ちゃんと目を見て話しなさい。
子どもの頃、そんな風に叱られたという経験のある方も多いのではないでしょうか。アイコンタクトというのは、時としてただ「見る」ということだけでなく、対人関係においてとても重要な役割を担うことがあります。
それだけに、目を見て話せない!ということは良好なコミュニケーションを図る上で大きな障害となることも。そんな切実なご相談に、自身も人見知りで目を見て話すことが苦手だった秋葉カウンセラーが答えます。
◎リクエストを頂きました◎
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目を見て話をするのが苦手という人は多いと思うのですが私の場合は顔を全く見ることが出来ないので目を見ることができないと言う人によくされるアドバイス、眉間を見る、鼻を見る、口元を見る、ネクタイを見る、もダメです。
顔が視界に入るだけで抵抗を感じます。
人と会話をする時は常に他事をやって自分の手元や画面を見ていてどうしても面と向かって話をしなくてはならない際には一瞬相手の顔を見て、でも耐えられず次の瞬間目をそらすと言った具合です。。。
会話自体に苦手感はなく自他共に認めるおしゃべりです。自分から話しかける事も多いのですが相手の顔は見られません。
唯一顔を見て話をできるのが夫と子どもで親友や自分の親でさえ顔を見て話をできません。
職場では仕事が忙しい振りをして乗り切ってきましたが今後は保護者同士の付き合いもあるのでなんとかしたいと考えているのですがなんとかなるでしょうか。。。?
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■見つめていたい
「見つめていたい」
ラブソングの歌詞に出てきそうな甘い言葉ですが、相手の目をみつめるということに抵抗感や恥ずかしさを感じるという方は少なくありません。
ちゃんと目をみて話しなさい。
子どものころ、そんな風に叱られた経験のある方もいらっしゃるでしょう。
一方、電車の中など公共の場では、人の顔をジロジロ見ちゃいけません。と注意されたり、目が合ったことで「ガンをつけた!」なんて思わぬトラブルに巻き込まれるということもあります。
見つめることが礼儀になったり、反面失礼になったり。
″アイコンタクト″というのは、対人関係にとって時折重要な役割を果たすようです。
それは「注目する」という表現にも表れているように、「見ること」が興味や関心の心情を象徴していると考えられているからかもしれません。
相手の目を見て話す(聞く)ということは、「あなたの言葉に注意を払っていますよ」「あなたのことを尊重していますよ」、というボディアクションであり、好意や敬意を伝えることでもあります。いっぽう、目を見て話せない(聞けない)ということは時として「私の話に興味がないのかな?」、「なんだか集中して聞いてもらえてないな」という印象を話相手に与えてしまうこともあるから要注意です。
■つながるのが怖い?
当たり前のことですが、「目」は見るということを担った器官です。ところが、私たちはその目を使ってただ見るというだけでなく、様々な気持ちや想いを伝えたり受け取ったりしています。前章でお話をした、興味や関心もそのひとつ。目を見ることで私たちは、「あなたに興味がありますよ」と伝え、その目を見つめ返すことで「わかっていますよ、ありがとう」と返礼をします。
アイコンタクトは、自分と他者とのつながりを確認するためにも使われます。
目を見て話せない聞けないというとき、私たちは話し相手とつながることになぜか抵抗感を抱いているのかもしれません。
ただ恥ずかしいだけなのかもしれないし、つながりを拒絶されそうで怖いのかもしれません。
もし今、あなたと話相手との間に心理的な隔たりがあるとしたら、それはどんな隔たりなのでしょうか?
■心を開くレッスン
親や家族から心理的に拒絶された経験のある子どもは、容易に他者との間につながりをつくることを避ける場合があります。つながることと、拒絶の痛みとがセットになっているため、つながりを求めることそのものをやめてしまうのです。
私たちにとって、他者とつながる、つながりを感じるということは安心感や信頼感を感じるものであると同時に、それを失ったり拒絶されたりすることを思いやると、とても怖いものでもあるのかもしれません。
目を見て話せない、聞けない。
さらには、顔を見て話すことにも抵抗感を感じるというとき、そこにはとっても強い怖れが隠れているのかもしれません。
そうした怖れを抱いたまま、がんばって話をしようとすると、時に一方通行な話し方になってしまったり、本当に伝えたいことがなかなか伝わらないで苦労をしたりということにもなりかねません。
そんな時は、怖さや抵抗感を無理やり乗り越えていくのではなく、ちょっとづつ話相手に向けて心を開いていくということが大切。
心を開くレッスンを始めてみましょう。
まずはじめの一歩は、話をする相手に興味を持つこと。
恥ずかしさや恐れ、抵抗感を感じると私たちは自然と自分に意識が向かい始めます。「今私、どんな風に思われてるんだろう」「変に思われていないかしら」という具合にです。そこには、「自分は話すのが苦手だ」とか、「人見知りだ」とかいう意識があって、会話が弾まない、話が途切れるという時には「私のせいだ。。」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
けれど、対人コミュニケーションにおいては、どちらかいっぽうに責任があるということはないのです。
もし、今あなたが話し相手との間に、何らかの抵抗感や恐れ、恥ずかしさを感じて目を見ることができないとしたら、すぐに顔や目を見ようとしないで、「今、この人は何に興味を持って話をしているのだろう」「何を伝えようとしてくれているのだろう」という点に意識を向けてみましょう。
そうやって意識を相手に向け続けることで、少しづつ心の中の抵抗感が和らいでくるはずです。