とっさに失敗を選択してしまう。

相談者名
ロールパンナちゃん
私は仕事をしているとき、とっさに失敗に結びつく行動をしてしまうことがあります。
例えば確認をすればいいと分かっているのにしなかったり、優先する仕事が分かっているのに別のほうをやり始めたり。私は昔からドジで失敗も多いのですが、「また失敗するほうを選んだな」と自覚するようになったのは働き始めて5年目あたりからです。

ミスをしたときはひどく後悔して、長く落ち込みます。
「また間違った選択をしてしまったらどうしよう」と自分が信用できない状態です。

この癖を治すにはどうすればいいでしょうか?

カウンセラー
大谷常緑
ロールパンナちゃんさん
こんにちは。初めまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。先ずは、私達の意識についてお話をさせていただきたいと思います。
私達の意識は、大別すると、顕在意識と無意識から成り立っています。
顕在意識は、私達が普段意識できるもので、頭で考える事ができる意識です。
一方、無意識は頭で考えても分からない意識です。
例えば、頭で「こうしたい」と思ってもなかなかそうできない時は、無意識が何らかの形で抵抗をしているのですね。
そして、この無意識は顕在意識よりとても力が強いのです。
一説によると、顕在意識は意識の僅か4~12%しかなく、残りが無意識と言われています。
私達がこうしたいと顕在意識で考えても、強力な無意識がそう思っていないとしたら、顕在意識通りに物事は進まないのですね。

さて、ロールパンナちゃんさんは、”「また失敗するほうを選んだな」と自覚するようになった”との事ですので、どうやらご自分の無意識の意図を察知されたのではないかと思います。
そうだとすれば、問題は半分は片づいた事になります。
多くの場合、この無意識に気がつかないまま支配されて、翻弄され続けるのですから。

さて、ではこのロールパンナちゃんさんの無意識はどうして失敗を選択させるのでしょうか?

実は、私達は何かに怖れを抱いている時にのみ、自分自身の前進を阻むのです。
ロールパンナちゃんさんが失敗を選択するのは、ロールパンナちゃんさんが失敗を選択しなくなって得る状況や気持ちが何らかの「怖れ」に繋がっている事になります。
「どうして?私は失敗を選択したくないのに・・・」と違和感を感じられるかも知れません。しかしそれは、顕在意識での事、今、頭で考えている事であり、無意識で怖れている事とは異なるのです。

この怖れが何かは、ロールパンナちゃんさんがご自身の感覚で、ご自身の無意識に繋がっていくことでその原因がわかるようになります。そしてその怖れている事(原因)を「真実はそうではない」と納得されたときに、失敗を選択する癖は消え失せてしまいます。

その方法は、先ず、「私が失敗を選択しないと、どんな事が起こるのだろう?」と考え、そして出てきた答えに対して、「そうするとどうなるのか?」「どうしてそれを怖れているのか?」と繰り返しながらどんどん心の中に入っていく事です。ただし、あでもない、こうでもないと深く考えるのではなく、概ね5秒以内に答えをみつけるような、ご自身の直感を利用する形で進めてください。
ただ、心には抵抗も生じますので、私どものカウンセラーとともに進んでいかれる事をお奨めします。

私の経験から言えば、これが全てではありませんが心の深い部分で次のような自己概念を感じる事への怖れが潜んでいる事がありますので、ご参考になさってください。
「私は愛されない存在」「私は変わっている」「私は悪い」「私は何もできない」「私は不完全」
そして、この怖れに、ロールパンナちゃんさんの怒りが伴っている事がとてもよくあります。
怒りが出てきた場合は、怒りも感情の一つですので、怖がらずに感じてみてください(念のため、怒りを感じる事と怒りをぶつける事は別です)。逃げるのではなく、感じる事でどんな感情は溶けていきます。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。