無能な上司にイライラせず、才能を生かすには

相談者名
くるみ
どこの職場でも同じだと思うのですが、仕事ができないバカな人を見ると、とてもイライラします。特に自分より上の立場の人が無能だと、「なんでそんなこともできないんですか」「それぐらいのことはできて当然ですよね」と直接言うこともあるし、そういう態度で接してしまいます。
相手も私より能力が劣るという自覚はあるらしく、他の人(気の弱そうな人)には偉そうに物を言うが、私にはそういうことを一切言わないという事象を、よく同僚から聞かされます。つまり、私は上の立場の人にとってある種の脅威になっているようです。しかしわたしは、そんな特別扱いは望んでいません。上司が職務に応じた内容の仕事をしてくれないと、業務全体の流れが滞るので、それを改善していほしいと言っているだけです。
わたしの才能として、「物事の本質を見抜いて、それを的確な言葉で説明することができる」「信頼できる、説得力がある」があるようです。なので、この才能を職場で活かして、業務が円滑に進むようになれば、わたしもみんなもラクになるだろうと思っているのですが、うまくいきません。いえ、業務はうまく流れますが、私には徒労感と犠牲感が残ります。「私は馬鹿上司のお守りと尻拭いをしているだけ」という虚しさや苛立ちがつのります。「私がこれをしないと何も進まないのか、何もできないのか、甘えるのもいい加減にしろ」と腹が立ちます。
かと言って、無視して放置していると本当に何もできない人たちなので、結局シワ寄せが私の所に来ます。それが嫌で手出し口出ししているうちに、立場と影響力の逆転現象が起こります。「ここは○○するのが適切だと思いますので、こうしますね」という形式的な許可は必ず取りますが、まるで私が傀儡上司を操っているような感じです。
上司の面目を潰す意図は無いし、権力がほしいわけでもないのです。自分の才能をシェアして、私もみんなもラクに仕事ができるような方法はないでしょうか。
カウンセラー
赤松わこ
くるみさん初めまして、ご相談ありがとうございます。
担当させて頂きます、赤松わこと申します。
どうぞよろしくお願いします。ご相談を読ませて頂いて、まず!お仕事に対する思いが
「半端ではないなぁ」と、迫力に圧倒されました。
くるみさんは今のお仕事が、「一生の仕事」と言えるような、
プライドややり甲斐を持っておられるのかなぁ?と
感じたのですが、どうですか?

なぜこんな風に感じたと言うと、人は自分が大切にしている
物や事柄を、「他の人がいい加減に扱うととても腹が立つ」
と言う習性(と言うとチョッと変ですが、)があるんです。

例えばくるみさんが、ずっとやりたいと思い続けていた仕事に、
つけたとします。そうすると自分にとっては、今のお仕事は、
自分とイコールと言っていい位に、大切なものになりますから、
それを粗末に扱われると、自分まで粗末に扱われているように
感じて、腹が立ったりするんですね。

「なりたかった」「やりたかった」と言う、特別な仕事でなくても、
くるみさんにとって「仕事をする」と言うこと自体が、単純にお金を
稼ぐためや生活のためではなく、自己表現や自己価値そのものを表す
場合も、同様の反応になると思います。

つまり「仕事は一生懸命やって当たり前」「手を抜くなんて問題外」
と考えておられたとしたら、真面目にやらない、能力が発揮できない
と言った人は、「全く企業人として考えられない存在」としか、目に
映らないし、極端な言い方をすると、「無能な人間は職場に必要ない」
と言った見方になってしまうんですね。

それは取りも直さず、ご本人が仕事に対して、「絶対手を抜かない」
「能力を最大限に発揮するのが当然」と言う、厳しい職業意識を持って、
それを実行されているからなんです。つまり『出来る人』だからです。

>仕事ができないバカな人を見ると、とてもイライラします。
特に自分より上の立場の人が無能だと、「なんでそんなことも
できないんですか」「それぐらいのことはできて当然ですよね」と
直接言うこともあるし、そういう態度で接してしまいます。

