最近カウンセリングをしていて私が良く思うことは、
なぜ我々日本人は、こんなに自分に厳しいのだろう
ということです。日本人に謙虚な方が多いのはカウンセラーになる前から知っていましたが、もはや、謙虚さを通り越して、
自己否定
になってしまっている方も数多くいらっしゃいます。仕事のご相談でいえば、私から見ると、真面目に仕事を頑張り、職場の周りの人から信頼され、かなり評価されているとしか思えないのに、本人は、自分がダメだから、自分が能力がないから、自分の性格に問題があるからという感じで、とにかく自分を否定しようとしたりします。
ご本人は仕事に関して悩んでいるのは事実ですが、お話しを伺うと、ただ真面目にしっかりと仕事をしているだけ、私から見れば何も問題ない、という方がとても多いのです。
そんな時に、私は、こんなたとえ話を使います。
私:○○さん(クライアントさん)のお住まいの近くに、郵便ポストってありますか?
○○さん:はい、あります。
私:その郵便ポストって、赤いですか?
○○さん:はい、赤いです。
私:その郵便ポストが赤いのは、○○さんが悪いのが原因です。○○さんのせいで、郵便ポストは赤いのです。○○さんが悪いんですよ。
○○:は?
私:もちろん冗談ですよ。○○さんは、郵便ポストを赤のペンキで塗ったことはないですよね。
○○さん:はい、ないです。
私:そうですよね。だから、郵便ポストが赤いのは、○○さんのせいではありません。
私:○○さんが、ご自身を否定しているのって、これと全く同じなんですよ。○○さんは全く悪くないのに、ポストに赤いペンキを塗ったことなんてないのに、ポストが赤いのは私のせいだと言っているようなものなんです。おかしくないですか?
こんな感じで、クライアントさんは悪くない、ダメではないという説明をするのですが、もちろんこれだけで自己否定が解消されることはまずなく、
○○さん:でも、私はやっぱりダメで・・・
という感じになってしまうことが多いです。
でも、私からみれば、本当に、ポストが赤いのは私がダメだからなんです、という変な話しと同じにしか聞こえないことがたくさんあります。
そして、自己否定が強いと、
心理的には「願いが叶う」ため、自分を不幸にするという願いが叶ってしまう
のです。私から見れば全く否定する必要はないのに、自己否定が原因で自らを苦しめている方が良くいらっしゃいます。
一般的には、自分がダメだから、自分に能力がないから、自分に魅力がないから、よって、自分はあまり幸せでない、というふうに思いがちです。でも、私は逆だと思っています。
自分がダメだと思い込んでしまったために、ダメな状況を引き寄せている
としか私には思えないのです。ダメではないのにダメだと勘違いしてしまったことが、ダメと言う結果を連れてきてしまっているという感じです。
ということは、仕事でも恋愛でも、
はじめに、自分がダメだという誤解を解く
ということが重要なのだと思います。
さて、いきなり話しは飛びますが、我が国日本では、賃金や物価が下がり続ける「デフレーション」という状態が20年以上続いています。
統計によると、賃金のピークは1997年(平成9年)ですが、1997年を100だとすると、昨年2016年(平成28年)は、なんと86.4です。つまり、13.6%も賃金が減ってしまっているのです。
年収500万円だった方が、年収432万円になってしまった、という話しです。これは大変なことですよね。
ちなみに、物価が下落しているのだからいいのではないか?と思う方もいるかもしれませんが、物価が下落するということは、企業の売り上げや利益が減るということですから、その企業の従業員の賃金が減ることになります。
従業員の賃金が減ると、その従業員の生活はさらに苦しくなり、安いものしか買わなくなり、安いものしか売れない他の企業の経営が厳しくなります。このように、賃金と物価の下落は連動していて、何か対策をしないと、アリジゴクにハマっていくように落ちていってしまいます。
なお、デフレーションになってしまった原因はハッキリしており、また、デフレーションから脱却する方法も明確に存在するのですが、政策の失敗により、いまだに日本はデフレーションに苦しんでいます。
ただし、私は、ここでは、あえて政治家のせいにはしないようにしたいと思います。これは、私の個人的意見ですが、誰かのせいにしても問題は解決しないと思っています。被害者モードでは、幸せはつかめないと私は思います。これは、仕事でも恋愛でも結婚でもなんでも同じだと私は思います。
ということで、単なるカウンセラーに過ぎない私ですが、、日本がデフレーションから脱却できる方法を考えてみました。そのキーワードは、
「自己否定」
です。
みなさんは、日本はダメ、日本は成長しない、日本は借金大国である、というようなニュースを見たり、聞いたりしたことがないでしょうか。なんとなく、それが常識のように感じていらっしゃる方々も多いと思います。
例えば、日本は、「国の借金1000兆円、国民一人当たり800万円の借金がある」というようなニュースがありますよね。でもこれは、実は、全く問題のないことなのです。
まず単純に考えて、なんで「国民一人当たり」の数字を出さなければならないのでしょうか。みなさんは、800万円も借金していますか?住宅ローンという健全な借金などは問題ないわけですが、赤ちゃんや子供も含めて、1人ずつ800万円も借金しているわけはないですよね。
「国の借金」という言葉も不正確で、正確には「政府の負債」です。「国」という漠然とした言葉を用いると、我が国の国民も入っているような気がしませんか?でも、実際は、国民は国債購入などで政府に貸し付けている「債権者」であり、債務者は「政府」なのです。
ですから、国民一人当たり800万円の借金、ではなく、800万円の債権を持っている、もっと簡単に言えば、
国民一人当たり800万円の貯金を持っている
という、全く問題のない話しなのです。
もう一つ具体的な事例を出したいと思います。
我が国は、外国からお金を借りています。その額は、なんと500兆円です。ものすごい金額ですよね。
しかし、一方で、我が国は、外国にお金を貸しています。その額は、なんと、820兆円です。820-500=320で、少し難しい言葉ですが、我が国の対外純資産は320兆円です。
320兆円の対外純資産は、ダントツの世界一です!
我が国日本は、世界一のお金持ち国家なのです。
ちなみに、世界一の借金大国(外国からの借り入れが多い国)はどこでしょうか。なんと、世界一の借金大国はアメリカ合衆国で、対外純負債は、なんと886兆円です。
でも、アメリカが破たんする!という話しはほとんど聞かないですよね。
実は、アメリカも破たんすることはないのですが、その理由の説明はさすがにここではできないので、興味がある方はインターネットで調べていただきたいのですが、いずれにしても、世界一のお金持ち国家である日本が財政破たんする確率は、実は、ゼロなのです。
つまり、日本には財政問題なんて存在しないのです。実は、これは、さきほどの変なたとえ話である、「赤い郵便ポスト」の話しと全く同じなのです。日本はダメではないのです。
我々日本人の多くが、日本はダメではない、つまり「自己否定」する必要はない、と思えたとき、私は、我が国はデフレーションから脱却できるのではないかと本当に思っています。
そして、今この記事を読んで下さったあなたも、ダメではありません。みなさん全員ダメではないのです。以前から、ダメではなかったのです。