夫が育児に非協力的なのに批判ばかり

相談者名
きのこ
34歳専業主婦です。子供が2人(2歳、0歳7ヶ月)がいます。
私の母も専業主婦で、過干渉で、私はいつも母の好みに合わせ、顔色をうかがって育ちました。「お姉ちゃんだから」と我慢し、なんでも「できて当たり前」、褒められもせずプレッシャーばかり感じて、子供らしく自分の気持ちを言うことができませんでした。
自分の子供にはそんな気持ちを味合わせたくない、と、こちらの心理学講座を見たり、育児書を読んだりして必死に子育てしてきました。
夫は全く協力してくれず、そればかりか私のやり方が悪いとか甘やかしている等、批判ばかりしてきます。
ふと、今の私は夫や子供に合わせて、私が嫌いだったこと(料理、子供、田舎暮らし)ばかりに囲まれている、と気づきました。夫が嫌いだからという理由で、私が好きな辛い料理すら食べることができないのです。今の自分は本当の自分なのだろうか、なぜこんなことになってしまったのか、結婚したことや過去のすべての行動を思い返しては後悔し、気分が落ち込みます。
最近は何かを考えることも嫌になって、なにもかも投げ出したい気持ちになり、イライラして夫や子供にきつくあたってしまいます。
どうすればこの状況から抜け出せるのでしょうか。今の生活を好きになることはできるのでしょうか。
カウンセラー
三島桃子
きのこさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよ
ろしくお願いいたします。ご相談を読ませていただいて、きのこさんは子どもの時からずっとがんばり通しなの
かもしれない、よくがんばってこられたな、と思いました。がんばらざるを得ない事
情があったのだと思います。今すごく行き詰った感じがしているかもしれませんが、
大丈夫ですよ。行き詰るというのは、今までの生き方の使用期限がきて、新しい生き
方を見つける時期ですよ、というお知らせのようなものですから。

今までの生き方も悪いわけではないのです。今までは今まででOKです。今までのこ
とは、これからの人生のためのヒントをたくさん与えてくれますし、すべてのことが
きのこさんの人生を豊かにする糧になりますよ。

では、これからの新しい生き方を見つけるためにはどこから手をつけたらいいので
しょうか。きのこさんはご自分の子ども時代のことを、

>私の母も専業主婦で、過干渉で、私はいつも母の好みに
>合わせ、顔色をうかがって育ちました。「お姉ちゃんだか
>ら」と我慢し、なんでも「できて当たり前」、褒められも
>せずプレッシャーばかり感じて、子供らしく自分の気持ち
>を言うことができませんでした。

と書いてくださっています。きのこさんのお母さんにもいろいろな思いがあって、過
干渉になってしまったのでしょうね。そして子どもの頃のきのこさんは、心のどこか
でお母さんの切実な気持ちを感じていて、お母さんに合わせてあげたのだと思いま
す。

そして、その時のやり方がパターンになってしまって、今の生き方に反映している部
分があるのではないでしょうか。「お姉ちゃんだから」が、「お母さんだから」「奥
さんだから」になり、「何でもちゃんとできて当たり前、少しでもできなかったら減
点で、赤点で、母として妻として不合格だ」というような感覚がないでしょうか。

こういう感覚で自分を見ていると、自分はいつも不合格のような気がしてしまいま
す。毎日毎日「不合格」を自分につきつけているとしたら(無意識に、ですが)、心
は段々余裕をなくし、疲れ切ってしまいます。

そして、心の不思議なところなんですが、無意識にであっても自分に不合格をつきつ
け、つまりは自分を批判していると、なぜか周りにいる人からも「おまえは不合格
だ」と言われ、批判されているような気がしてくるのです。これを「投影」といいま
す。

ご主人に対してもこの「投影」が起こっていて、批判されているように強く感じてし
まうのかもしれません。実際に批判めいたことはあるのかもしれませんが、自分が自
分を批判していなければ、人に批判されてもあまり気になりません。「この人はそう
考えるんだ、私の考えとは違うのね」というぐらいで流すことができたりします。

とはいえ、

>夫は全く協力してくれず、そればかりか私のやり方が
>悪いとか甘やかしている等、批判ばかりしてきます。

と感じてつらくなってしまうきのこさんのお気持ちは、私自身も同じような経験があ
りますので、よくわかります。ものすごく腹が立ったりしますよね。そしてご主人が
敵のように見えてしまう時さえあるかもしれませんが、ただ、実際には、ご主人には
ご主人の気持ちがあるだけで、その気持ちが見えてくると、敵ではなく、やっぱり味
方なんだということに気がつくことができると思います。

>自分の子供にはそんな気持ちを味合わせたくない、と、
>こちらの心理学講座を見たり、育児書を読んだりして
>必死に子育てしてきました。

というきのこさんの様子からは、お子さんを思う気持ちをひしひしと感じます。そし
て同時に、きのこさんの「怖れ」の気持ちも強く感じます。人は「怖れ」を感じる
と、「こうしないといけない、こうしないといい結果が出ないんだ」という思いで行
動してしまうものです。そうすると、そこには「コントロール」が生まれます。

「コントロール」とは、自分の思い通りにしようとする心理です。コントロールがあ
ると、「こうでないといけない」と、自分も周りの人も自分の思い通りにしようとし
てしまいます。(きのこさんのお母さんの過干渉も、こういったコントロールの一種
だと思われます。お母さんにも何か「怖れ」があったのかもしれませんね。)

さて、奥さんが(悪気はないものの)コントロールが強い状態になっていると、ご主
人としてはちょっとしんどい状態になるのが普通です。そしてついついあまり協力的
でない態度になってしまう、というのはよくあることです。

ご主人が本当に言いたいことは、「おまえしんどそうだぞ、このままでいいのか?や
り方なんかどうでもいいし、子育てで失敗があってもいいから、オレはおまえの笑顔
が見たいなあ」ということかもしれません。

でもこんなこと、人間なかなか器用には言えませんから、「不機嫌な態度」になって
しまう人が多いものです。

こういった状態を解消するには、根本解決としてはカウンセリングなどで、子どもの
時のご自分の置かれた状況などを丁寧に振り返っていって、ご自分の心の傷を癒して
いくことが大切かなと思います。

また、日常生活の中ですぐにできることとしては、「お母さんだから、奥さんだか
ら、~しないといけない」という、自分に対するコントロールを少しずつ緩めていく
ことがあると思います。

お子さんに接する時、当面は心理学などのことは考えず、ただ自然にできることをす
るだけでいいと思います。子どもにきつくなってしまうこともあるかもしれません
が、今はそれでもいいんですよ。どうしても気になるようなら、落ち着いてから
「さっきはお母さんきつくなってごめんね」とフォローしておいてあげればいいです
よ。

ご主人とのことでは、そうですね、まずは辛い料理、食べてみませんか?ご主人と一
緒の食事の時はダメでも、ご主人のいない時などだったら大丈夫なのではないでしょ
うか。こっそりでもいいと思います。ご自分に辛いものを食べることを許してあげて
みてください。

ご自分に対するコントロールが減ってくると、今の生活も今よりはラクになると思い
ます。

きのこさんを応援していますね。ご相談ありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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