私たちの脳は過去に起こったすべてのことを記憶していて、必要に応じて取り出しているようです。まるでハードディスクからデータを取り出すかのように。
ということは、あなたが過去に出会った人のことはすべて覚えていて、ただ、それを思い出せない状態が「忘れてる」状態と言えるんですね。
そうすると過去に出会った人によってあなたの人間関係が変わってくる、と言えるのです。
私たちの脳は過去に起こったすべての出来事を詳細に記憶しているそうです。
でも、忘れてることいっぱいありますよね?
そう、その「忘れてる」というのは、データが消去された状態ではなく、意識の外にあるから思い出せないだけなのです。
皆さん、こんな経験ありませんか?
駅でばったり高校時代の友人に会いました。もうウン十年ぶりです。
ふだん、高校時代のことなんてめったに思い出さないのに、「あ、めっちゃ久しぶり~!」って話し始めた途端、記憶が甦って来て「○○先生、覚えてる?学園祭のとき、めっちゃ怒られたよね~」などと思い出話に花が咲いたりしますよね。
ちゃんと記憶はあるんです。それがある刺激(この場合は友人との再会)によって、意識上に記憶が取り出されるわけです。
(まるでハードディスク内に保存されていたデータをパソコンの画面に呼び出すようなものですね)
ということは、普段意識はしないけれど、過去に会った人たちは全部、あなたの記憶の中にある、と言えると思いませんか?
例えば、「初めて会ったのに、そんな気がしない」という出会いをしたことありませんか?
逆に「初対面なのに何か苦手だな」と感じること、ありませんか?
全部が全部そうだとは言い切れませんが、皆さんが誰かと会った時、その人の表情・姿かたち・雰囲気・声のトーンなどから心の中にある、過去に出会った人たちが収められた人物データベースをダダダダーっと検索・照合し、似た雰囲気の人を抽出してくるんですね。
そして、その人があなたと仲良しだった場合、今日初めて出会った人を「なんかいい人」と思い、その人との間にトラブルがあったり、嫌な思いをした人だったりしたならば「なんか苦手な人」と感じるのです。
でも、その人物データベースから抽出されるのは、必ずしもあなたと近い関係にあった人だけではないんですね。
すべての記憶を保有しているわけですから、その抽出された人は「駅で切符を忘れて困っていたときに親切にしてくれた駅員さん」かもしれないし、「コンビニで買い物をしていたときに、店員さんに難癖を付けて困らせていたおばさん」かもしれないのです。
でも、怖いのはそれによって人間関係が変わってしまう、ということなのです。
初めて会ったのに「なんかいい人」と思った人に接するあなたの態度と、逆に「なんか苦手だな」と思った人に接する態度って、変わりますよね?
自分ではそうするつもりはなかったとしても、いい人と思った人には近づきやすいので笑顔も自然と出ます。でも、苦手だな、と感じた人には笑おうと思っても、つい引きつってしまうかもしれません。
その後、それぞれの人との付き合い方がどうなっていくか?は想像に難くないでしょう。
誰を投影しているのか?で人間関係が変わってしまうこともあるのです。
#もちろん、付き合っていくうちに相手の印象が変わることも良くありますよね。それはまた次回お話ししたいと思います。