・・というところからいったんは意識を放して、リラックスして天にすべての苦悩を預けるイメージをしましょう。
大いなる目でみれば、この世で起きていること等、どれもなんてことないのだ・・という包容力に包まれる時間を持ってみましょう。
そしてあなたの「存在」にのみ、意識を集中していましょう。
あなたがすべてなのですから。
あなた自身を大切にすることが、どんな努力にも勝る、何よりの恩恵なのです。
(完)