私はただひとこと、「ほめろ」と答えました
こんにちは 平です。
先日、私どもの古い受講生から久しぶりに相談を受けました。
彼女は33歳。少し前に38歳のエリート研究者とお見合いをして、トントン拍子に話が進み、結婚が決まったとのこと。
ところが、彼が結婚式や新婚旅行の具体的な計画をなかなか進めてくれないことから、「私は彼に嫌われはじめているのかも‥‥」と不安になっているというのです。
彼は研究者としては一流で、年収もかなり高いほうです。しかし、研究ばかりの人生だったことから
女性との縁はほとんどなかったとのことでした。
そして、ようやく、お見合いで彼女とめぐり逢うことができたのですが、チャーミングで、相性もけっこうよいと感じた彼女に一目惚れしたようなのです。
今回の相談を受け、私が彼女にいちばん伝えたいと思ったのは、「彼が仕事でエリートだからといって、男女関係でもエリートであるとはかぎらない」ということでした。
超一流大学の出身で知識は豊富な彼ですが、かといって、対人関係や恋愛についても、なんでもわかっていて、なんでもできるかといえば、それは別のことであるわけです。
私の経験からいえば、こういうタイプの男性ほど、恋愛や女性に対して苦手意識をもっていることが多いようです。とにかく自信がないのです。
ところが、なまじ仕事は達人級であるので、恋愛や女性に関して知識不足だったり、彼女をどう扱っていいのかわからないと思っていたりする自分が許せないと思っていることも多いようです。
それゆえ、女性とは距離をとってきたという研究職の人は少なくないのです。この彼の場合、見た目もカッコいい人だそうなのですが、それほどいい男が38歳まで残っていたということが、女性が苦手だということの証ともいえそうです。
「で、私はなにをすればいいの?」という彼女の問に、私はただひとこと、「ほめろ」と答えました。
私の知っているかぎり、有名人やお金持ち、もしくはなんらかの達人たちは、ある意味、ほめられたいためにその道を極めたといってもいいほどです。ところが、まわりからは「すごいことをして当たり前」と思われやすく、意外とほめられた経験がないのです。
この彼は仕事に関しては十分に評価されているでしょうが、人間として、一人の男性としては自信をもっていないわけですから、その部分を徹底的にほめなさいとコーチしたわけです。
といっても、恥ずかしがり屋タイプの人は、ほめられればほめられるほど、「そんなことないよ」と自己否定をするものです。
それでもほめ続けろとコーチして3カ月、ようやく彼のぶ厚い壁が薄くなり、そして、彼女が出会ったのが、「どのような結婚式をすればいいのか、新婚旅行はどこに行くべきなのか、まったく見当がつかない」という不安と戸惑いをもった彼なのでした。
かつ、彼には「彼女に任せる」という選択肢がまったくなく、「すべて男性である自分がやらねばならない」という思い込みをもっていたこともわかったのです。
その後、彼はなにかあるごとに、彼女に「ほめて」というようになったとか。
どうやら、いまは彼女が彼の精神安定剤のようになっているようです。
とくにエリートと呼ばれる人たちは、なにをやらせてもそれなりに上手にこなしますので、人からは「やって当たり前、できて当たり前」と思われがちです。したがって、こういう人たちほど、ほめられると喜ぶ傾向が強いようです。
世の女性のみなさん、男性をほめてあげるという特技を身につけると、いろいろな意味で人生がうまく流れていくようですよ。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!