つまらない毎日・・・

「あんなには好きになれない」

りささんはとっても好きだった彼との失恋を経て、ステップを一つ上がりま
した。りささんと元彼がこの恋を通して手に入れたものがいくつかあると思う
のですが、そのうちとても大きな一つは「好きでない人と付き合うことは相手
を傷つけてしまう」と言うこと。好きな人とうまくやっていく努力はしんどいこと
があっても前向きでいられますが、好きになる努力はつらいですよね。好き
な人や好きな事のためならがんばれますもんね。だけど、自分を好いてくれ
ているそんなに好きじゃない人を好きになる、と言うことは「苦手な教科の点
数を３0点上げる」くらいの感じになって、努力をしても限界があるように感じ
てしまいます。これが得意な教科だとどうでしょう。好きだから勉強をするの
は苦にならないし、人によってはこれ以上上げられない位の高得点だったり
すると思うのです。これが好きな人と付き合っているときの状態です。得意
なこと、好きな事をするのは苦にならないので頑張れますから、努力をして
いる感じにもならないんじゃないかな？

彼から本当の気持ちを聞かされても自分の気持ちに向き合った結果、もう
彼とは付き合わない、と決めたと言うことですが、この「相手にあわすので
はなく自分の思いを一番大切にした」と言うことを通してりささんは「選ぶ」と
ことができました。これはすばらしい事です、なかなかできないこともあるので
す。だってつい思っちゃうでしょ？彼に悪いな、とかね。もちろん嬉しい！と
言うのもあるのですが、好きになってくれた相手とお付き合いをしていたと
きにもあなたは頑張りましたよね、好きになろうとして。でもそれはとっても
しんどい上にうまくいかなかった。

こういった経験は成長していく過程でとても大切です。これから進路を選ん
だり結婚相手を選ぶと言うことがりささんに訪れると思いますが、自分の思っ
た通りに生きる、と言うことを上手に選んでいくことができそうですね。

さて、話しを少し違う方向から見てみましょうね。

2年生の時、あんなに楽しかったのになぜ3年生の今こんなにつまらな
いの？と言うことですが、一般的には2年生と3年生では気持ちも違って
きますよね。そう、間近に進路が迫るからです。さらに3年生になると頑張っ
てきた部活動も夏休みごろには大会が終わり、文化部であれば多くは秋に
開催される文化祭が最後のステージになりますね。今まで目標にしてきた事
の多くが終局を迎えます。人によっては、目標が見えない感じがするか、や
り終えたのでもう頑張れない、と感じることもあるかもしれませんね。そして
出てくる感覚は「あんなには頑張れない、楽しめない」かもしれません。

これは、りささんが成長した証です。いつまでも今のままでいたい、と言う
気持ちと、早く大人になっていろんなことをしたい、と言う気持ちの両方があ
るのではないでしょうか。でもりささんは心の中のどこかで感じている気がし
ます。いつまでもここにいる事はできない、と。そう、卒業の準備をしている
のではないかしら。

これから色んな場所・場面で同じことに何度も出遭うかもしれませんが、
「今」は本当に「今、ここ」にしかありません。そしてこれからもいつも同じで
す。その時その時の「今・ここにいる自分」を、生きているんだ、と心の中の
どこかに憶えていてほしいな、と思います。