スピーチが怖い!~カウンセラー的あがり症克服法~

人前に出て、たくさんの人を前に話をする、というのはとても緊張するもの。

それが、結婚式のスピーチや、大切な仕事のプレゼンテーションなど、失敗できないシチュエーションならなおのこと。失敗しちゃいけないと意識すればするほど、余計に緊張したり、失敗することばかり考えて何日も前から憂鬱になったり、
眠れなくなったりもします。それはまるで、本番前から本番の緊張感を感じているようなもの。そんなあがり症の克服方法を、自身も人見知りであがり症だった経験をもつカウンセラーが自らの経験も踏まえてお伝えします。

◎リクエストを頂きました◎
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私は、人前でスピーチするときに非常にあがってしまいます。
学生時代から社会人になった今まで、もうずっと悩み続けていて、いまだに克服できていません。
突然自分の番が来るような場面より、あらかじめ予告されていて待ち時間があるような場面で、より強く緊張します。いままで、あがり症対策の本をたくさん読み、呼吸法やストレッチなどを実践してきましたが、自分にはどれも効果がありませんでした。おすすめのあがり症克服法がありましたら、ぜひメールマガジン「今週の心理学」にてご教授くださいませ。
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こんにちは。
ご相談を担当させていただきます、カウンセリングサービスの秋葉秀海です。よろしくお願いします。

あがり症でお悩みとのこと、大変ご苦労されていることでしょう。私も学生時代はとても引っ込み思案で、話をするどころか人前に立つことさえ苦手でした。そんな私が今ではカウンセラーとして講演をさせていただくこともあるのですから不思議なものです。今回は、そんな私の経験も交えながらあがり症の克服についてお話をさせていただこうと思います。

人前に出て、たくさんの人達を前に話しをするというのは、とても緊張するものです。結婚式のスピーチや大事なプレゼンテーションなど、失敗出来ないシチュエーションならなおのこと。

「突然自分の番が来るような場面より、あらかじめ予告されていて待ち時間があるような場面で、より強く緊張します。」

とのことですが、私も、前の日の晩から緊張のあまり眠れない、なんてこともありましたね。

失敗しちゃいけない。

意識すればするほど、余計に緊張したり、失敗することばかり考えて眠れなくなったものです。
それはまるで、本番前から本番の緊張感を感じているようなものですから、まったくもって損な話ですよね、だってほんの数分のスピーチのために何時間も心配したり、不安になったりしているわけですから。

私たちの心は、意識をフォーカスしたものの影響を受けやすいと言われています。「うまく話せるかな」「失敗しちゃいけないぞ」と”失敗”を意識すればするほど、心の中には「うまく話せない」「失敗してしまう」というネガティブな感情が広がります。それはまさに、本番前から”失敗”を体感しているようなものなのですから、本番ではますます緊張するし、うまくいかない確率も高くなってしまうというもの。そんなことが続くと、ますますスピーチが苦手になってしまうかもしれません。

それは、意識したものが、リアルな失敗を引き寄せてしまったともいえます。

心は、フォーカスしたものの影響を受けやすい。ならば、そんな心の作用を利用して、「失敗」ではなく、積極的に「成功すること」に意識を向けてみてはどうでしょう。

スピーチならば、話しているところを飛び越えて、話し終わったあと、「うまく話せたな」と気分よく席に戻る自分を想像してみましょう。結婚式ならば感動して涙を浮かべている友人、仕事のプレゼンテーションなら満足げな顧客や同僚の表情など、できるだけ具体的に鮮明にイメージしてみるとなお効果的です。

はじめはうまくイメージできないかもしれません。話しているところを想像していると、どんどんネガティブな妄想が頭を駆け巡ってしまうこともあるかもしれません。

そんな時は、「今日のスピーチはほんとにうまく話せたぞ」と、スピーチ前、実際に声に出して言ってみます。言葉というのは、意識をフォーカスさせるのにとても効果的、ポジティブな言葉は、心をポジティブな状態にしてくれます。

こうして迎えた本番。

いざ、前に立って話をしようとすると、やはりみんなの視線が気になる。恥ずかしくて逃げ出したい気分になることもあるでしょう。そんな時わたしは、意識的に、目の前にいるひとりの人に視線を合わせるようにします。焦って話し始めることなく、できるだけゆっくりと全体を見渡すように、ひとり、またひとりと2、3人の人に目を合わせていくと、不思議と気分が落ち着いて話しやすくなるような気がします。

また、こうすると気持ちが落ち着く、という「いつものパターン」を用意しておくのもいいでしょう。大リーガーのイチロー選手は、バッターボックスに入る前、毎回必ず同じ仕草でバットを構えることで有名ですが、緊張する場面に「いつものパターン」を取り入れることで平常心を取り戻す助けになることもあります。

私たちの心はフォーカスしたものの影響を受けやすいもの。
人前であがってしまうときは「失敗」ではなく「成功に」、恥ずかしさでいっぱいになりそうなときは聞いてくれる人たちに、緊張感につぶされそうなときにはいつもの平常心に、意識的にフォーカスしてみましょう。

まずは、一度お試しあれ。お役に立てたなら幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

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