お金と豊かさの心理学~その背景にあるもの~

お金と両親(祖父母)との関係性は実はとても深いものがあります。子供時代、お金は親から与えられるものでしたから、その親がお金をどう扱っているか?どんな思いを持っているかはあなたにとって直接お金のイメージとして根付いています。

だから、大人になってお金に対するポジティブなイメージを持とうと頑張っても、その根っこにある幼少期の思い込みがそれを邪魔することも少なくないのです。

ルーツを探ってみる

あなたのお父さん、お母さんはどのようにお金を扱う方でしょうか?
また、幼少期の自宅の財政状態はいかがでしたか?
記憶はないかもしれませんが、特に幼少期の頃の状況に思いを馳せてみると、あなたのお金への感情がどのようにして生まれてきたのかが分かってくることがあります。

皆さんの多くは子供時代、親御さんからお金(物)を与えられたと思います。そうすると、お金は親御さんとセットで感覚を取り込むようになり、親子関係と密接に関係するようになります。

恋愛や仕事の問題がご両親との関係が影響するように、あなたとご両親との関係、ご両親のお金への思いがそのままあなたにコピーされてくるのです。

もし、あなたのお母さんが家計簿を見ながら「ああ、足りない足りない。今月も赤字だわ」とぶつぶつ言っている姿を見続けてきたとすれば、お金というものはよく分からないけれどお母さんを困らせるものであり、足りないものである、という観念があなたの頭に刷り込まれていきます。

そうすると、大人になっても「お金は足りない」という感覚を抱くようになったり、お金がないことですごく困るような気持ちがしたりするんです。

また、「○○買って欲しい!」って子供らしくねだったときに、「お金ないからごめんね」と申し訳なさそうにお母さんが言ったとしたら「何かをねだってはいけない(欲しがってはいけない)」「うちにはお金がないんだ」という思いを持つようになります。

その結果、大人になったあなたは「お金がないことは苦しいことなんだ」と貯金に走るようになったり、「お金がない」というお母さんの状態を再現するかのように収入のほとんどを支出してしまうことになったりするんですね。

また、そこでお母さんを困らせた・・・という罪悪感を持つとすると、あなたはお金に対して罪悪感を抱えるようになり、豊かになること、稼ぐことにブロックがかかります。また、労働の対価としての報酬に対しても罪悪感を持ってしまうので、うまくお金と付き合えなくなるのです。

また、両親がお金のことでケンカしていたとしたら、その影響をあなたは当然受けるようになります。
お金が争いの元になることを知ったとしたら、あなたは争いの元になるお金から距離を置こうとするか、逆に、負けないようにお金をため込んだり、無理に稼いだりするようになるでしょう。

思い当たるところ、ありませんか?

また、「お金持ちなんて汚いのよ」「あれだけお金を稼ぐってことは悪いことをしてるんだわ」「お金がいっぱいあったって幸せとは限らないわ」などの愚痴を聞いていたとしたら、幼いあなたはそんな思いを無条件で飲み込み、その通りの思いを心の中に築いていくのです。

一方、ご両親がとてもお金に対して前向きな関係を築いてくれたとすると、やはり、それが今のあなたに与える影響って大きいんですね。
「お金は豊かさを与えてくれる素晴らしいものよ」と教えられたとしたら、大人になっても収入に関わらず豊かさを感じることができるでしょうし、「お金は夢を実現させてくれる、素敵なパワーをもってるのよ」と楽しそうにお金を使う両親を目撃してきたら、きっとあなたは今も上手なお金の使い方をされていることと思います。

もちろん、中には子供の前でそうした姿を見せない親御さんもいます。それは立派なものなのですが、子供はとても敏感です。
「お金のことで心配をかけたくないから、子供にそんな姿を見せないようにしている」ということもちゃんと分かってしまうのです。
そこでは、お金のことで迷惑をかけないいい子になろうとするあなたがいたかもしれませんね。

特に6歳くらいの物心がつくまでのあなたは、ただそのままの言葉や感情を受け入れますから、それがいいの悪いのなんて判断はできないんですね。
だから、長じて自分のお金を持つ頃にはそういう感情がすでに出来上がっているのです。

また、ご両親との関係に留まりません。ご両親も、そのご両親(あなたの祖父母)からお金に対する影響を受け続けています。

おじいちゃんがお金に対してすごくケチだった、とか、おばあちゃんがすごく厳しかったなど、その影響も見つめていくとより理解が深まります。

一般的に日本はずっと貧しい時代が続きました。
だから、清貧という言葉が尊ばれるくらいですし、我慢や忍耐が当たり前のように求められてきました。
そうすると、お金はないものとなり、お金持ちは汚いと思うことで自分たちを納得させ、お金については、我慢や忍耐が当たり前のようになってきた背景があるのです。

さて、皆さんのケースはいかがでしたか?

もし、ご両親との関係が影響していると気付いたなら、今、それを手放すチャンスです。

「このお母さんから受け取ったお金に関する感情を、お母さんに感謝と共に返します」と言いながら、イメージの力を使ってお母さんにその感情を返してみましょう。(感覚的にやっていただければOKです)

こうした親からの影響はあらゆる場面に通じるものがありますよね。だから、両親を許し、関係性を改善していくことは「お金」というジャンルにおいても非常に重要なことになるのです。
そうして、親から受けたネガティブな影響を取り除いていくことで、よりポジティブな感情をお金に対して持ちやすくなるのです。

さて、次回はそんなお金といい関係を築いていく方法を考えていきたいと思います。

【今日のエクササイズ】

あなたのお父さん、お母さんはどのようにお金を扱う人でしたか?口癖や使い方などを思い出しながら、自分がその影響をどれくらい受けているかを考えてみましょう。

 

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