自立が強まっていくと、誰かに頼ったり、相談することがしにくくなり、1人で問題を抱えることが多くなります。口癖は「大丈夫!」になったりね。また、自分がしんどいときにも人のことばかり考え、結果的に自分を放っておいてしまうんです。また、その一方で仕事などで女性に囲まれた生活をしていると、心の人口比率が女性100%に近くなり、男子禁制の生き方を作り出してしまうのです。
サファイア姫が直面する問題(2)
○自立が高まりすぎて誰にも頼れなくなる問題
さて、彼女達。サファイア姫のように、呼称に姫は付いていても、決してお嬢様的な“お姫様”ではありませんよね。むしろ内側に“お姫様”を持った“姐御”“姐さん”であることが多いんです。
自立の問題でよく取り上げられますが、自立がどんどん進んだ女性は周りから尊敬や憧れの目を向けられる一方で、その内側の問題を1人で抱え込んでしまう場合がすごく多いのです。
友だちに相談できる方も多いのですが、それでも「肝心なところは(相手に気を使って)まだ言えない」という場合もよくあります。
見栄を張るわけじゃないのですが、友だちや同僚に心配をかけたくない、という“姐御肌”も影響してるでしょうか。
サファイア姫タイプの女性とよくカウンセリングでお会いするのも、そういう理由があるのかもしれませんね。
問題を1人で抱え込んでしまうと、心には深い影が差していきます。抑うつ状態になったり、パニックになることもあります。また、仕事のパフォーマンスにも当然影響が出ますし、体調も崩し易くなります。
でも、みんなの手前、また自分らしいイメージを守るために、ほんとうはしんどいのに、明るく、キラキラした表情を見せようとするでしょう?
でも、反面、内面にはすごく辛さを抱えているのです。
だから、「私達も含め、信頼できる人にぜひ、その心の内を話してみてください」とよく提案します。1人で抱えるのではなく、周りの人を信頼し、少しずつ心の扉を開けていくことで、すーっと肩の荷が下りるのです。
特に自立的な方はカウンセリングの効果が早く出やすいんですよね。カウンセリングって自主性にかかってくるところがありますから、ずっと早く楽になれることが多いようです。
○人の面倒ばかりを見て、自分を省みなくなることにより起こる問題
先ほどの続きでもあるのですが、「ご自身がご主人との離婚問題を抱えてるというのに、昨日も後輩の相談を聞いちゃったんですね。」ということがよくあるんです。
求められること、必要とされることに実は弱いのがサファイア姫たちの特徴です。頑張っちゃうんですよね。自分のことを放って置いて。
中には、とてもしんどいから、今日は自分の話を聞いてもらおうと友だちと会ったら、つい、いつもの癖でその友だちの悩みを聞いてあげちゃった・・・という方もいらっしゃいます。
これは、ずっと自立して頑張ってきて、相談するよりはされる側だったために、人に相談し慣れていないという問題もあります。何を話していいのか分からないというか。
だから、ついいつもの癖で相手の話を聞いちゃったり、場の空気を高めるために無理やりテンションを上げて楽しい話をしてしまったりするんです。
しかも、いいのか悪いのか、そうすることで一時的にその辛さから解放されることもあります。
友だちの悩みに意識を向けることで、自分の問題から一時脱却できますし、テンションを上げれば、その分、忘れられます。
でも、問題ってなくなるわけじゃありませんよね。その後、一人になったときに、ずーん、と心に重たく圧し掛かってくるんです。
また、“イメージ”を気にされる方もいます。今まで自分が助ける側だったから、助けて貰えるとは思えなかったりしますし、周りの人に幻滅されることを怖れたりします。
でも、それだけ人のために頑張ってきた方ですから、周りの友だちや仲間は、「あなたに何かがあれば、今度は私が力になってあげたい」と思ってくれてることに気付いて欲しいのです。
そうすることで背負う荷物は一気に楽になることが多いですよ。
○タカラヅカ化の問題(男子禁制社会)
そもそもリボンの騎士は宝塚歌劇をモチーフにした物語だそうですが、サファイア姫のパターンには、まるでタカラヅカのような心理構造が出来上がっている場合も少なくないんです。
特に女子校育ちだったり、女子に囲まれた職場だったり、男性はいるけど対等で、日常生活は女子同士の付き合いがほとんどだったりすると、このパターンに当てはまることがとても多いようです。
すなわち、心の中は常に女子目線なんです。ファッションも行動もすべて女性同士を意識したもので、そこに男性が実はいない、という世界。
婚活中のクライアントさんとお話をしていて、ふと気になってこんな質問をしたことがありました。
「彼氏がいるメリットって何だと思う?いや、そもそも男性とデートしたり、一緒にいたりするメリットってあなたにとっては何だと思います?」
「・・・・。ないですね。」
遊ぶのは女の子同士の方が楽しい。話も通じるし、遠慮なく振舞える。頑張ろうって思えるし、元気をもらえるし、すごく充実する。でも、男性と一緒にいると、気を使うのもあるけれど、合わなくて、こちらが無理やり合わせる感じですごく疲れる・・・。
そんな話をしていると、「じゃあ、私、本当のところは望んでないのかも」という結論を出してしまい、若干、ショックを受けられる方もいます。
「心の中に男性が入る隙間を作ってあげましょうね」という提案をしていきます。
でも、「どうやって?」と思うでしょう?
男の人といるメリット、すなわち、楽しいことを探していきます。安心してください(笑)、すぐには見つかりません。
男友達がいない方は、友だちレベルから。友だちはいっぱいいる方は、より親密な関係になったときの「いいこと」を探すんです。
それは思考的なものでもいいですが、できるだけ感覚・感情的にやってみるといいでしょう。
要は日常生活の中で「男性」に目を向ける(意識を向ける)時間を作って欲しいな、という思いからの提案です。
そして、男性目線を意識したファッションに取り組んでみて欲しいんですね。
これは相当勇気いるかもしれません。
ファッションチェックは女性の方が厳しいですから、男性が好むファッションへの切り替えは心理的な抵抗をすごく感じることが多いでしょう。
だから、少しずつ、で、いいんです。そういうアイテムを収めるスペースをクローゼットの中に2割ほどでも作ってあげる感じで。
もちろん、本格的には「閉じた原因」を見つけて癒していくことも大切です。
そうして、心の中に「男性用スペース」が出来たとしたら、今までよりもぐっと男性を身近に感じ、かわいさやいとおしさを感じられるはずなのです。