↑この部分からは、そんな雰囲気が伝わって来る訳です。
一生懸命頑張る人からしたら、「仕事が出来ない」と言うのは、
許せないことなのでしょうね。

>「私は馬鹿上司のお守りと尻拭いをしているだけ」という虚しさや
苛立ちがつのります。「私がこれをしないと何も進まないのか、何も
できないのか、甘えるのもいい加減にしろ」と腹が立ちます。

その上何とか業務を円滑に進めようと、虚しさ苛立ち、腹立たしさを
抑えながら、お仕事をされていたらホトホト疲れてしまうでしょうね。

くるみさんのようなケースは、【権威との葛藤】と言いますが、権威
(お話の中では会社の上司です)に対して、頼りなさ・信頼感の欠如から、
見下したり評価できないと思ってしまって、常に相手を受け入れられず、
どうしても鬱憤が溜まってイライラしてしまうんです。

職場の上司のお悩みとしてご相談頂きましたが、くるみさんの心の中では、
ご両親(どちらかと言えばお父さん)との関係が、ここで根本的な問題に
なってきます。

あなたから見た、どうしようもない「バカな上司」と言うのは、【親】を
映し出している姿(心理学では『投影』と言います)であって、
あなたにとって、目上の人間は「出来て当たり前」であって欲しい訳です。
ダメな人間であって欲しくない訳です。

それはくるみさんが、【親】にそう願ってきた、そうであって欲しかった、
それなのに思いが叶わなかった。ずっとそんな思いを持ち続けている。
そう言う無意識の思いが未だにずっとあるからこそ、社会に出られてからは、
【親】ではなく、目上の人間に対して「ダメな人間は受け入れられない」、
と言った過剰な反応として、出てきているのではないか?
と言うことなんですね。心当たりはあるでしょうか?

【親】が頼りにならなかった、当てに出来なかった子供はどうなるか?
甘えることが出来ず、人よりも早く自立していきます。当然人を頼らず、
自力で頑張るようになるので、能力は発揮できる人になると思いますが、
弱音も吐かないし愚痴もほとんど言わない(したくでも出来ないんです)、
そんなガチガチの超自立型になってしまいます。

表面的には、バリバリ仕事をこなし、自分の意見はキチンと言える。
企業人としては願ってもない、働き手になるのですが。
その内面は、誰にも心を許せず常に孤独感を感じ、繊細で傷つきやすい
自分を、誰かに分って欲しいと思いながら、素直に表には出せない、
そんな両極端の面を持つ、性格が形成されてしまうんです。

そう言ったプロセスになりやすいと言うことであって、
くるみさんのケースが、全て当てはまっているとは限りませんが、
ただ心理学では会社での上司との関係と言うのは、イコール
【過去の未解決で残っている両親との関係を、そのまま
大人になって繰り返してしまう。】ことが分っているので、
私としては、このお悩みを解決するには、根本の部分に目を向けて
頂くことが、必要なのではないかな?と、お伝えしたいんですね。

>自分の才能をシェアして、私もみんなもラクに仕事ができるような
方法はないでしょうか。

ご自身のためにもみんなのためにも、才能を遺憾なく発揮するためには、
根本を見ることは、避けては通れない問題だろうと思います。
くるみさんご自身の心の中の、【本質】を見抜いて頂けたらと思います。

自分に対する信頼も、他人対する信頼も、仕事をしていく上では、
なくてはならない大切なものだと、私も思っています。
いかに個が確立されていても、信頼関係が築けない間では、仕事は
円滑には進まないのではないでしょうか?
くるみさんの才能が、もっともっと発揮できるのに、「今のままでは、
もったいないなぁ」と私は思うんですね。

これまでは何でも、ご自分1人でやってこられたかと思いますが、
今回のご相談をきっかけに、『人に頼る』ことも考えてみて頂けたら、
今の能力に、更に『自分の弱さを認める』を、加えて頂くことが出来る
と思います。
自分の弱さが認められると、『他人の弱さ』を受け入れることも出来ます。

ご自身を楽にしてあげる為に、更に能力を遺憾なく発揮するために、
1度じっくりと、ご自身と向き合って見られてはいかがでしょう?
カウンセリングサービスでは、電話でのご相談(初回は無料です)も承って
おりますので、私達カウンセラーにサポートさせて頂けたら嬉しいです。
この回答が、少しでもお役に立てば幸いです。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。