相談者名 | 静 |
はじめまして。私は教職に就いています。30代女性です。 幼少期からやっているスポーツに携わり、顧問をすることができていますが、その部内で指導をうまくできず、子どもたちにうまく接することができず、何かと怒り倒すことで伝える負の連鎖状態です。 自分の気持ちや感情をコントロールできていない自分に悩みを持っています。 私は完璧主義の傾向が強く、やらないと気が済まない部分が弱点です。物事に対して、自分が持っている以上の力を出そうとし過ぎるため、潰れてしまう傾向があります。 中学時代から交友関係を築くことが苦手になり、高校・大学と過ごす中で、いつか親友に巡り会えるはずだと言い聞かせ、同時に自分も変わろうと必死でした。しかし、変わりきれれず、人を信じるということができていない自分もいます。誰にもわかってもらえない・・・んだろう・・・と諦めモードです。 些細なことが気になります。小さいことが気になって気になって仕方なくなります。人からの目、言動、気になります。気が狂いそうになります。 自己分析で、本当にダメなのは自分であって、そんな自分を自分が許せません。 ただただ、子どもたちに素直に接したい。自分を自分で首を締めないようにするため、問題を起こさないようにするためにも、周囲に迷惑をかけないようにするためにも、必要なことってなんでしょうか? 仕事は好きで、楽しいです。続けたいと思っていますが、同じことを繰り返してしまうのではないかと大きな不安も抱えています。 生徒との関係構築、教職員との関係構築を大切にするために、築き上げるために必要なことはなんでしょうか? 少しでも成長して、変わりたいと思うので、アドバイスを頂きたいです。 | |
カウンセラー | 浅野寿和 |
静さん、はじめまして。このたびは無料相談コーナーをご利用いただきありがとうございます。 今回担当させていただく、カウンセラーの浅野寿和と申します。よろしくお願いします。ご相談拝見しました。 静さんが毎日奮闘しながらもお悩みになっている姿が思い浮かぶようでした。 僕も個人的に教員免許を取り教員を目指した経験がありますので、静さんのように現場で頑張っておられる教員の皆さんのことは本当に尊敬しますし、教育者としてのお悩みは確かに深刻になるものかもしれないな、と思っております。 さて、今回のご相談は私達の心理学で言う「コントロール」や「自己嫌悪」にまつわるお話のように僕は感じます。 ■まず私達の心理学でいうコントロールとは、「相手を良かれと思いつい自分の思い通りにしてしまう」という心の動きだと思っていただければと思います。つまり、静さんとしては善意であり指導であることが、うまく相手に伝わらずコミュニケーションが円滑にならないということ。 こういった状況には「怒り」が伴いがちですね。ただ怒りの大原則として、私達は、自分に対して怒りを向けていないと、人に怒りを向けることはないと考えているんです。 ということは、静さんが、ご自分に対して厳しい視点をもっておられるのかもしれません。 >中学時代から交友関係を築くことが苦手になり、高校・大学と過ごす中で、いつか親友に巡り会えるはずだと言い聞かせ、同時に自分も変わろうと必死でした。 この部分の記述は、静さんが「自分を相手にうまく伝える」という意味で、とても大変な思いをされた時期の事を示していると同時に、思春期特有の心のあり方の影響で、交友関係を築くことが苦手になったと考えられる記述としても捉えることができます。 特に中高生時代の私達は思春期真っ只中。この時期に私達は心も体も大人へ変化する時期で、セクシャルエネルギーを感じ始めるわけですが、この頃、私達の「自己嫌悪」のエネルギーはとても高まるんです。 すると、この自己嫌悪の中で交友関係を築くことが苦手になってしまわれる方も確かにいらっしゃいます。 >しかし、変わりきれれず、人を信じるということができていない自分もいます。誰にもわかってもらえない・・・んだろう・・・と諦めモードです。 そう考えると、静さんが人を信じること、誰にも分かってもらえないだろう・・・と感じることは仰るとおりかもしれないですね。 もちろんそう感じるだけであって、すなわちあなたが劣っているわけでは決してないのですが、どこか自分がダメ、劣っているという「感情・感覚」が強くあり、一人で悩み考えこむと、それが「正しい」と私達は感じることがあるんです。 そうなると、なかなか人に対して近づけない、自分の気持ちや内面で考えていることを分かち合えない、といった感覚を持つことがあるんですね。 特に教職というお仕事の中では、思春期のお子さんと向き合う方もいらっしゃいます。するとあなたの過去の自分を生徒さんに無意識に心の中で写しだしてしまいうこともあるわけです。 もし仮にあなたの目の前で、かつてのあなたができなかったと感じていること・・・「自分をうまく表現する」「交友関係がある」といった生徒さんは、あなたにとっての心の影(シャドー)を担ってしまうことも不思議ではなく、あなたがかつて禁止してきたことを目の前でしている生徒さんに対して怒りが出てくる、という事も考えられなくはありません。 ■そう考えると、僕は静さんご自身がどれだけ「ご自分の過去から、自分に価値を見出しているか?」という部分が気になるのですね。 完璧主義や対人関係への不安などから、自分を隠したり演じたり、どこか「理想的な教師像、自分像」を作り「こうあるべき思考」を持てば持つだけ、やっぱりいろんな事が気になりますし、敏感にもなります。 あなたの理想はあくまで理想的イメージであり、実はこういった状態で私達は「今の自分」と「理想」をいつも比較して自己否定していることが多く、だからこそ心が怖れが強まり、緊張状態になっていくとも考えれます。 そうではない方向性・・・もっと静さんが自分に優しく、自分を評価し、周囲からも評価されている事を感じることが求められているのではないでしょうか? これがご相談の中にある >生徒との関係構築、教職員との関係構築を大切にするために、築き上げるために必要なことはなんでしょうか? というご質問に対する僕の答えです。 まずはゆっくり時間を取って、自分の心の休息時間をとってみてください。 また、あながは好きなことをすると、あなたの好きという感覚に人の心は共鳴します。 どこかご自分に厳しすぎる人ほど、どこか人に脅威をという印象を与えますから、それがどれだけ相手を思って行動していることでも、何故か人があなたに反発してしまうことがありますね。 が、多くの方は自分に厳しいということを自覚していないのです。逆に自己嫌悪や力の無さ、不十分さを感じていることがとても多いんですよね。 ということで、実は静さんがいつから、どういった動機でご自分にここまで厳しい目を向け始めたのか?を見つめていくことはとても有効で、カウンセリングなどではよく使われる手法でもありますね。このあたり、もしご興味がおありでしたら私達カウンセラーと話してみてくださいね。 最後に、そもそも学生時代の私達って、優しい先生が好きでしたよね。厳しくとも優しい目で見つめてくれる先生。 もしかすると、生徒さんも静さんにそういったイメージを求めたり、持っていたりするのかもしれません。仕事が好きだとおっしゃってくださっているわけですから、そういった印象を周囲が持たれていても不思議ではないですよね。 でも、それ、ご自分を責めれば責めるほど自分が人から肯定的に見られていると感じられなくなります。 静さんがいつも頑張っているからだけではなく、そもそも静さん自身が素晴らしい。 以上、参考にしていただければ幸いです。 |